イギリスのEU離脱。その影響について様々な推測がされる中、ネットを中心にまことしやかにささやかれているのが、来年度の就職活動への影響です。
「リーマンショック級の影響」「就職氷河期の到来」など、インターンの選考も始まり、ただでさえ不安な18年度就活生の心をかき回す言葉が飛び交っています。
今回はイギリスのEU離脱が日本経済に与える影響を改めて解説し、就職活動にどのような影響があるのかを探って行きたいと思います。
懸念されている事態を、大きく2つのポイントにまとめて解説します。
これまで、イギリスに拠点を構える金融機関や企業はイギリスの認可を受け、EU諸国に店舗を出すことができました。これは単一の免許でEU域内での営業を可能にする、通称「EUパスポート」と呼ぶ仕組みがあったからです。
しかし、イギリスがEUを離脱すれば、イギリスの認可は効力を失う恐れがあります。域内の関税障壁から逃れ自由な取引を行うために在英日系企業(約1,000社)や金融機関はイギリスから本拠地を移転する決断に迫られています。
イギリスのEU離脱、それに伴うスコットランド独立問題の再燃、他EU加盟国の独立運動の恐れなど、EUが抱える課題が連鎖的に顕在化し、世界的な株安、ユーロ・ポンド安を引き起こしています。
不確実性を嫌う市場は、安全資産とみなされている円に流れ、円高を引き起こしています。これは日本企業の輸出に大きな影響を与え、GDPを0.1〜0.8%押し下げるとも言われています(みずほ総合研究所調査より)。
また、離脱交渉は最低でも2年の期間かかるため、ヨーロッパ市場の安定は当分の間戻らないことも予想されています。
日本経済への影響を考慮し、影響が大きいと考えられる業界をピックアップしました。
①金融業界
日本の金融機関の多くもロンドンに拠点を置いており、言うまでもなく影響を受けます。損保ジャパン日本興亜や東京海上ホールディングス、三井住友銀行などはいずれも本社移転を検討する旨のコメントをしています。
②製造業
トヨタ、日産などの自動車メーカーをはじめイギリスに製造拠点を置く日系メーカーも多く存在し、自由貿易協定がなくなった場合イギリス製造拠点からの輸出に関税がかかってしまうリスクにさらされる懸念から、ヨーロッパを中心とする海外戦略の見直しが求められています。
③その他海外輸出が多い業界全般
イギリスEU離脱によって引き起こされた市場の不確実性から、株価は低迷、ポンド・ユーロ安により、円高は今後も続くと考えられています。そのため、海外輸出が多い業界は相当な影響を受けます。業界としては、製造業はもちろん、卸売業、運輸業、小売業などが今後さらに大きな影響を受けると推測されています。
イギリスのEU離脱が日本経済にも大きな影響を与えるのは確実です。しかし、それが直接的に企業の採用活動にどの程度影響を与えるかは、憶測の域をでません。ですが、経済の大きな流れをつかんでいることは社会人になるにあたって必須のスキルになります。
この記事が、就活生の皆さんがそれぞれの業界がどのような状況に置かれているかを十分に把握した上で採用試験に望むきっかけになれば幸いです。
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