小池新党ができれば、漁夫の利で自民・公明が得。野党は崩壊の危機?

2016/08/26

TOPページピックアップ記事

コラム

選挙ドットコム編集部

8月10日、小池都知事周辺から新党設立が示唆されるとの報道がありました。この報道を受けて、すぐに与野党から反応が見られました。自民党は二階俊博幹事長が、都知事選で悪化した小池氏との関係修復を探ろうとしていると伝えられています。もし新党設立となれば、都知事選で自民党推薦候補が負けたように、10月に予定されている衆議院議員の補欠選挙でも、自民党公認候補が負ける可能性も出てくるからです。一方で、民進党からは新党が出来れば「野党共闘の意味がなくなる」との声が出ています。どうして、小池新党が野党共闘に影響を与えるのでしょうか。新党について小池氏はまだ発言していませんが、今回はこの点について考えてみましょう。

 

 

自民党・公明党 VS 野党4党の構図は、野党が勝っていた

野党共闘の目的について簡単に振り返ります。2014年の衆院選での圧勝を背景に、自民党・公明党は安保法案を成立させることに成功。これに危機感を覚えたのが野党共闘を構成する4党でした。4党は、選挙に強い自民党・公明党に対抗するために選挙協力をしましたが、これが野党共闘です。
ここで重要なのは、衆議院の小選挙区制と参議院の1人区の存在です。1人区とは、その選挙区から当選する人数が1名だけの選挙区。そのため、複数の候補者が立候補すると、共倒れとなってしまう可能性が高く、野党共闘によって1人に候補を絞ることで、自民党と公明党に対抗しやすくなります。

衆議院では475議席中295議席が小選挙区、参議院では改選議席121議席中32議席が1人区です。いずれも、選挙全体の勝敗を占う重要な議席です。かつてはここで野党票が分散しており、このことが自民党・公明党の勝利につながっていると指摘されました。

実際に参議院山梨選挙区を見てみましょう。2013年の選挙では自民党が2位の民主党・社民党推薦候補の倍近くの票を獲得して圧勝しました。しかし、もしこの時、民主党・みんなの党・共産党・社民党が候補者を統一して擁立し、その候補がこれらの党の候補者が獲得した票だけ獲得していれば、自民党候補を破って当選していたことになります。

そして、2016年の選挙では野党共闘が実現した結果、かつて分散していた野党票が野党共闘候補に結集することとなり、自民党候補を破って当選することに成功しています。2013年、2016年ともに自民党・公明党が圧勝したことを考えれば、野党共闘は一定の成果を収めたと言うべきでしょう。

 

 

もし小池新党が出来れば・・・漁夫の利を得る自民・公明

では、もし小池新党が新しく作られ、国政選挙で候補者を擁立するようになればどうなるでしょうか?

現時点では、「おおさか維新の会」や愛知県の地域政党「減税日本」の議員らが小池氏の都知事就任に好意的な評価をしています。仮に、小池新党が実現すれば、国政選挙で一緒にまとまって戦う用意があることが一部で報道されています。その場合は、今ある「民進・共産・社民・生活」による野党共闘とは別の野党共闘が成立することになります。

おおさか維新の会や小池新党の共闘が実現すればどうなるでしょうか?その場合、反自民の票の受け皿として一定の人気を集めることになります。かつてのみんなの党を思い出せば解りやすいと思います。「自民党は嫌だけど、野党共闘も信用できない」といった票を集める可能性があるのです。

ここで、2013年参議院選挙山梨選挙区を戻ります。2013年の時は、民主党・社民党の候補と、みんなの党の候補・共産党の候補が反自民党・公明党の票を取り合う形となりました。仮に小池新党などの共闘が成立すれば、「自民・公明」VS「民進・共産・社民・生活」VS「小池新党・おおさか維新・減税日本」といった、三つ巴の戦いになる可能性があります。その結果、漁夫の利を得るわけではありませんが。自公政権がその人気を失墜させない限り、再び自民党・公明党に議席を奪わることになります。

 

 

そして野党共闘の危機へ

もし、以上のような経過をたどることとなれば、野党共闘をしても選挙で勝てないこととなり、野党共闘の意味がなくなります。とりわけ、民進党内では野党共闘で協力する共産党への反発から、野党共闘そのものに反発する声が党内保守派から根強くあります。小池新党による共闘が成立すれば、こうした反発が一層噴出するでしょう。その時に野党共闘の枠組みそのものが崩壊する可能性があるわけです。そうなれば、国政におけるリベラル勢力は一層弱体化することになります。
以上見たように、小池新党はこれだけのインパクトを持つ可能性があるのです。まずは、10月の衆議院東京10区補欠選挙で小池氏が独自候補を擁立し、自民党公認候補と争うことになるかが問題になります。もし、争うことになり小池氏の独自候補が当選することがあれば、新党結成へと突き進むことになるでしょう。

この記事をシェアする

選挙ドットコム編集部

2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

選挙ドットコムの最新記事をお届けします

関連記事

中央市長選挙は新人2名の一騎打ち!3月27日投票 山梨県

2022/03/26

戸田市長選挙は現職と新人の一騎打ち!3月20日投票 埼玉県

2022/03/19

秋元司衆院議員を東京地検が収賄の疑いで逮捕へ| 秋元司(あきもと つかさ)氏の経歴・政治理念は?

2019/12/25

モバイルバージョンを終了