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埼玉県知事選挙の投票日前に知っておきたい!「埼玉のいま」を表す10の数字

2019/8/21

原口和徳

原口和徳

16年ぶりに新人同士の争いとなった埼玉県知事選挙は25日の投開票日に向けて各地で論戦が繰り広げられています。「翔んで埼玉」とのコラボレーションによる投票啓発活動なども話題となっていますが、歴代県知事選挙の投票率ワースト5の内3つを占めるなど低投票率になりやすいことでも知られている埼玉県知事選挙は気温同様に「熱い」ものとなるでしょうか。

若者世代の投票参加を後押しすべく、埼玉県政において若者とかかわりのある10の数字をご紹介します。候補者の政策を読み解く際の参考資料として、ぜひご確認ください。

埼玉県の人口は738万人 。世界の国や地域と比べても真ん中くらいの規模

埼玉県の人口は約738万人(平成31年1月1日住民基本台帳人口)と前年から1.4万人ほど増加しており、全国で5番目に人口が多い都道府県です。
190の国や地域の人口と一緒にランキングしたときに、埼玉県は上位から100番目に位置付けられる規模となります。

図1_埼玉県の人口推移

そんな埼玉県ですが、2020年頃を頂点に長らく続いた人口増加が止まり、緩やかな人口減少局面に差し掛かっていくことが予想されています。昨年、75歳以上人口の対前年増加率が全都道府県の中で最も高くなるなど、高齢化も急速に進んでいきます。

2025年には1.6万人の介護人材が不足

県内では2016年度に8.1万人の介護人材の方が就業していますが、急速に進む高齢化を背景に介護人材の不足に拍車がかかることが見込まれています。
すでに特別養護老人ホームで空きベッドはあるものの必要な介護人材が確保できないために入居希望者を受け入れられないケースも発生しています。
厚生労働省の発表では2025年に1.6万人ほど介護人材が不足すると推計されています。

交通の便が良い埼玉県には、自宅から職場までの通勤時間が同じであるならば、より賃金の高い東京都内の施設へ、と都内に勤務している人が多く居住しています。
今後どのようにして県内で勤務する介護人材を確保していくのかが注目されます。

人口10万人当たりの医師数160.1人は全国で最小

高齢化の影響が色濃く出る分野に医療があります。
平成28年末に埼玉県で勤務する医師の数は11,667人と全国で9番目に多い人数となっています。けれども、人口10万人当たりの医師数で比較してみると埼玉県160.1人は全国で最も少ない人数となります。

図2_埼玉県の医師数

また、救急時に119番通報をしてから病院に収容するまでの時間は、2017年の埼玉県における平均所要時間は43.8分であり、全国で4番目に遅い水準となっています。

もちろん、お医者さんは他県よりも多ければ多いほどよいというものではありません。埼玉県の平均年齢は他県よりも低いため医療需要が低い可能性も考えられます。
今後、ますます少子高齢化の影響がはっきりと表れてくる中で、皆さんはどのような環境を望まれますか。

1,208人(保育所)と1,657人(放課後児童クラブ)。埼玉県の待機児童

高齢化が進むなか、埼玉県の合計特殊出生率(平成29年度)は1.36と全国平均を下回り少子化も進んでいます。

埼玉県の待機児童数は2019年4月1日時点で1,208人です。昨年と比べると344人減少していますが、まだまだ多くの待機児童がいます。

県内の保育所定員数は過去10年間で45,816人ほど増加し、10年前の1.5倍以上になっていますが、待機児童数は1,000人を超え続けており、保育を必要とする大勢の子どもや親御さんがいる状況が続いています。

図3_埼玉県の保育所定員と待機児童数

また、「小1の壁」が有名な放課後児童クラブの待機児童数も2018年5月時点で1,657人が報告されています。

これまで様々な取組みが実施されながらもなかなか解決できていない待機児童問題。どのような目標や対策が考えられるでしょうか。

女性の就業率は15年間で14%上昇し70.7%

県の三大プロジェクトの1つとして「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」が推進されています。25歳から44歳の女性の就業率は2000年に56.3%ほどであったものが2015年には70.7%まで上昇しています。

埼玉県は昼夜間人口比率の差が日本一大きいなど、東京のベッドタウンとして都内で働く人が多く暮らしています。相応の通勤時間を要する共働き世帯が増えることで保育の需要が今後も増加していくことが予想されます。
そのような中、子どもたちを取り巻く環境、特に安心についてはどのようになっているでしょうか。

児童相談所での虐待相談対応件数は13,095件。全国4番目に多い

児童相談所での児童虐待相談への対応件数は、2017年度に13,095件と全国で4番目に多くなっています。なお、4年前の2013年は5,133件と全国で5番目に多い状況でした。

児童虐待に対する相談件数は全国で2013年は73,802件であったものが2017年には133,778件となるなど急増しています。

図4_埼玉県における児童相談所での児童虐待相談対応件数

児童相談所が対応していることはマイナスに捉えることも、逆に対応できる環境を整えられている成果だとプラスに捉える意見もあるようです。
一方で、苦しむ子どもたちが多数いることがなにより大切な事実です。県内ではいじめを苦にした悲しい事件も生じています。

また、医療環境も注目されます。
埼玉県の人口10万人当たりの小児科医数は81.9人となり、全国で2番目に少ない人数となっています。また、産婦人科・産科医についても人口10万人当たりで28.9人と全国で最も少ない人数となっています。

少子高齢化が進む中で、地域の中で子どもたちが健やかに育まれ、活躍していくためにどのような取組みが望まれるでしょうか。

犯罪発生件数は10年間で半減も、件数は全国で3番目に多い

県内では子どもが被害者となる凶悪犯罪の報道が続きました。
2018年に埼玉県内で認知された犯罪件数は60,001件と年々減少しています。一方で県民数を警察官の人数で割った一人の警察官が担当する住民数は636人と全国で最も大きくなり、少ない人数で着実に犯罪を減らしているように見えます

図5_埼玉県における犯罪発生件数の推移

一方で、違う見方も成り立ちます。
例えば、犯罪件数の減少は全国的な傾向であり、埼玉県の犯罪発生件数は2018年に全国3位と高いままである、といった意見です。
また、検挙率も2018年30.7%と全国で2番目に低くなっています。なお凶悪犯罪に限ると検挙率は86.9%、高い方から数えて全国で35番目となります。ちなみに、10年前の検挙率は犯罪全体では25.5%、凶悪犯罪では66.7%でした。

県内では中学生が被害者となった凶悪犯罪も続いていることから、数字に表れない心の部分でのケアも重要性を増しています。

県内総生産22.7兆円はポルトガルやギリシャを上回る規模

県民経済計算によれば平成28年度の埼玉県の県内総生産(名目)は22兆6,897億円で前年度から0.6%のプラス成長となっています。

OECD加盟国の国内総生産(GDP)と比較すると25番目になります。経済規模としてはポルトガルやギリシャ、チェコ、ニュージーランドといった国々を上回っています。

図6_埼玉県の経済規模の国際比較

ほかにも、2009年から2018年の10年間での他の都道府県からの企業本社の転入超過数が743社と埼玉県が全国トップとなったことや有効求人倍率が平成27年から1倍を超える状況が続いていることなどを踏まえて埼玉県の経済は好調である、と主張されることもあります。

1人当たり県民所得297.7万円は全国15番目

一方で、埼玉県の経済に対する課題を指摘する意見もあります。
たとえば、1人当たり県民所得は4年連続で上昇しているものの平成27年度は297.7万円と関東平均の370.7万円を下回り、全国でも高い方から数えて15番目となっています。
埼玉県の人口が全国で5番目に多いことを考えると、一人あたり県民所得が少ないのではないかといった指摘です。

また、「人手不足」も深刻な問題となりつつあります。
しばしば「埼玉都民」という表現が使われるように、暮らすのは埼玉、働くのは東京という人も少なくありません。
例えば人手不足が指摘されることの多い保育士の事例です。東京よりも家賃が安い埼玉に住み、埼玉よりも賃金の高い都内の職場に働きに行くことで、県内に保育士さんはいるものの、県内の保育所での人材不足は解消できていないという状況もあります。

少子高齢化によって働き手が減少していく中で、県内の経済の活力と私たち一人ひとりのワークライフバランスを両立させるためにはどのような取組みが必要だと思いますか。

前回知事選挙の投票率26.63%。投票権を持つのは県民の8割

埼玉県知事選挙の有権者数は約614万人です。
埼玉県を100人の村に置き換えてみると、村人の内83人が投票権を持っていることになります。前回知事選挙の投票率は26.63%でしたので、今回も同じ投票率だと仮定すると知事選挙で投票する村人は22人になります。

なお、今回の県知事選挙では、期日前投票所での投票者数が選挙期間中最後の日曜日を終えた段階で前回を約6万人上回ったことが報告されています。18歳選挙権の下で行われる初の県知事選挙ということもあり10代有権者の投票行動が注目されますが、最終的な投票率はどうなるでしょうか。

今後、他のどの世代の方よりも長く埼玉県とかかわりを持つことになる若者世代が、埼玉県の未来を「自分ごと」として考え、各候補者の政策を読み解き、納得のいく1票を投じていくことが期待されます。

埼玉県知事選挙

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原口和徳

原口和徳

けんみん会議/埼玉ローカル・マニフェスト推進ネットワーク 1982年埼玉県熊谷市出身。中央大学大学院公共政策研究科修了。早稲田大学マニフェスト研究所 議会改革調査部会スタッフとして、全国の議会改革の動向調査などを経験したのち、現所属にて市民の立場からのマニフェストの活用、主権者教育などの活動を行っている。

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