衆参5補選は大激戦!情勢と構図を解説!自民党は何勝何敗?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
2023/04/19
7月の第25回参議院議員通常選挙(以下、参院選)で党所属の国会議員がゼロの状態から比例で議席獲得&政党要件を満たしたNHKから国民を守る党(以下、N国党)。
連日メディアやネットで注目を集めていますが、今回は選挙ドットコム編集部が8月9日に行った参議院議員・立花孝志N国党代表へのインタビューの模様をお届けします。参院選の評価や現在のYouTubeチャンネルの状況、今後の見通しなどを聞きました。
選挙ドットコム編集部(以下、選挙ドットコム)
4月の統一地方選挙、そして7月の参院選と、N国党は選挙で大きな結果を出されています。7月の参院選では37選挙区に候補者を擁立し、全国の選挙区での得票率が2%を上回ったことが政党要件につながりました。
その戦略について他のメディアの取材等でも述べられている通り、過去の選挙で幸福実現党が獲得した数字等を参考にしていたとのことですが、今回の参院選で幸福実現党はあまり候補者を擁立しませんでした。幸福実現党が全国の選挙区に候補者を擁立していたら結果への影響が出ていたかと思いますが、この辺りで幸福実現党との話し合いはあったのでしょうか?
NHKから国民を守る党代表・立花孝志氏(以下、立花氏)
特に全面的な調整の話し合いはなかったです。仲良くさせていただいているのは事実ですが。僕は実現党さんが候補者を擁立する、と思っていましたがそれでもいけるだろうと思っていました。逆に実現党さんが出なかったことで3%をも超えられたんだと思います。ただ一人区の奈良、山口、宮崎ではうちは候補者を立てませんよ、という点だけは公示前に最終調整しました。その点だけですけれど。お互いに住み分けのようなことは行っていません。
もし実現党さんが候補者を立てていたら、今回の参院選でうちが候補者を立てていなかった8選挙区にも候補者を立てていたと思います。もともとうちは全選挙区に立てるつもりでしたので途中で実現党さんが立てない、という情報が入ったので「ラッキー」と思った程度でした。
選挙ドットコム編集部
選挙区から少しずつ票を集めて議席を獲得するということを読んでいたんですね?
立花氏
どんな選挙でも無効票が2%程度あるじゃないですか。投票に行って白票を投じる人がいますし、うちの党に入れるかどうかは別にしても投票に行くけど既成政党には投票したくない、という人が一定数います。そういった人たちからの票を集めればうちの党ではないどこかの党がやっても2%はいくだろうなと思っていましたよ。
選挙ドットコム編集部(以下、選挙ドットコム)
一部では「ネット動画を見て面白がる人達が投票した」と見る向きもあるようですが、そのあたりはどうお考えですか?
立花氏
いやいや、みんなちゃんと政策を理解してますよ。理解してないと投票なんてわざわざ行きませんから。以前あった「支持政党なし」だって9割はちゃんと理解して入れてると思いますよ。だって支持政党ない人がわざわざ投票所行って「なし」って書かないでしょ…。
選挙ドットコム
ではもっと本質的に支持している方が多いということでしょうか。
立花氏
我々は、インターネットを使った『どぶ板』をずっとやってますからね。NHK撃退シールを送って、電話対応やって。それを無料で6年間やってるんですよ。やり取りをした人は何十万人もいますから。もちろん選挙の時はそのリストにハガキを送っていますし。ただ電話対応された人にとっては我々が選挙に出ていることが認識されにくいかもしれません。なので選挙に出ているということはハガキによって認識していただいたかと思います。
選挙ドットコム
なるほど。ではYouTubeで政見放送を見て面白かったから投票した、という層は多くはない?
立花氏
面白いことをすれば票が取れるのであれば面白いことをしますよね。単に面白いことをしたら、話題にはなるけど票は減るんですよ。マック赤坂さんのこれまでの得票数見れば分かりやすいですよ。マックさんの数字を見る限り、ふざけるほうが票が下がるんです。だから今回の政見放送は、票を落としてもいいから次の衆議院選挙に向けてネットで話題になるようなものにしたんですよ。
今回の参院選は、僕が当選することは分かっていました。全国での得票率2%も取れることは分かっていました。むしろ3議席とか取っちゃったら逆に怖いな、早すぎるな、と思ってたんです。ペースを速める必要が出てきてしまいますから。まだ部下が育っていないというのか、僕以外に国会議員をできるような人がまだいないんですね。僕は地方議員と国会議員は分けて考えています。外交・国防についての立法に関われるような人はまだいないので。だから2%でよかったんです。
選挙ドットコム
今回の選挙ではなく、先のことを考えて動いていたんですね。
立花氏
そりゃそうですよ。政治っていうのは先を読む力でしょ。前の東京都知事選挙は今回の参院選のためにやっている訳ですし。次の衆院選では、東大、京大、歯科医師、司法書士とか、どう見ても「おおっ」っていうレベルの人しか公認しません。それで真面目なことしかしない。今回とのギャップを見せていきます。次の衆院選ではふざけた人は出さないですよ。出さないので数は絞ります。すぐに目の前のことを見るのではなく、5年後10年後を具体的にビジョンして行動しています。今の野党をまとめるのも僕だと思っていますよ。
選挙ドットコム
NHKのことだけをワン・イシューに掲げていますが、本当にこれだけをやるつもりなのか、それともNHKの問題は単なる手段として掲げているのだけなのでしょうか?
立花氏
そりゃNHKのことしか考えていない訳ではないですよ。それだけで集まっている訳ないです。NHKの問題を公平にしていく、ということがこの国の仕組みを公平にしていく、公平な国家を作っていくことにつながると考えています。一つの既得権の象徴でしょう?これをぶっ壊すことがわかりやすいセンターピンな訳です。選挙ってわかりやすくないと票を投じてもらえない訳ですから。
まずNHKのことをわかりやすくワン・イシューでやる。なぜかというとこれしかしない方が信用されるからですよ。あれもこれもとやると出来たかどうかがわかりにくくなってしまうんです。占い師がなぜ当たるのかというと、占いが当たったときにだけ実感するからで、当たらなかったときには当たらなかったことを実感することはないと思うんです。
その感覚と同じで、やっているかやっていないかがすぐわかるんです。今でも有権者の方は私に直接電話できるようにして、本当にちゃんと活動をしているのか、嘘をついていないかどうかがわかるようにしています。まずは政治家は嘘をつかない、信用できる、と思ってもらうところから始めてないといけないんです。そう思ってもらえるようになったら、「N国党はちゃんとやってくれるだろう」と思ってもらえる訳です。
選挙ドットコム
では今のワン・イシューはあくまで入り口としての役割で、本当にやりたいことはもっと先にあるんですね。動画などで「直接民主主義へアップデートしたい」といったことを言っておられますが、このあたりも念頭にあるのでしょうか?
立花氏
もちろん。ただそれをやり遂げるまで政治家を続ける気はないです。NHKのスクランブル放送化ができたら辞めるのは変わりません。辞めないと権力者は腐敗するものですから。目標は嘘をつかない人が評価される・出世する、そんな民主主義ですがそれが今はおかしくなっています。それをクリーンにするには直接民主主義がいいんだと思っています。直接民主主義を実現させていく過程の途中でNHKのスクランブル放送化は実現すると思うので、その時点で僕は辞めます。残りは打ち出した方向性に沿って他の人がやってくれると思います。
直接民主主義を味わっていただいて、「あんまり直接民主主義って良くないんだな」と思ってもらえないと、更にその先のところにはいかないから。
ふざけているのも話を聞いてもらうためです。ふざけないと聞かないでしょ?ふざけると攻撃が来る→攻撃されても言い返して論破する・負けない、というのであれば話を聞いてもらえる訳です。
選挙ドットコム
政見放送だけでなく、立花さんのYouTubeチャンネルも選挙後さらに盛り上がってきている印象です。
立花氏
最近はYouTubeから1日60万円くらい入ってきてるからね。このペースなら年間で2億円弱でしょ。
選挙ドットコム
額にすると政党助成金を超えるペースですね。YouTubeアナリティクスを見せていただけませんか?
立花氏
いいですよ全然。何も隠すことないですから。ほら、こことか60万超えてる。もう政党助成金より大きいよね。(編集部注:YouTube規約上の問題で収益画面は掲載できません)マツコ(・デラックス氏)とか言い出したのがこのあたりで…やっぱり数字持ってるから上がるよね。
選挙ドットコム
ちなみにどんな視聴者層なんですか?性別とか年齢の分布はどんな感じでしょうか?
立花氏
こんな感じ。男性がほとんどだね。年齢は最近若くなった。元々は40〜50代が多かったけど、最近は若い人が増えてますね。
選挙ドットコム
これは狙い通りなんでしょうか?
立花氏
そうだね、高齢者は最初から諦めていますからね(笑)世代別の人口で2倍くらい差があって、投票率も倍近く差があると考えると、若い人の票数は4分の1くらいしかないんだけど。でも彼らはこれから何十年も入れてくれますからね。
選挙ドットコム
なるほど。。貴重な画面まで見せて頂き、ありがとうございました。
次のページ : 編集後記:「N国党」「立花孝志議員」からみる政治の報道とメディアの役割
メディアやネット上での発言が話題になりやすい立花氏。しかし話題性だけではなく実際は計画力と実行力が現在の結果につながっているのかもしれません。
>>「6年後の2019年参院選で国政を目指す」と言っていたN国党が、本当にやってのけたその理由|NHKから国民を守る党の戦略【前編】(畠山理仁)
>>「NHKから国民を守る党」が議席獲得・政党要件も満たした驚愕の選挙戦略とは?
立花氏は8月9日に行った本インタビューの中で自身のYouTubeチャンネルのアナリティクスの情報や収入について言及していますが、インタビュー後の8月11日・13日には動画の広告収入等に関する動画を自身のYouTubeチャンネルで公開しています。
また、N国党の候補者が各地で当選した今年春の統一地方選や、本格的に注目を集めるようになった7月の参院選よりも前である今年1月にも党や立花氏個人、立花氏の運営する会社の収入に関する動画を公開しているなど、「何も隠すことはないです」というインタビュー中の言葉が示すようにオープンにしていることがうかがえます。
これらの動画からわかるのは、統一地方選~参院選の前と後で年間の予想収入額が大きく変わっているということです。従来の国会議員の政治資金源として一般的なのは、歳費や期末手当以外には議員の資金管理団体・政治団体が集める献金(寄付)や政治資金パーティーでの収入、議員が政党支部の支部長を務めていれば政党からの収入などでした。
一方で立花氏の公開している情報をみると、寄付・献金による収入はなく(支援者からの借金はあり)、議員歳費や政党助成金などを除くとYouTubeチャンネルの広告収入が割合の多くを占めているのがわかります。この方法は政治家の資金源として立花氏の他に同じような国会議員は見られません。しかし「YouTuber」として、あるいはYouTubeチャンネルの収益化という点で考えると特に珍しい訳ではありません。
既存の政治家・政党も同じような手法を取ろうと思えば法律的な問題がない以上阻むものはありませんが、現状は立花氏/N国党以外にこの手法を取る政治家はいません。この現状を単に他の政治家が「やろうと思えばできるがあえて真似していない」とみるか、「やりたくても真似できない」のどちらとみるかは考えるべき点かもしれません。
ネット選挙解禁以降、政治家はSNS、HPなどを活用して政治活動の情報発信や選挙運動などを行うようになってきました。しかしそれは活動の一部に留まり、一部の例外的な政治家を除けばウェイトとして活動量の多くを占める、というまでは至っていませんでした。
政治家が発する情報の有権者へのこれまでの届き方はおおまかにいうと、
政治家が発言・行動をする→マスコミ・メディアが取材・編集をする→一般の有権者に各々の媒体で届ける
という流れでした。しかし立花氏のYouTube・SNSでの発信を前提に考えると、
立花氏が発言・行動する→立花氏がYouTubeの動画で発言・行動を公開する→一般の有権者が目にする
という流れができています。
メディアによる編集や物事の切り口の提供、という機能を飛び越えた情報の届け方を確立しつつあるといえるかもしれません。
立花氏は自身のチャンネルで公開している動画内で度々「国会議員YouTuberの立花孝志…」と名乗っています。
「YouTuber」の定義には様々なものがありますが、共通するのは「継続的にオリジナルの動画コンテンツをYouTubeに投稿し、広告収入を得ている」人、という点です。YouTubeで広告収入を得るためには「YouTubeパートナープログラム」に参加することが必要ですが、その条件は「チャンネルの過去12カ月間での総再生時間が4000時間以上」「チャンネル登録者数が1000人以上」というものです。
| ちなみにチャンネル登録者数1000人という数字は全YouTubeチャンネルの登録者数ランキングで最低でも上位11%に位置することになります。立花氏のチャンネル登録者数は約45万人で、上位0.6%から0.7%の間に位置していることになります。 |
YouTubeで再生回数や登録者数を増やすためには話題性があることが必要になってきます。この観点から立花氏をYouTuberとして捉えると理解しやすいのではないでしょうか。最近も立花氏はタレントのマツコ・デラックス氏に言及した動画で注目を集めましたが、動画内では「数字を持っているから取り上げる」つまり話題になる・注目を集めるからマツコ・デラックス氏を取り上げる、という旨の発言をしていることからも伺うことができます。
ジャーナリストの江川紹子氏はYahooニュースの記事内(8月16日付)で
確かに、NHKにはネット配信に伴う受信料の問題や番組の内容などについて、いろんな意見があり、議論すべきことも多い。けれども、こうした雰囲気や荒っぽく雑な物言いで、公共放送を「ぶっ壊す」ことに抵抗感が薄れていくとしたら危うい。
そればかりか、今回のマツコ氏とTOKYO MXに対する対応を見ていてもよく分かるように、国会議員という立場と資金力を得たことで、メディアに対しても、気に入らないものには圧力をかけ、「触らぬ神に……」とばかりに批判をしにくい雰囲気が広がるのもよくない。
メディアは、N国の取り上げ方をよくよく考えてもらいたい。
とN国党を取り上げる上で警鐘を鳴らしています。
この8月も立花氏はN国党の候補者が立候補している地方選挙やNHK問題に関する動画とともに、巷で話題になっているタレント・芸能人に言及した動画や、政治家のスキャンダルについての動画を公開しています。今後、永田町で(あるいは世間で)注目を集める何かが起こる度に「YouTuber」立花孝志氏の「動画ネタ」は増えていくのかもしれません。
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