選挙ドットコムでは、乙武洋匡氏をMCに迎え選挙や政治の情報をわかりやすくお伝えするYouTube番組「選挙ドットコムちゃんねる」を毎週更新中です。
今回は2021年6月4日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは国民民主党・伊藤たかえ議員です。永田町で感じることや党への想いについて伺いました。
国会議員1期目の伊藤議員は、永田町での仕事をどのように捉えているのでしょうか?
「いちばん想定外だったことは何ですか」と乙武氏が問うと、“永田町で普通とされていても一般的には普通でないこと“が存在すると答えた伊藤議員。例として自身に起きたエピソードを話してくれました。
当時、伊藤議員のお子さんは待機児童であったため、居場所がなく議員会館へ連れていくことに。そうすると、とある議員から「うるさーい!」と怒鳴りこまれてしまったのだそう。後ほどその議員のことを調べてみると、「子どもは日本の宝です。泣くのが仕事です」と街頭演説していたのだとか。「本音と建前の世界がどこよりも深い」と伊藤議員は話します。
また、“議員としての期数“が多いほど意見が通りやすい側面もあるようです。「子育て中の若い議員が子育てに関する議論をいくら訴えても、意思決定層にいないから意見が通らない」と、1期目議員ならではの葛藤を明かしてくれました。
緊急事態宣言下では、要請した電車の減便で逆に密を招いてしまったり、コロナ禍における突然の休校要請で保護者から不安の声が出たりもしました。超党派ママパパ議員連盟の事務局長も務める伊藤議員。“経験からくる感覚で意思決定する議員たち“を説得するには、覚悟や想いがいるのだと話してくれました。
「国民民主党は何をやる集団なのか、まだ伝わりきっていない」伊藤議員はそう話します。1期目の議員である自身が代表戦に出たことや、国会議員の票が半分に割れることを例に挙げ、「国民民主党には包括される土壌がある」と述べました。そのうえで、国民民主党はまだここにない政策を供給していく政党と紹介。
2019年の参議院選挙で国民民主党は孤独対策を政策に掲げましたが、当時は新聞にもユニーク政策と書かれたのだそうです。それが今では孤独・孤立担当大臣も新設され、対策が必要ということは当たり前になりました。
政府に対し“未来にはこういうものが必要になる“と提案し、それをミッションに言い切る政党は国民民主党だと話しました。
立憲民主党ではなく、国民民主党に伊藤議員が残留した理由は何なのでしょうか。実は、玉木代表が分党表明をした際、その記者会見をみながら「お供します」とメッセージを送っていたんだとか。
「今を軸として、どういう人に応援してもらったのかという過去への恩」「未来に対して、大きな塊をつくることで自分たちができること」多くの議員は、この間で振り子のように悩んでいたのだそう。
国民民主党はそれ以外に、おかしくなってしまった政治状況のなかで、自分たちはどういうスタンスでどういうことができるのか、そのイメージをしっかり持っていた。このことが、「国民民主党に残ってよかった」と今でも思う理由なのだそうです。
最後に、国民民主党のビジョンを伺いました。乙武氏の質問は、「立憲民主党と再び手を組み野党として大きな塊をつくるのか、自民党や維新と距離を近づけそちらのグループに入っていくのか、代表戦に出た際はどちらがいいと思っていたのですか」というもの。
これに対し伊藤議員は「どちらでもなかった。国民民主党を強くしたくて代表戦に出ました」と答えます。「政治が思いのバトンリレーなのだとしたら、野党がバトンを渡し、政府は『任された』と走ればいい。その意味で、“政党が対立関係になければいい政策は生まれない“という考えは古い」と思いを語ってくれました。
「所属政党関係なく、会社のようにプロジェクト単位でグループワークを行い、フラットな立場で“あるべき政策“を語ったほうが、よっぽど国の未来のためになる」と伊藤議員は話します。「“株式会社 日本“の国民民主党グループに私はいる」。どこの政党にくっつくとか、どうやって大きな塊にするのかといった質問には答えづらいのだと、本音を明かしてくれました。
1975年愛知県生まれ。金城学院大学卒業後、テレビ大阪、資生堂、リクルートを経て政界へ。民主党の候補者公募に合格し、2016年参議院議員に初当選。現在は国民民主党の副代表、役員室長、総務局長、子供・子育て・若者政策調査会長、超党派ママパパ議員連盟事務局長を務める。
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