森友学園問題で「自民党総裁選」はどうなる? 任期途中で辞任した場合は?
2018/03/22
岐阜県美濃加茂市の前市長・藤井浩人氏。若き市長としてその活躍が市民の注目を浴びていましたが、就任から1年、浄水プラント導入をめぐる受託収賄罪等に問われ、名古屋地裁では無罪判決を受けたものの、高裁で逆転有罪となり、市長職を辞職しました。
藤井氏は現在上告中です。
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平成26年6月の逮捕後、藤井氏を応援する署名は市の有権者の半数にあたる約2万件集まり、逆転有罪後も市議会からは支持を得ていた藤井氏ですが、今回任期をわずか6ヶ月残して市長職を辞任することになりました。
辞職に込められた藤井氏の思いとは? 出直し選挙の意義とは何なのか? 市民や政治に対する考え方は? 選挙ドットコムでは、市長選を控えた藤井氏にインタビューを行いました。
-選挙ドットコム編集部(以下、編集部)
藤井氏の辞職に伴う美濃加茂市長選挙は「藤井氏の出直し選挙」と言われていますが、この選挙の意義とは一体どのようなものなのでしょうか。
-藤井浩人 前美濃加茂市長(以下、藤井氏)
「出直し選挙」という言葉が先行していますが、単純に1人の人間が段階を踏んで選挙にチャレンジしているだけなんですよ。
まず1段階目が、「市長が有罪判決を受けた」という事実に即した辞職です。私がいくら「現金授受の事実はない」と訴えても、市長が司法の下で有罪判決を受けたことを重く受けとめ、任期が残っていても市のためには辞職をしなければならないと考えた結果です。
多くの方々から辞職する必要はないという声をいただきましたが、私は支持者のためだけの市長ではなく、私を支持していない人も含めて全ての市民のための市長であり、全市民の代表ですので、けじめをつけるべく辞職をしました。
そして、次の段階です。当然、美濃加茂市の次期市長選挙が行われますので、私はそれに立候補します。公民権は停止しておりませんので、市長を務めたい1人の候補者として市長選に立候補し、市民に信を問うということです。
そこで市民の皆さんからの支持を得ることができれば、これからの最高裁での裁判を戦いながらも市長職を続けていくということを認めていただいたと捉えることができると考えました。
-編集部
「出直し」は結果論であり、行うことは通常の選挙と大差ないということですね。
選挙を行うことによって選挙費用がかかってしまうと言われることもあるでしょうが、この点はいかがお考えでしょうか?
-藤井氏
民主主義の根幹に選挙があると考えます。
市長を選ぶという、美濃加茂市の将来に取って非常に重要な選挙を行うためにかかる費用は、無駄な経費だとは考えておりません。「有罪判決」を引きずりながら、市民からの信任を確認しないまま、市長を続けることのロスの方が選挙経費より大きいと考えました。この点については、当初は様々なご意見をいただきましたが、じっくりお話をして、私の思いを伝えることで徐々に理解を得ています。
とは言えコスト削減は必要だと考えております。岐阜県知事選と同日選挙にすることで通常の選挙と比べると3分の1まで抑えることができます。また、仮に、無投票になった場合は数十万円までコストを抑えることが可能です。
-編集部
有罪判決は不本意だとお考えでしょうが、そのような状況の中でも諦めずに前を向ける源泉はどこにあるのでしょうか?
-藤井氏
今回の起訴・逮捕で皆さんにご迷惑をお掛けするのは非常に辛いことです。警察の取り調べでも「早く認めて、市長を辞めれば楽になれる」など意味不明なことも言われました。しかし、私の思いは少しも揺るいでいません。将来このまち、この国をより良いものにしていきたい、という思いは変わりませんから。
-編集部
今は市長時代の活躍を見て、支持してくださる方も多いですしね。
-藤井氏
大変有り難いことです。
また、事件の経緯については、特にインターネットを通じて市民の方々に正しく理解していただけていることは、一連の中で私にとって大きな救いとなりました。
テレビや新聞で不本意に発言がカットされてしまったとしても、今はインターネットで自分自身の言葉で発信し、それを読んでいただくことができますからね。
-編集部
市長にとっては、4月からの予算を組むことも大きな仕事ですよね。
-藤井氏
はい。この時期に選挙を行うことによって、4月の予算をしっかり組めるということも想定しました。私は再選を果たしたら、一刻も早く予算を確認し、力強く政策を進めていきたいんですよ。私は美濃加茂市のために引き続き働きたいからこそ、選挙をやるんです。
-編集部
藤井氏は有罪判決後も市民や市議会からの支持を得ているのが印象的です。
これもひとえに市議・市長時代の実績がもとになるものかと思いますが、どうやって市民や市議会を巻き込んで活動されてきたのでしょうか?
-藤井氏
市民の皆さんとは、逮捕されるまで週に一度「飛び出せ市長室」という呼び名のタウンミーティングを開催して、膝を突き合わせて話し合いを続けてきました。いただいた声と実際に現場で起こっていることには相違があることも多いですから、まず自ら現場に足を運びます。そして実際に起こっていることを見て、それを持ち帰り、議論を重ね、それを現場にフィードバックし、実行していく。というのを繰り返して… こんなやり方で、3年間やってきました。
市議会との関係については、私が市議会議員を務めていた経験が役立っているのかなと思います。市議会議員の時から、当然ながら年上の議員さんばかりで、常に周りの方に「教えていただく」機会ばかりでした。市長になっても人と人との対話は変わりません。今でも色々と勉強をさせていただいています。
私は間違いなく、一般の首長を担われる人に比べ、知識や現場経験が足りません。しかしその分、市民と同じ目線で、市が抱える問題や課題を捉えることができる機会があるのかもしれません。だとしたら、その若いことをプラスに考え行動力をフルに発揮し、現場の声を繋いで、市政に反映させる。それが私の仕事だと思っていますし、その点を議会や市民の方々から評価いただいているのではないかと思います。
次ページ:藤井氏の「政治家」「市民」に対する思いとは? >>
-編集部
藤井氏の言葉からは、政治家という生き方に対する強い思いを感じます。
最初に政治家になろうとしたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
-藤井氏
学生時代にバックパッカーをしたことがきっかけです。そこでアジアの若者や子どもたちと話したり、生活を見て、環境はどうあれ、1人1人の国民・市民が熱意や思いを持って物事に取り組み、自分の人生に繋げていくことがいかに大事かを感じました。
その方向を指し示していくことができるのが政治家だと思ったんです。議員・市長になってからも、タウンミーティング等を通じて、私は市民の方々に「どのような美濃加茂にしていきたいのか」と、投げかけ、自分ごととして美濃加茂市の将来を考えてもらえるよう努力しています。
-編集部
そのモチベーションを維持するためには、どのようなことをされているのですか?
-藤井氏
自分自身の原点を忘れないことと、周囲の政治家の影響が大きいですね。
実は市議会議員になってすぐ、政治家をやめようかと思ったこともあったんです。大きな理想を持って政治の世界に入ったんですが、現実とのギャップに落胆してしまったこともあったんですよ。
市のためにはこれがベストだと思っても、現状の制度や常識が実現への高いハードルとなっていることや、これは身近な方ではありませんが、市のためというよりは自分の選挙のために活動しているように見える政治家が大勢いるということを知り、「自分は政治家として何ができるだろうか」と悩みました。
でも、様々な会合や勉強会に参加する中で、本気で地域や日本を変えようとしている政治家がいることを知ったんです。今は彼らと競い合い高め合うことで、私は美濃加茂をよりよいまちにしたいという思いで頭がいっぱいです。
-編集部
また市長になることができたら、どんなことをしたいですか?
-藤井氏
将来への方向を示しながら、引き続き小さなことをコツコツ積み重ねることを大切にしていきます。タウンミーティングなど市民の皆さんとの対話の中で、やりきれていない美濃加茂の課題を日々発見しています。それと同時に、一緒に課題を解決していこうと立ち上がってくださっている方が、とても大勢います。
信託を再び得ることができたら、そんな皆さんと共に、将来に向けての課題を一つ、また一つと解決していきたいですね。
政治家は何をしても批判を浴びますから、自分の信条に従って美濃加茂市の将来のために何が1番良いのかを考えてこれからも行動していきます。ずっと先、何十年も経った時に、あの選択で良かったと評価してもらえることを期待します。
まずは、再選を果たすことができたら、市民の皆さんにご迷惑をお掛けしている分の恩返し、藤井を選んで良かったと言ってもらえるように全力で市長職を全うする。それに尽きますね。
-編集部
貴重なお話ありがとうございました。
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