
任期満了に伴う氷見市長選は3月26日に告示され、いずれも無所属で新人の林正之(はやし・まさゆき)氏(60)、現職の本川祐治郎(ほんがわ・ゆうじろう)氏(49)、新人の沢田勇(さわだ・いさむ)氏(75)が立候補しました。投開票は4月2日です。
今回の争点は、この4年間の本川市政への評価、まちづくり政策等が考えられます。特に本川氏は在職期間中に差別発言や職員に辞任を迫ったことに対して抗議を受けていた経緯があり、市民がどのように判断するか注目が集まりそうです。
また、新人の林氏は自民党から推薦を行けていますが、一方で現職の本川氏も自民党の一部の議員から応援を受けており、保守分裂となっている点からも注目されています。
林氏は本川氏の市政に対し、昨年8月に「混乱した市政では都市間競争に取り残される」と懸念を示していました。今回の出馬の際は自らの県職員としての経験を活かした行政改革を実現した上で「県や国と話し合って氷見市を変える」と抱負を述べました。具体的な政策としては、災害に強いまちづくり、雇用創出、第2子からの保育料無料化、公共施設跡地の再活用などを挙げています。
林氏は京都大学出身。県土木部長や建設技術センター副理事長を歴任しました、現在は氷見未来まちづくり研究会副会長を務めています。
1期目に氷見駅周辺整備を中心とした政策に力を注いできた本川氏。「市民の希望をマーケティングして作るのが市の仕事」という認識に立つことができた、と自らの市政を評価しました。2期目への挑戦を表明した際には、公共施設等による跡地の福祉・健康政策への利用、地産地消による食の循環、市民と行政が日本一近い自治体づくりの3点を地方創生の戦略と述べていました。また出馬の際は今選挙を「市民本位とは何か」を問うものとし、学校給食無料化、空き家対策、商店街活性化などを公約として掲げました。
本川氏は早稲田大学出身。衆院議員秘書や企業・行政コンサルタント会社社長を務め、現在は全国青年市長会理事や経営士としても活動しています。
元市議の沢田氏は立候補を表明した際、本川市政を「停滞している」と批判。自らの政策によって停滞を払しょくしたいと決意を述べていました。公約はまちづくり政策が中心となっており、老朽化した橋の架け替え、道路網整備、JR氷見線と城端線の直通化といった交通インフラの各種課題への取り組み、さらには閉館した市民会館の2017年度中の再使用を挙げています。
沢田氏は富山大学出身。工作機械会社社員、建設会社員を経て2002年から2014年までは市議として活動しました。また、現在も宅建業を営んでいます。
前回の投票率は72.95%と高くなっている氷見市長選。今回は本川氏の失言や自民党が分裂していることなどから、注目を集めており、投票率が前回を上回るかもしれません。
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