民進党代表選挙 3候補は民主党政権の原点に戻り、沖縄の声を聞くべきだ

2016/09/12

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コラム

猪野 亨

民進党の代表選挙が行われています。下馬評では、既に国会議員の過半数を蓮舫氏が獲得したとかしないとかという状況です。
3人が立候補しています。
蓮舫氏以外には前原誠司氏、玉木雄一郎氏です。

これまで私は、民進党が次期衆議院選挙に向けて、野党との選挙協力に対してどのような態度をとるのか、とりわけ共産党との対応をどのようにするのかに注目してきました。
野党間の票が割れ、自民党を利することは絶対にあってはならない、これが野党支持層の共通の願いだからです。
民進党の代表選挙 野党共闘に求められているもの 1議席でも野党の共倒れをなくして欲しいということ

3候補の沖縄に対する見解が報じられました。
民進代表選 3候補 辺野古移設で意見に違い」(NHK2016年9月11日)

蓮舫代表代行 「結論は基本軸として守るべきだ。どんなにアメリカと話をしても、選択肢はやはり限られてくる。ただ、今の政権の、沖縄に寄り添っていないやり方はあまりにもひどく、この手段においては考えるべきだ」

前原元外務大臣 「進め方に極めて違和感がある。沖縄の理解なくして日米安保は成り立たないという丁寧さが必要だ。日米安保が必要なら、辺野古以外で本当に日米で合意できる場所がないのかどうかを静かに議論すべきだ」

玉木国会対策副委員長 「鳩山政権でいろいろあり、結局、日米合意という形で現在の辺野古移設を決めたが、その後、さまざまな民意が沖縄で示されている。民進党になったので、沖縄政策については、アメリカ側としっかり対話すべきだ」

この沖縄の普天間問題を複雑にしたのは鳩山民主党政権だという批判があります。鳩山氏を「ルーピー」だとか揶揄する右翼勢力があります。
少なくとも県外という意向を示した鳩山由紀夫元総理こそ、歴代の政権の中で一番、沖縄県民と向き合おうと努力した政権でした。
ところが、この鳩山氏の発言に対して、米国が激怒しただけでなく、構造改革路線を推進しない鳩山政権にしびれを切らした財界によって、鳩山政権は倒されました。それ以降、民進党は、党内の小沢勢力を切る形で、構造改革路線の大転換しました。
民主党野田首相の民主党の破壊 鳩山元首相を切った民主党の末路

今になって、民進党3候補ともにTPPに反対していますが、恐らく次期米国大統領は、ヒラリー氏もトランプ氏もTPPに反対を表明していることから「安心」してTPP反対を主張しているものと思われます。従って、これ自体、路線転換というほどのものではありません。
しかし、沖縄政策については、NHK報道では、3者に大きな違いがあるように報じていますが、日米軍事同盟の枠組みの範囲という意味では共通しています。
非常に残念です。
安倍政権のやり方に対する批判が述べられたことは、「まだまし」とも言えますが、それはあまりにも安倍政権のやり方がひどすぎるということでもあります。
聞きようによっては、3候補の主張は、どうやって沖縄県民を懐柔しようかとしか聞こえません。

 

沖縄を力で制圧しようとしている安倍自民党政権 この是非が問われている


前回の衆議院選挙では、民進党は沖縄の4選挙区では候補を立てませんでした。私は、これ自体は良識がまだ残っていたと思っています。民進党はどちらかといえば、野党の統一候補よりも自民党の方が沖縄政策で近いわけですから、敢えて候補を立てるということになれば民進党が足を引っ張る形で沖縄衆議院選挙区では自民党候補が当選していたかもしれないからです。

次期衆議院選挙においても、少なくとも民進党は候補を立てるべきではありません。これまで4野党の間で選挙協力を行ってきたのであり、それが今さら「分裂」を民進党が行うというのでは、道理がありません。

少なくとも今回の代表選挙に出た3候補が沖縄に対する安倍政権のやり方がひどいという点で共通認識があるのであれば沖縄衆議院選挙区に候補を立てるのは言語道断です。

民進党は、対米関係における安保政策については大きな弱点を持っています。米国が設定した枠組みの逸脱が全くできないということでは、自民党と同じであり、民主党政権に期待した国民からそっぽを向かれるのが当然です。

鳩山政権が米国のみならず中国にも基軸を置く外交を展開したとき、マスコミから決まり文句のような「政権担当能力が問われるのでは」と質問がありました。
鳩山氏は、対米重視だけが政権担当能力ではないと一蹴していましたが、これこそがもっとも大事なことでした。
どちらの国とも平等な外交関係を築こうとしたのですが、この当たり前のことが日米支配層によって鳩山氏は、政権から引きずり下ろされたのです。
安倍政権に批判的な野党支持層の中にも鳩山政権を無能呼ばわりする人たちが少なくないのが極めて残念です。
日米支配層の意向を受けたマスコミのキャンペーンによって鳩山政権は倒されたわけですが、民主党(当時)支持層の中にもそれに踊らされていた現実こそ、「世論」の危うさを示しています。

外務省、防衛省のワナ 鳩山由紀夫民主党内閣が倒閣されるまで 「ルーピー鳩山」に乗せられ誘導される世論

何故、民主党鳩山政権が倒されたのか、今一度、私たちはその歴史的意義を振り返り、その視点から民進党の代表選挙を見つめ直すべきです。

 

※本記事は「弁護士 猪野 亨のブログ」の9月12日の記事の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。

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猪野 亨

1968年生まれ/1992年北海道大学法学部卒業/1998年弁護士登録/2000年いの法律事務所開設 司法改革から政治経済、世界情勢にいたるまで幅広く意見を発信している。 法科大学院の廃止、弁護士人口激増の阻止、裁判員制度の廃止へ向け精力的に活動中。

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