カネもなければスタッフもなし 高橋尚吾候補の孤独な戦いに迫る
2016/07/21
2012/01/10
晴れ間の広がった関東地方では9日、多くの自治体で成人式が行われた。参加対象はもちろん20歳を迎えて「大人」となった新成人だが、同日、25歳が主役の成人式も行われた。
「第二成人式」と称したこの祝典は全国6カ所で行われ、そのうちの1つ、東京・中野の会場には定員を大幅に上回る約130人が詰めかけた。
なぜ25歳を祝うのか。成人になったことが選挙権を得られる節目だとすると、第二成人は被選挙権を得られる節目であることを祝うのだという。主催者の「志援隊」代表、大島哲也さんは「第二成人式」を「誰もが政治家になれるということを再認識していただくための式典です。誰もが政治の場にチャレンジできるということを再認識していただき、健全な競争によって政治を良くしていく試み」であると説明した。
3回目の開催となる今年は、基調講演として衆議院議員の横粂勝仁氏が、政治家とは何か、若い世代にもっと政治に関心を持ってもらうためにはどうすればいいかなどについて論を展開した。横粂氏と言えばスピーチ下手で有名だが、この基調講演は聴衆の多くが年下のためか比較的リラックスしており、わかりやすい言葉を選んで話すフランクな姿勢に会場は概ね好意的だった。
続くパネルディスカッションでは、中野区議会議員の奥田けんじ氏の司会のもと、横粂氏、細川正博議員(豊島区)、桑原はるか議員(津南町)、井上温子議員(板橋区)の4名が、これから政治家を目指そうとする後輩たちに向け、いくつかの設問に本音で答えた。(発言内容は主旨)
横粂:自分では500万円くらい。主に弁護士活動で貯めたお金。でもそれだけでは足りず、民主党から1000万円支援してもらった。
細川:用意していた200万円と生活費のつもりだった200万円。立候補する前にローンは組まないほうが良い。
桑原:田舎で結婚式をあげようと思って貯めていたお金と、学費のつもりで用意していた70万円が自己資金。実際に使ったのは38万円。そのほとんどが食費。
井上:自己資金50万円。親から100万円借金した。
井上:選挙区の板橋区には学生として2年間、社会人として3年間しか住んでいないけれど、大丈夫。
桑原:3バンのうち、どれも持っていない。それが武器として出た。おそらく親戚は多い方。人口11000人くらいの町で、できるだけ人に会おうと思って選挙をやった。
細川:世の中に選挙マニュアルと言われる本はたくさんある。それをきちんとやれば、結構大丈夫なのでは。
横粂:3バンはもちろんあったほうが有利。でも1回やって勝てなければ10回やる。10回やってダメなら30回やる。そうしていけば勝てると思う。
細川:公認は、私のことを知らなくても自民党のことを応援してくれる人からの支援を受けられる。メリットかデメリットかはわからないが「風」に流されやすくなる。公認料は30万円もらえるが、供託金も30万円なので、金銭的にはその分を負担してくれるという程度のメリット。
横粂:公認は選挙に有利な2つをくれる。お金と組織。デメリットは、他の党員の行動によって自分の選挙が左右されること。「私のあずかり知らぬところで……」と言っても通用しない。
桑原:町議選なのであまり政党は関係ない。むしろまっさらを求められていると感じた。無所属は有利に働いた。
井上:デメリットは、教えてくださる方がいないこと。選管に毎日電話を掛けて質問することから始まった。逆に枠にはめられない工夫ができた。
井上:毎月の議員報酬は60万円、政務調査費は18万円。議員報酬からすべてを払っているので一概には言えないが、議員報酬を下げるべき。
桑原:議員報酬は19万2000円。政務調査費は5000円。これは(任期中の)4年間変わらないので、民間に勤めていたら給料アップはあったかなあ、などと考える。実家なので暮らせている。
細川:議員報酬は約60万で、政務調査費は少し会派に納める。楽な報酬ではない。動けば動くほどお金はかかる。いたずらに政治家の待遇を下げるべきではない。
横粂:議員報酬は130万。文書通信交通滞在費は100万円。プラス、政党からのお金を入れれば年収では3000万から4000万程度。でもこれは個人の収入と考えるのではなく、中小企業の経営が3000万~4000万だと思ってほしい。身を切る思いで議員報酬削減論者になっているが、国にウン億の利益をもたらす人であれば、もっとあっても良い。
細川:職業として選ぶのはおススメしない。こんなブラック企業のようなところはなかなかない。志でやっている。
横粂:志さえあれば政治家であると思っている。現職だけにこだわる人はダメだし、政治家なんかをゴールと考えないで、それを手段として活かせる人がいい。どんな形であっても自分は家族を食わせるという覚悟を。
井上:実現したいことがあって議員になった。議員が目標になってはいけない。やりたいことのために議員になる。落ちても手段を変えて動く。それだけ。
桑原:キャリアとして「ある」と思って立候補した。落選したら、旅館の仲居さんになってもいいし、ネイリストになってもいい。落選したらそれはそれでやりたいことがあって困っちゃうな、と。
井上:やめておけばよかったと思ったことは何度かあった。疑いをかけられるから。続けているNPO活動も「票のためでしょ?」と言われたり。それがきつかった。でもそれこそ変えなきゃいけない。今は自分のやり方で表現していきたいと思いながら、楽しんでいる。
桑原:人前に出るのなんて苦手なのに、目立ちたいんだろうと言われることもある。自分の手で変えられるかもしれないということに、やりがいを感じている。
細川:区政に関わりたいと思ってきたので、充実している。悪かった点は、あえて挙げなければいけないくらい、なかった。注目されるから、家族にはちょっとかわいそうな仕事かもしれない。
横粂:現職だからこそできないこともある。学校訪問ができないとか、企業と一緒にできないとか。
各議員が赤裸々に話す内容に参加者は熱心に聞き入っており、予定時間はたちまち終了した。「この会場に来ているのは、みんな変な人(横粂議員談)」だが、変人こそが現状を大きく変えられる力を持つ。第二成人を祝った若い力に、今後を期待したい。
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