選挙ドットコム

「野党は反対ばかりして対案を出していない?」客観的にデータ検証してみた 【2020年版】

2020/7/14

中谷 一馬

中谷 一馬

衆議院議場(衆議院公式ページより)

「野党は反対ばかり」の真っ赤な嘘

「野党は対案を出さずに反対ばかりしている」

政権与党幹部などから、こうした趣旨の発言が繰り返しメディアなどを通じて発信されることがあります。しかしながら、本当に野党は、法律案・対案を出さずに与党が言っていることに対して反対ばかりしているのでしょうか?

それらの意見をファクトチェックするために、様々なデータをもとに検証してみました。

2017年11月に開会された第195回国会から2020年6月に閉会された第201回国会を見ていくと、立憲民主党会派は、政府提出法案の83.1%に賛成しています。ちなみに、最も賛成率が高かったのは、日本維新の会の88.3%、最も賛成率が低かったのが、日本共産党の54.1%でした。

日本維新の会は、政権に近いとされている党でありますが、客観的データからも賛成率が一番高いというデータが出ています。また、賛成率が一番低い共産党でも、政府提出法案に54.1%賛成をしています。

「共産党は何でも反対」と言う方がいますが、過半数以上賛成している事実を客観的に踏まえれば、是々非々の賛否両論で挑んでいるといった表現などが正しいのではないでしょうか。

そして立憲民主党は、83.1%と、8割以上に賛成しています。

また今年2020年1月20日 – 2020年6月17日の期間で開催された第201回国会に関して言えば、衆参合わせて103本の法案が審議されましたが、立憲会派は法案の93本(90.29%)に賛成。反対した法案は10本(9.71%)と1割もありません。

また、日本維新の会にあたっては103本の法案に全て賛成。政権与党と100%共同歩調を取られました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大も影響し、ある意味、与党と野党でヘルシー過ぎる権力闘争が続いているということが紛れもないデータから示される客観的な事実です。

立憲民主党は、野党なのに政府が言っていることに対して、賛成ばかりしていてけしからんと、お叱りを頂くこともあるかも知れませんが、やはり良いものは良い、悪いものは悪いというスタンスで生産的な議論を進めていきたいという想いからです。

もし周囲に「野党は反対ばかりしている」という発言をされる政治関係者がいたら、その方は、内容が嘘偽りだとわかっていてもプロバカンダとして意図的な印象操作を行っているか、もしくはファクトチェックを行わず、ステレオタイプで情報発信をしている可能性が高いと思います。

注目してほしい「反対」の16.9%


データから見ても明らかな通り、私たち立憲民主党は、ライバルである政権与党の提案であるから何でも反対をしているわけではありません。

平和で豊かな国民生活を創ることを念頭に、深く審議した上で、賛成すべきであるか、反対すべきであるかを判断しているからこそ、与党提案の法律案に約8割賛成しています。

そうした中で、みなさまに注目してほしいのは、立憲民主党が反対をしている16.9%の法律案についてです。

多くの法律案に賛成しているにも関わらず、16.9%の法律案に反対しているのには、必ず理由があります。

明らかに反対すべきおかしなポイントが存在しているのです。

例を挙げれば、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」「所得税法等の一部を改正する法律案」「地方税法等の一部を改正する法律案」「地方交付税方等の一部を改正する法律案」など、反対している方々が一定数いる法案ばかりです。

今後、私たちが反対している法律案があった時には、「野党だから反対している」と思うのではなく、何かしらの問題があるから侃侃諤諤の議論を与野党で行っているのだなと客観的な目でご注目頂けましたら幸いです。

そこには、必ず反対すべき「明確な理由」があることがおわかりいただけると思います。

立憲民主党は、128本の法律案を国会に提出している

「野党は対案を出さずに批判ばかりしている。」

これもよく聞こえてくる発言ですが、これは客観的な事実でしょうか?

ちなみに立憲民主党は、結党後開会された第195回国会から第201回国会までの約二年半の間に128本の法律案を提出させて頂きました。

この中には、「ギャンブル依存症対策法案」「原発ゼロ法案」「子どもの生活底上げ法案」「隠蔽情報公開促進法案」「手話言語法案」「電子署名法改正案」「新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための休業者、離職者等の生活の支援に関する特別措置法案」「新型コロナウイルス感染症関連支援に係る手続の迅速化に関する法律案」など、皆様にお約束をした公約、政府案への対案、新型コロナウイルス関連の法案などが多く含まれています。

立憲民主党提出 議員立法一覧

しかしながら、今の政権与党はあまりにも数が多く、審議する法案や内容も自分たちの都合で決めることができます。

その結果、野党が法案を提出しても、審議され報道に流れることで争点にされたら困る法律案(例えば「原発ゼロ法案」など)については、政府与党が審議自体を拒否し、都合の悪い法案は審議すらされないというのが現実です。

原発ゼロ法案について、2018年3月4日に行われた東京新聞の世論調査によれば、原発を何かしらのかたちでゼロにしたいと考えている方は75%おり、国民の多くが原発はゼロの方が良いと考えています。

その状況で野党が提案する原発ゼロ法案が審議されると、メディアを通じて広く国民に情報発信がなされ、世論が喚起されてしまうと、原発を推進したい政府与党にとって、都合が悪いのです。

こうした法律案は他にも多数あり、野党議員のみで提出した法律案269本中、与党が議決に応じた数は、わずか7本(2.6%)でした。

歴史上、権力は必ず腐敗するという格言がありますが、政権与党が自分たちの意見のみを反映させた政府提出法案の成立を優先し、対案である野党提出法案を殆ど審議すらせず、蔑ろにしている現状は健全な民主主義とは程遠いと思います。

国会の現状は、「野党は対案を出さずに批判ばかりしている」のではなく、「野党が対案を出しても政権与党が審議を蔑ろにしている」がデータから導き出される正しい見解です。

この記事をシェアする

中谷 一馬

中谷 一馬

1983年生。B型。貧しい母子家庭で育つ。厳しい経済環境で育ったことから、経済的な自立に焦り、日吉中学卒業後、社会に出る。だがうまく行かず、同じような想いを持った仲間たちとグループを形成し、代表格となる。しかし「何か違う」思い直し、横浜平沼高校に復学。その後も社会人として働きながら、呉竹鍼灸柔整専門学校にて柔道整復師の資格を取得し、慶應義塾大学に進学。デジタルハリウッド大学大学院にてMVPを受賞し首席で修了。DCM(デジタルコンテンツマネジメント)修士号の学位を取得。その傍ら、東証一部に上場したIT企業(株)gumiの創業に役員として参画。こうした過程において、社会を変革する必要性を感じ、人の役に立つ人生を歩みたいと政界進出を決意。その後、第94代内閣総理大臣 菅直人の秘書を務め、27歳で神奈川県議会における県政史上最年少議員として当選。在職中、世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)のGlobal Shapersに地方議員として史上初選出され33歳以下の日本代表メンバーとして活動。また第7回マニフェスト大賞にて、その年に一番優れた政策を提言した議員に贈られる最優秀政策提言賞を受賞。さらに著書の『セイジカ新世代』(幻冬舎)が「憲政の神様」尾崎行雄記念財団が選ぶ「今年の一冊」咢堂ブックオブザイヤー2020にて大賞を受賞。現在は、立憲民主党 神奈川7区(横浜市港北区・都筑区) 衆議院議員、立憲民主党デジタル政策PT & 科学技術イノベーション議員連盟の事務局長としてデジタル政策を中心に活動中。趣味は、"ラーメン"の食べ歩き。

選挙ドットコムの最新記事をお届けします

ホーム記事・コラム「野党は反対ばかりして対案を出していない?」客観的にデータ検証してみた 【2020年版】

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_white選挙ドットコムHOMEicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twitter_whiteicon_youtube