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「維新」が大好きな日本人のための、橋下徹氏とは無関係な「維新」団体まとめ

2015/11/18

宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

大阪ダブル選挙が始まる前から「維新の党」は、橋下徹氏を中心とした「新党合流組」と松野頼久代表の「維新の党残留組」との分裂騒動がメディアを賑わせ、ただ単に「維新」といったとき、それが指し示す集団が一つに定まらない状況が続いている。

そんな「維新」の歴史を振り返ってみると、2010年に地域政党の大阪維新の会が発足してその後大阪府議選、大阪市議選のほか近畿地方の選挙で大勝を収めて行く中で、その華々しい人気に便乗した橋下徹氏らとは無関係な「維新」が多数現れては消えていったことはあまり知られていない。

今回は「維新」と名のつく様々な政治団体に目を向けて、日本全国で独自の活動を続けている方々を紹介する。


維新政党・新風

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維新政党・新風ウェブサイトより

大阪維新の会が産声をあげる15年前から活動している維新政党・新風は1998年の参議院選以降、度々国政・地方選に候補者を擁立している。「自衛隊を正規の軍隊に」「自虐史観からの脱却を」といった政策を掲げる右派団体であるが、現在まで議席は獲得できいない。

無論、新風に関しては大阪維新の便乗ではないが、長年独自の活動を継続していることに(主張の内容はともかくとして)敬意を表して紹介した。

 二十一世紀日本維新会

2013年参議院議員選挙(大阪選挙区)結果の一部

2013年参議院議員選挙(大阪選挙区)結果の一部

2011年、堺市議選(南区選挙区)大阪府知事選では「日本維新会」所属、2012年衆院選(大阪16区)2013年参院選(大阪府選挙区)では「二十一世紀日本維新会」所属、2013年の堺市議補選では無所属候補として出馬した中村勝氏は大阪都構想に異議を唱える一方で、議員定数や議員報酬削減といったいわゆる大阪維新の「身を切る改革」には同調的な主張をしていた。

彼の素顔は藤岡利充監督の2013年のドキュメンタリー映画『立候補』でもうかがい知ることができる。その中で中村氏は政治活動を辞めた、と語られていたが、なぜか2015年の東京都港区議選に「議員報酬ゼロを実現する会」の代表として出馬し落選するも、10期勤めた現職議員や民主党公認候補らよりも上位に位置付け、供託金没収を免れている。今後の展開を注視したい。

 沖縄維新の会

2012年那覇市長選挙結果

2012年那覇市長選挙結果

関西発の「維新」便乗ブームが沖縄まで到達したのは2012年の那覇市長選であった。代表の石田辰夫氏は奄美大島出身で、1979年から大阪府立高校に教員として勤務していたので、大阪と全く縁がないわけではなさそうだ。(ただし1982年から現在まで沖縄県在住)市長選以前には2010年の西原町議選2012年の沖縄県議選(那覇市選挙区)には無所属で出馬。2013年の那覇市議選には「公務員を変える会」の代表として「公務員年収3割カット!」を掲げているあたりも大阪維新のカラーに近いと言えなくもないが全く無関係。

 吹田・維新の会

2011年吹田市議会議員選挙結果の一部

2011年吹田市議会議員選挙結果の一部

もっとも成功した「便乗維新」が大阪府の「吹田・維新の会」ではないだろうか。代表の柿花道明氏は右派市民団体の「在日特権を許さない市民の会」(いわゆる「在特会」)のメンバーとして活動歴がある。2011年の吹田市議選では2位の当選者の倍近い票を獲得してトップ当選。この選挙結果を前述の「維新政党・新風」がwebで報じており、同党との関係も指摘されている。

市議会では自由民主党と同じ会派に所属し、子宮頸がんワクチンや子育て支援の問題に取り組んだ。しかし有権者の目は甘くなく、今年実施された市議選には次世代の党の公認で出馬するも、前回選挙から10,848票減らして595票という驚異的な数字を叩き出し、最下位から2番目で落選という憂き目にあった。

 西宮維新の会

2011年兵庫県議会議員選挙(西宮選挙区)結果の一部

2011年兵庫県議会議員選挙(西宮選挙区)結果の一部

メディアを賑わした「号泣会見」で全国的に知られることとなった野々村竜太郎氏が初当選を果たした2011年の兵庫県議選の際に使用していた団体名が「西宮維新の会」である。騒動の後、この団体について橋下徹氏は記者会見で公式に関係を否定している。野々村氏は2008年の兵庫県太子町長選同年の西宮市長選2009年の兵庫県議補選(西宮市選挙区)2010年の西宮市長選と4つの選挙に無所属で立候補し、いずれも最下位で落選しており、やっとの思いで手に入れた議席だったことを思うと、(擁護するわけではないが)悲哀を感じざるを得ない。

 

他にもここでは取り上げきれない数多くの「便乗維新」が存在する(した)。「維新」と名乗るだけで当選できてしまう、と言わざるを得ない状況が生まれるくらい2011〜13年頃の大阪維新の会は力を持っていたことがお分かりいただけたのではないだろうか。

ブームもひと段落して、大阪都構想の是非をめぐる住民投票は否決され、国政の維新の党は分裂、そして迎えた今月の大阪ダブル選挙では府民、市民は果たしてどんな選択を下すのか。「維新」のこれまでの歴史に思いを馳せると、選挙戦も一味違った見方ができるのでは。

 

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宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

選挙ライター、キュレーター(現代美術)。 1983年東京都出身。中学生時代から衆参の選挙の度に全選挙区の当落予想を続ける。ポスターデザイン、インディーズ候補、政見放送、選挙公報、街頭演説など選挙に関わること一切が関心領域。著書に『沖縄〈泡沫候補〉バトルロイヤル』(ボーダーインク)がある。

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