2月の選挙総数は50件、そのうち投票率アップを示したのは以下の3件でした。
今月は、京都市長選挙も含め、以下の3本を取り上げます。
・古都、妖かしの数字マジック?京都市長選にみる、各候補の主張
・歌う神主がトップ当選!東員町議会議員選挙
・超ベテランの元町長も若さには勝てないのか・・・弥富市議会議員選挙
2月7日に投開票が行われた京都市長選挙。自民、民主、公明推薦の和服市長、門川大作氏と、共産党推薦の新人・本田久美子候補、同じく新人の元京都府議・三上隆候補の3名が熱戦を繰り広げました。
京都市長選挙は1993年以来、「非共産党vs共産党」の構図が常態化しており、京都・共産党は2013年夏の参院選で議席を獲得する等、勢いをつけていました。今回の選挙で、共産党推薦の本田候補がどこまで票を伸ばせるかが注目されましたが、結果はダブルスコアで現職の勝利となりました。
この「非共産」vs「共産」の対立構図、今後も変わらないとする見方が大きく、それが投票率低下につながるのではないかという懸念があるようです。
過去の投票率を調べてみると、
2000年度45.90%
2004年度38.58%↓
2008年度37.82%↓
2012年度36.77%↓
2016年度35.68%↓ と下落し続けています。
さらに今回、各候補が市政の現状や課題を表現した公約、政策ビラの数字をめぐり、激しい論争が巻き起こっているといいます。
まず門川候補が掲げる「2年連続で保育所待機児童ゼロ達成」。
これについて、彼は厚生労働省の調査における年度当初の4月時点を基準にしており、同時点では確かに2年連続で「ゼロ」。
一方、共産党推薦の本田候補は昨年10月時点のデータを基本にしており、「1199人が入れなかった」と主張しています。これはデータの切り取り方の問題で、どちらも嘘ではないものの、有権者としては、どう解釈していいものやら頭を悩ませたところでしょう。
同じく2月7日に行われた東員町議会議員選挙は、定数14名に対して、現職11人、元職3人、新人7名の計21名が競う戦いとなり、投票率も微増の0.03ポイントアップ。
結果は、現職4名が落選、トップ当選は30歳新人の石垣智矢氏でした。
この石垣議員、本職は東員町にある猪名部神社の神主ですが、「トゥルーパー」というユニットのメンバーとして歌手活動も行っており、地元を盛り上げるイベント等に積極的に出演しているようです。
このような地元愛を原動力に活躍する町民がトップ当選した東員町は、選挙に向けて公開討論会を開いたところ候補者14名が出席、会場には500名もの町民が集まったということからもわかるように、町民一丸となって町を良くしようというエネルギーに満ちた自治体なのでしょう。
今回、14.32ポイントという大幅な投票率アップを示した弥富市議会議員選挙。定数が18名から16名と2減となって初めての選挙で、現職13人、新人5人の計18人が立候補しました。
トップ当選を果たしたのは、いずれも新人で20代〜30代の若手。一方、次点で落選した佐藤博さんは合併前の弥富町長経験者で、知名度、実績もある超ベテラン議員でした。東員町に続き、こちらも世代交代ということなのでしょうか。地方選挙はベテランが多いというイメージも一部にはありますが、若手が出馬し、当選しているのはひとつの時代の動きなのかもしれません。
毎月の選挙まとめは、今後も翌月の上旬にお届けする予定です。
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