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有権者のテレビ、新聞、ネット利用時間はどのように変化してきているのか?

2020/7/22

渡邉 秀成

渡邉 秀成

2013年参議院選挙でインターネット選挙運動が解禁されて7年経過しました。
ネット選挙運動解禁は低迷する選挙投票率の向上が期待されましたが、
統一地方選挙、国政選挙ともに投票率は低下する傾向にあります。

図1_参院選_投票率

図中の矢印がある部分がインターネット選挙運動が解禁された第23回参院選挙です。

昨今は、通勤、帰宅時間帯の電車内を見ていると、紙媒体を読んでいる人はほとんどおらず、スマートフォン等のインターネットに接続することにより利用できるサービスを楽しんでいる人が圧倒的多数です。

今回は人々の新聞、テレビ、インターネット等のメディアの利用時間がどのように変化してきているのかを観察します。

まず最初にテレビの視聴時間とインターネット利用時間がどのように変化してきているのかをグラフ化したものが下図になります。

データは総務省情報通信政策研究所「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」*1からです。

図2_ネット_テレビ_利用時間_全世代

*1 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd232510.html 2020年7月10日閲覧

全世代での数値になりますが、全体的にテレビのリアルタイム視聴時間が減少し、インターネット利用時間が伸びていることがわかります。

インターネット利用時間は2014年から2018年で約20分ほど伸びており、テレビのリアルタイム視聴時間は10分程度減少しています。

スマートフォン等で手元で何らかのサービスを手軽利用できるのであれば、
そちらを利用する人が増えるのも当然かも知れません。

また、各メディアの利用時間は生活環境によるところが多いと思われるので、
生まれた頃からインターネットに接続できる環境がある年代とそうでない年代で、行動習慣が変化しているとも考えられます。

上記図は全年代を含めた数値でリアルタイムのテレビ視聴時間とネット利用時間をグラフ化したものですが、これを年代別にグラフにしたものが下記になります。

図3_年代別_ネット_テレビ_利用時間_比較

*1 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd232510.html 2020年7月10日閲覧

2014年から10代、20代はリアルタイムのテレビ視聴時間よりネット利用時間のほうが長いことがわかります。

30代は2017年からテレビとネットの利用時間が同程度になっていることがわかります。

40代以降はテレビの視聴時間が長いですが、徐々にインターネット利用時間が伸びてきていることがわかります。

2013年にネット選挙運動が解禁されて若年有権者の投票率が向上することが期待されましたが、これらのネット利用時間の調査結果を見る限り、インターネット選挙運動が直接若年有権者の投票率向上に役立ったと言えるかどうかは微妙なところです。

また、選挙が近くなると選挙公報が新聞に挟み込まれる形で各家庭に送られてきます。新聞の発行部数はどのように変化してきているのかも見てみましょう。

図4_新聞_発行部数_2000年_2019年推移

一般社団法人 日本新聞協会 新聞の発行部数と世帯数の推移からグラフを作成したものを見ますと、新聞の発行部数は減少していることがわかります。

近年は減少幅が大きくなっているようです。
ウェブ媒体で新聞記事を読むことができるようになってきているのでその影響もあるのかもしれません。

以上、テレビ、ネット、新聞と各種メディアの利用時間、利用割合について見てきました。

ただ、各メディアに対する利用時間変化してきていますが、各メディアに対して人々はどの程度信頼しているかについても見てみましょう。*2

図5_各メディアに対する信頼度_年代別

*2  令和元年 総務省 情報通信白書 図表1-4-1-5 メディア別信頼度(全年代・年代別) より 2020年7月10日閲覧
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/image/n1401050.png

全体の傾向で見ると新聞、テレビといった従来からあるメディアに対する信頼性が高く、インターネットメディアに対する信頼性は新聞、テレビと比較をすると低いことがわかります。

また、インターネット利用時間が長い10代,20代はインターネットメディアの信頼度が高そうに思いますが、この調査結果を見る限りテレビ、新聞に対する信頼性が高いことがわかります。

年代に関わらず情報発信者は誰であるかということについて、重視しているのかもしれません。

確かに、インターネットメディアを観察すると、インターネットメディアが独自取材をして記事掲載をするというより、マスメディアといわれるテレビ、新聞等が発表した報道記事を引用し、その引用した記事ついて意見の書き込みをする場所を設けて、読者を呼び込む形式が多いことを考えると、現在のところ、メディアの信頼度に関してはテレビ、新聞のほうが高くなっていると考えることができそうです。

選挙を予定しているかた等は、これらの調査結果をSNS、ウェブサイト制作等にお役立てください。今回は各種メディア利用時間の変化と信頼性について見てきました。

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渡邉 秀成

渡邉 秀成

有価証券報告書等のテキスト解析から有権者投票傾向等、 幅広いデータを各種プログラム言語を用いて視覚化、調査をしています。 またデータ活用がしやすいキレイなデータ作成方法を提供しています。 選挙関連のデータはこちらです。 https://datastats-election.info

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