「政党」と「会派」ってどう違う?参院選後に気になるポイント解説
2019/08/01
6月7日に行われた民主党カリフォルニア州の予備選挙の結果、クリントン氏が13ポイント差をつけて勝利しました。クリントン氏は勝利宣言を行い、女性初となる大統領候補となることをアピールしました。最後までクリントン氏と争う姿勢を示していたサンダース氏も、撤退は表明しなかったものの、共和党大統領候補トランプ氏打倒に協力することを約束しました。
これまでもクリントン氏の予備選の勝利は確実視されていましたが、勝利宣言はカリフォルニア州予備選までされませんでした。今回は、民主党予備選がここまでもたついた背景を解説したいと思います。
4月のニューヨーク州予備選でクリントン氏がサンダース氏に圧勝した結果、サンダース氏は残り全ての選挙で75%得票しなければ大統領候補にはなれない状態に追い込まれていました。実際、その後からサンダース氏に撤退圧力がかかり始めました。特に、共和党では早くからトランプ氏の勝利が確実視されたため、11月に行われる本選挙の準備を見越して、早めに民主党予備選の勝敗を決したいという考えがクリントン陣営にはありました。
しかし、その後もサンダース氏は選挙戦を続けました。なぜでしょうか?
サンダース氏がこれまで「革命」を訴えて選挙戦を戦ってきたのは周知のとおりです。彼は富裕層への大幅な増税など格差是正を主張しました。また、民主党主流派であるクリントン氏を大企業寄りの政治として批判し、主に格差に苦しむ白人・男性・若者の層から当初の予想をはるかに超える支持を得てきました。
そんなサンダース氏が大企業よりの政治の象徴として批判したものの一つが、民主党大統領選予備選の選挙制度です。
第一に、選挙で投票できる条件の厳しさを問題にしました。アメリカで投票をするには期日までに有権者登録という手続きを行わなければなりませんが、多くの人がこの手続きをしていません。サンダース氏は4月に「もし投票率が上がり、低所得層、労働者、若者が政治プロセスに参加するようになれば、もし仮に投票率75%が実現できたならば、この国は大きく変わるだろう。」と述べています。
第二に、予備選の勝敗を決する特別代議員制度です。民主党予備選では、夏の民主党全国党大会で4000人超いる一般代議員と700人超いる特別代議員による投票によって民主党公認候補が正式に決まります。一般代議員は全国で現在行われている投票の結果によって配分されます。しかし、連邦議員など政治エリートから構成される特別代議員は全国の投票結果と関係なく投票先を選べます。この特別代議員のほとんどは予備選の当初からクリントン氏を支持してきました。それによってクリントン氏は当初から民主党公認候補として有力視されました。そこにサンダース氏は反発したわけです。
このようにサンダース氏は既存の政治や政治制度への「革命」を主張してきました。そして、それは当初の予想をはるかに超えて支持されました。公認候補になる道が閉ざされましたが、その根強い支持を背景に、クリントン氏の政策をよりリベラルなものにするように求めたり、選挙制度をより世論を反映したものにするように求めたりしているわけです。
このようなサンダース氏の攻勢は確実にクリントン氏の選挙戦略に影響を与えました。クリントン氏はかつて民主党にいながら自由貿易の拡大を訴えるなど、一般的なリベラルとは一線を画す立場にありました。しかし、自身も成立にかかわったTPPに昨年反対を表明しました。他にも、かつては社会保障費の削減を訴えていましたが、今回の選挙戦の中で「私は社会保障費を削減しない」と言明しています。このように、クリントン氏はかつての主張から大きくリベラルなものに変わりました。これはサンダース氏を支持する世論の圧力の結果といってよいでしょう。
また、今後サンダース氏支持者が本選挙でクリントン氏を支持するとは限りません。今後も彼らの支持を獲得するためのキャンペーンは続くことでしょう。
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