任期満了により実施される大阪市長選挙は本日8日告示され、5日告示された大阪府知事選と並び、大阪ダブル選挙は22日に投開票を迎えます。市長選では、橋下徹市長(大阪維新の会代表)の後継候補で大阪維新の会公認の吉村洋文前衆院議員と、自民党推薦で無所属で立候補する元市議の柳本顕氏が注目されており、民主、共産は実質的に柳本氏を支援、公明は自主投票としています。
市長選、府知事選をめぐる大阪維新と非維新勢力の対立は、5月に行われた大阪都構想の是非をめぐる住民投票と同様の構図になると見られ、激しい選挙戦が転回されるとみられ、今後の情勢から目が離せません。その他、市長選には無所属で元北区長の中川暢三氏、無所属でテーマパークアルバイトの高尾英尚氏が出馬を表明しています。
それでは注目選挙の前に、改めて大阪市長選挙のこれまでの流れをおさらいをしてみましょう。
2003年に自民、民主、公明から推薦を受け当選した関淳一氏は、自らの市政改革の信を問うため任期途中で辞職し、2005年11月に出直し選挙となりました。その結果、自民、公明の推薦を受けた関氏は278,914票を獲得し、民主党前衆院議員の辻恵氏、共産推薦の姫野浄氏らを破りました。
この年の市長選では、自民と公明は現職で3選を目指す関淳一氏を推薦し、民主は新人で元アナウンサーの平松邦夫氏を推薦しました。与野党対決としても注目されましたが、平松氏が367,058票を獲得し当選しました。7月の参院選で民主党が圧勝した直後での選挙でした。
現職で2期目を目指す平松氏と、当時大阪府知事であった橋下徹氏の一騎打ちとなったこの選挙では、橋下氏の掲げる「大阪都構想」などが大きな争点となりました。平松氏は前回に引き続き民主から推薦を受け、さらに自民や共産からも支持や支援を受けての闘いとなりましたが、結果は橋下氏が750,813票を獲得し当選。実質的に橋下維新対反維新勢力の構図が展開された選挙となりました。
またW選挙となった大阪府知事選挙では、大阪維新の会の松井一郎氏が当選。同日選挙と維新効果により投票率が上昇し、市長選では40年ぶりに60%を超えるなど、2選挙とも大きな注目を浴びました。
府知事から市長へ鞍替えした橋下氏は、「大阪都構想の是非」を市民に問うとして任期中に辞職し、出直し選挙に出ました。これに対し自民、民主、公明、共産とも「大義がない」として独自候補を擁立せず、橋下氏が377,472票を獲得して圧勝。しかし、投票率は前回から37.33ポイントも下がり、過去最低の23.59%となりました。
「大阪都構想の是非」については、今年5月17日に住民投票が実施され、反対70万5585票、賛成69万4844票という僅差で否決され、橋下氏は市長任期を全うして政界引退すると表明していました。その後、橋下氏は後継候補として吉村氏を擁立し、大阪都構想の再挑戦を掲げ自民推薦の柳本氏と鋭く対立。前回選挙で急下降した投票率が、ダブル選挙の効果によってどこまでV字回復するのかにも注目が集まっています。
府知事選でも大阪維新の会幹事長で現職の松井一郎氏と、自民推薦で元府議の栗原貴子氏が事実上の一騎打ちとなっています。果たして大阪市長選・府知事選の行方を大阪市民・府民はどのように判断するのでしょうか?
いよいよ始まった大阪ダブル選挙。選挙ドットコムでは選挙期間中に様々な関連特集記事をお届けしていく予定です。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします
My選挙
あなたの選挙区はどこですか? 会員登録をしてもっと楽しく、便利に。
話題のキーワード