任期満了に伴い、大阪府阪南市長選挙は10月23日告示、10月30日投票と決まりました。現時点で元寝屋川市議で無所属の吉羽美華氏(36)、現職の無所属・福山敏博氏(66)、おおさか維新の会の水野けんじ氏(62)が立候補を表明しています。
今回の最大の争点である「総合こども館(仮称)」計画は、推進派の福山氏と反対派の水野氏、さらに反対派で元寝屋川市議の吉羽氏の票を決定づけるものと考えられます。
3期目を目指す福山敏博氏は阪南市出身。中央大学商学部卒業後、阪南市職員34年、同市議8年間という、地元での豊富な実績や知名度を活かした選挙戦を展開するでしょう。
さらに福山氏が掲げているのが「総合こども館(仮称)」計画の実現です。これは、同市黒田にある旧ヤマダ電機阪南店の跡地や鉄骨2階建ての空き店舗を買い取り、耐震化工事を実施したのち統合した市立全幼稚園・保育所を開園するという計画です。現在では2018年に開園、0〜5歳児550人前後の入園が見込まれます。
市はこども館を作ることにより、将来起こると予想される南海トラフ地震での津波対策やコスト削減も同時に実現できると考えています。市内に浸水想定区域にある施設もあるため、避難場所の確保は急務。現存する7施設を建て替えると約20億円のコストがかかるが、こども館に集約することで約6億5600万円に費用を抑える事が可能だ、と市は見込んでいます。
昨年12月に計画を公表し、今年3月の議会で空き店舗の購入費などを含めた補正予算案が可決されました。ところが、市の計画進行があまりにも性急であることに保護者から反発が起こっています。さらに「子供に目が行き届かないのではないか」「周りに自然がなく道路には危険が多いのでは」などと不安の声が上がり、全面的な理解を得るのは難しい状況です。

(水野謙二氏より)
一方、阪南市社会福祉協議会長の水野謙二氏は総合こども館計画には反対の立場を取っています。こども館の幼稚園や保育所に通うとなれば、通園に最大3キロメートルの移動が必要となり、送迎に対する不安の声が大きいこと、また今年5月には約1万2700人分の住民投票を求める署名が提出されたことから、「市民が参画できる形で考え直すべきだ」としています。
水野氏は1982年に阪南町役場(当時)に入職、市保健福祉部長や市民部長などを歴任しました。2012年に退職したのちは市社会福祉協議会に入り、現在は会長職を務めています。

(吉羽美華氏HPより)
また、元寝屋川市議の吉羽美華氏も立候補を表明しています。総合こども館計画の中止を公約に掲げ、また福山氏・水野氏が阪南市役所OBであることについて「市長の職が市職員の再雇用先となる事は、市民にとって不幸だ」と述べています。
吉羽氏は2007年・2011年に寝屋川市議に当選しましたが、2012年の衆議院議員大阪府第1区、2013年の参議院議員に大阪府選挙区から立候補したもののいずれも落選しています。かつての選挙戦は民主党や新党大地からの立候補でしたが、今回は無所属で立候補する意向を示しています。
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