前回は私の経験から、「立候補にあたって整理しておくべき十か条」をご紹介しました。今回は、有権者のみなさんがどのような視点・手法で候補者を比較し、選べばいいのかについて書かせていただきます。
「議会改革日本一」として話題になった千葉県流山市において、市議会議員を四期務めた松野豊さん(麗澤大学地域連携センター客員研究員)が、「地方選挙 良い候補者の見分け方 十の法則」という候補者選びの基準を挙げておられます。この十の法則に、私なりの解説を交えてご紹介させていただきます。

これは前回ご紹介した「十か条」で私が重視していた項目と重なるのですが、本来、議員に当選することは目的ではなく手段です。ホームページやチラシ、選挙公報などを読んでみて「この人がなぜ立候補しているのか」に納得できるかどうかを見極めてみてください。
「市政にいかに民意を反映させるか」が議会の存在意義であり、「有権者の声を政治に反映させる」という姿勢を持っているかは重要なポイントです。ホームページ等に問い合わせ窓口がわかりやすく設置してあるかどうか、また、先進自治体への視察など勉強熱心かどうかもチェックしてみましょう。
ホームページやブログ、SNS、会報誌、駅立ち、市政・区政報告会等で、普段から自分の活動や市政について報告しているかどうかも要チェックです。現職の場合、数年前の選挙時点から一切ホームページやSNSが更新されていない方もいらっしゃいますが、そうした政治家は要注意です。
例えば松野豊さんが市議時代は、政党に所属せず、後援会組織も支援団体・特定の地域もあえてつくらず、市民全体に向けた活動を心がけるというスタイルを貫いておられました。選挙カーを活用するかどうか、地盤となる地域や支援団体や所属政党があるかないかも、候補者のスタイルと言えます。どんなスタイルで活動しているかは、その背景に候補者の政治理念がありますので、ぜひ観察してみてください。
「政策に強いかどうか」や「人柄や人望があるか」を基準に議員を選ぶこともできます。政策に強いかどうか判断するには、現職の場合であれば議会のホームページで、一般質問の議事録を閲覧してみるのがオススメです。新人であればホームページ等で「政策」のページがどれだけ充実しているかがポイントでしょう。
「人柄や人望」というのは、候補者本人と個人的なつながりがない限り、なかなか見極めることが難しいと思います。ただ、自分が信頼している人が応援しているからというのも理由になるでしょうし、議会で議長や副議長を経験しているといった実績を評価して選ぶこともできるでしょう。
政治とは限られた予算をどの政策分野にどれだけ分配するのかを決めることなので、自分が置かれている立場(世代、性別、経歴、居住地等)に近い候補者を選ぶのもおすすめです。例えば、自分が子育て中なら子育て中の候補者。自分と地元が同じ候補者。自分が疑問や課題と感じている政策に熱心に取組んでいる候補者などです。
現職から選ぶ場合は、任期中に何をしたのかを評価しましょう。4年前と選挙公報に書かれていることがほとんど同じ、という議員もいますから、要注意です。現職に投票したい候補者がいないのであれば、新人から選ぶというのも一つの考え方です。新人は経験や実績はありませんが、市民により近い感覚を持っているケースが多いと言えます。
無所属の場合は、党派や会派の政策拘束に縛られることがなく、比較的自由に発想や発言ができます。しかし、政策実現には議会での多数派が必要のため実現性に乏しい場合もあります。政党所属の場合は、会派拘束等はあっても、組織として政策実現の方向が一致すれば、実現力が高いというメリットがあります。国政で支持している政党の推薦・公認候補を応援するというのもあるでしょう。
これは見極めるのは難しいのですが、ホームページやFacebook等で連絡先が公表されている場合は、一度候補者にコンタクトをとってみることです。例えば「なぜ立候補を決めたのですか」と問い合わせてみて、その時のレスポンスの速さで、その候補者の行動力を見極めることができます。
時間に正確というのは、約束を守るかどうかにつながる社会人として基本中の基本になります。これもなかなか見極めるのが難しいのですが、政治家が選挙時で掲げた公約を守らないで批判されるケースが多々ある中で、こうした当たり前のことができるかどうかを知るのもポイントになります。
以上です。候補者選びの基準は人によって様々で、どれが正解というものではありません。ただ、政治家の仕事は、私たちが納めた税金の使い途を決めることですから、そうした仕事を行う「私たちの代表」としてふさわしい人を選ぶよう、心がけたいものです。
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