選挙ドットコムでは、乙武洋匡氏をMCに迎え選挙や政治の情報をわかりやすくお伝えするYouTube番組「選挙ドットコムちゃんねる」を毎週更新中です。
今回は2020年7月19日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは自民党・稲田朋美議員です。安倍前総理の素顔や稲田議員のビジョンについて伺いました。
乙武氏が、「長く続いた要因はなんだと思いますか?」と尋ねると稲田議員は、「私が国会議員になったときは毎年総理が代わっていたし、そのあとは政権交代もあった。そのような中、国民・政治家が安定した政権を望んでいた。自民党から違う党に政権が代われば社会は良くなるとみんな期待していたが、期待外れに終わった。そのような背景もあり、長期政権が実現したと思う」と話しました。
続けて乙武氏は、「安倍前総理の指導力もあると思うが、政権が長持ちしたなかでのキーマンはどなただと思いますか?」と尋ねます。
稲田議員は、「安倍前総理は一度辞任を経験しており、再度総理になるまでに苦労もされたし勉強もされた。その経験があるから強いリーダーになられたと思うのが1つ。また、再度安倍前総理を擁立するとき、当時の菅官房長官や麻生副総理、甘利経済再生担当大臣などキーマンが何人もいたことが圧倒的な安定感につながった。二階幹事長がおられることで、党内がガタガタしていなかったことも大きい」と話しました。
「稲田さんは安倍さんにも近しいと報じられていたが、メディアでみる内容とは異なる安倍さんの素顔はありますか?」と乙武氏が尋ねます。
稲田議員は、「メディアでは強いイメージでやや傲慢にみえるかもしれないが、実際には明るくて朗らかで人の意見をよく聞かれる方。また、色んなことに関して公平で私心は挟まない方だなと感じる。お話が上手で記憶力も良い。もっと等身大の安倍さんをテレビの前でも出されるといいのになと思います」と明かしました。
稲田議員は、「強いリーダーであることもそうだが、人に好かれることや一緒にいて楽しい気持ちになれることもリーダーに必要な要素だと思う。そして、最後まで諦めないこと。1度決めたことを途中で捨てず最後まで突き進むには、『狂』がないとできない。何かをやろうとした際に、大体9割ぐらいまでくると、やり過ぎだとか、その辺にしておけとか言われる。それでもやると言い切れるかどうかは、リーダーとして必要な資質だと思う」と話しました。
「最後までやり切るという意味で、稲田さんがこのリーダーは強いと思った方はどなたですか?」と乙武氏は尋ねます。
稲田議員は、「やっぱり安倍前総理です。2度目の総裁選のとき、誰も挑戦すると思っていなかったし、安倍前総理が当選するのは難しいと国会議員やマスコミみんなが感じていた。だが、安倍前総理は“政権奪還後の最初の総理にならないと意味がない“と強く言われていた。それでみんなが付いていこうとなったし、強い意志を感じた」と答えました。
乙武氏は、「稲田さんは総理を視野に入れていますか?」と尋ねます。稲田議員は、「自分が本当にやりたいことをやろうと思えば総理になるしかない。過去に大臣も担当したが、最後は官邸や総理の意向が必要だ」と話しました。
日本でもアメリカでも女性のトップは誕生していません。
稲田議員は、「政治は男性がやるものと思っている人が、男性だけでなく女性のなかにも多いと思う。政治は女性もするものだとみんなが思うためにも、女性議員の数が増えることは必要だと思うし、女性でもリーダーを目指せると示していくことも重要だ」と話しました。
乙武氏は、「ご自身が総理に就任するにあたって、何か欠けているものがあるとすれば何だと思いますか?」と尋ねます。
稲田議員は、「仲間作りもそうだし、根底の勉強も十分に備わっているかといったら欠けているところもある。色んな点において100%でないことは自覚しているが、全ての革命は時期尚早ともいう。チャンスがあればチャレンジしていくことが必要だと思う」と話しました。
続けて乙武氏は、「稲田さんがやりたいことや目指す国家観は、どういうものなのでしょうか?」と尋ねます。
稲田議員は、「たとえば憲法改正です。これは自民党の党是でありながらも実現できずにいるが、9条や14条を変えることによって日本を明るくできると思う。女性の活躍や多様性、マイナンバー問題など、色んな社会変革を女性目線で訴えていくと、明るい日本の風景を実現できると思う」と話しました。
乙武氏は、「党内政治も大変そうだが、どう進めていけばいいでしょうか?」と尋ねます。
稲田議員は、「夫婦別姓、LGBT、未婚のひとり親、女性活躍などの問題を私が取り上げたことで、稲田さんは変わってしまったと批判的にみる動きが党内にもある。でも、変わっていないこともいくつもあるから、一致するものをしっかり訴えていく。同じ目標に向かって戦うこと、共通体験をすることが1番の力になる」と話しました。
これに対し乙武氏は、「社会情勢がめまぐるしく変わり、価値観もどんどん多様になっていく時代。政治家1人1人も色んな出会いや学びを進めていくうえで、考えが変わっていくことはむしろ大事なことだと思う。なぜ変わったのかという説明責任さえ伴えば、恐れる必要はないと思う」と述べました。
1959年福井県生まれ。早稲田大学卒業後、弁護士業を経て政界へ。2005年の郵政選挙で初当選した「小泉チルドレン」の1人。以後再選を重ね現在は5期目を務める。自民党女性局次長、内閣府特命担当大臣(規制改革)・行政改革担当、自民党日本経済再生本部長、自民党政務調査会長、防衛大臣、自民党筆頭副幹事長・総裁特別補佐、自民党整備新幹線等鉄道調査会会長、自民党幹事長代行などを歴任。自民党政務調査会長だった2016年に「性的指向・性自認に関する特命委員会」を設立し、現在は委員長を務めている。
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