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大原 ゆうき ブログ

総務常任委員会。給与の構造改革はまさかの継続審査に

2024/2/21

今日は総務常任委員会。以下の議案を審査しています。

種類 番号 件名
専決処分報告 第1号 令和5年度芦屋市一般会計補正予算(第9号)
市長提出議案 第4号 芦屋市企業版ふるさと納税基金条例の制定について
第6号 令和5年度芦屋市一般会計補正予算(第10号)
第11号 令和5年度芦屋市打出芦屋財産区共有財産会計補正予算(第1号)
第15号 芦屋市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について
陳情 第7号 政党機関紙の庁舎内勧誘行為の実態調査を求める陳情

議案書はこちら。 第15号議案については、継続審査の動議が通ったため、継続審査になりました。 その他の議案については可決すべきものと決しています。陳情は、採択という結論になりました。

なお、所管事務調査として以下の2件の報告も受けています。 資料はこちら

  1. 長期財政収支見込について(新規)
  2. 新行財政改革について(新規)

質問したところを中心に、書いておきます。

企業版ふるさと納税について

企業とか、もはやふるさとでも何でもないがな…っていうのはありますが、 そういう制度があるので、歳入確保の機会損失するのもなっていうのがあります。

ただ、制度そのものに問題はあると思う。本来、法人市民税は法人の拠点がある自治体に対して納税されます。 それが企業版ふるさと納税を行うことで最大90%が減免となります。芦屋市は法人市民税にはほとんど頼っていませんが、 工場など、大きな拠点を有するような自治体ではかなり法人市民税に頼っています。企業版ふるさと納税は、そうした自治体に入るべきお金が 入らなくなる可能性も孕んでいます。

寄附そのものを否定するものじゃないんですが、ふるさと納税という制度は 個人の場合は自己負担2000円を超えるような返礼品があるということでお得感があります。 本来の寄附のあるべき姿である「その人を応援したい」という気持ちではなく、返礼品目当てで寄附する人もいます。 それによって、芦屋市のような都市部でかつ地場産業がないような自治体はかなりの減収額になってしまいます。

ふるさと寄附による市税の減収について(芦屋市)

ふるさと納税の制度を利用して、うまく増収に繋げている自治体もあれば 減収になっている自治体もある。本来、地方自治体がやる様々なサービスは国がやらないといけないことです。 でも、国だけでは対応できないということで、地方自治体との役割分担が進んでいます。 そして、地方だけではお金が足りないよって部分については、国が普通交付税として交付しています。 本来、こうした制度で地域別のお金の過不足を調整するべきだと思うので、 返礼品でお金を集めるという趣旨になりつつあるふるさと納税の制度は見直しが必要だと思います。

まあ集めるのは大変です

企業としては、納税しても寄附しても出ていくお金は一緒です。 法人税を最大90%控除できるとしても、10%分は余計に取られる。 例を挙げると以下のようなケースになります。

条件 出ていくお金 合計
ふるさと納税 法人税
ふるさと納税を使わない場合 1000万円 1000万円
ふるさと納税を使う場合 1000万円 100万円 1100万円

なので企業は、広告宣伝費としての取り扱いで寄附するかどうかの経営判断を下すと思います。

一方で、企業版ふるさと納税のポータルサイトを見る限り、かなり多くの自治体が手を挙げています。 そして芦屋市が掲げている教育やまちづくりというメニューは、どの自治体も目指す方向性は同じです。 地域差があるとしても、それは地域ごとにアプローチが違うだけ。

芦屋市を応援するメニューとして、特筆するべき取り組みがない以上、多くの自治体の中で埋没します。 これだけ大勢の自治体が同じようなメニューで手を揚げている状況下で芦屋市が勝ち抜いて、 多くのお金をゲットするというのはなかなか考えにくいだろうなと思います。

ただ、前述のとおり、芦屋市は法人税にほとんど頼っていません。 なので、芦屋市内にある法人が他市にふるさと納税を行って法人市民税が控除されたとしても、そこまでのインパクトはありません。 そういう意味では、ローリスクローリターンの取り組みになるかなぁと思っています。

歳入の主力として期待するというのは難しいとは思いますが、 芦屋市の事業をPRするチャンスとして頑張りたいという答弁がありました。 それは否定するものでもないので、そこは頑張ってもらいたいと思います。

給与表の改定について

芦屋市は、給与制度上の課題として、以下の課題を抱えています。

  • 若年層の給与水準が低い。
  • 勤続年数が長くなれば給与も自動的にアップする構造。

議案説明資料として、国家公務員と芦屋市の昇給カーブを図示されたものがあります。

文書名令和6年第1回議案①.pdf

1級職員が国家公務員の水準よりも低く、 かつそれぞれの級の中での天井が高くなっていることが分かります。

今回の改正で、国家公務員の給与表を準用することで芦屋市が抱えている課題を解決しようという動きになっています。 つまりは、若年層の給与水準を国家公務員に合わせる。そして、各級における天井を低くして 一定の金額を超える給与を得るためには昇進しなければならないという給与表となるということです。

また、従来の役職の間に役職が増えることになる(係長と課長の間に課長補佐、課長と部長の間に室長)ので、 昇進への壁が薄くなるということで、昇進に対するモチベーションも上がると思います。 少なくとも僕は、早く昇進して早く権限が欲しいという人だったので 改正後の給与表の方が分かりやすくてモチベーションは保てます。

改正前 改正後
1級 係員 係員
2級 上級係員 上級係員
3級 係長 主任
主任
4級 課長 係長
室長
5級 部長 課長補佐
6級 課長
7級 室長
8級 部長

これまで以上に昇進に対する意欲が高まる

今までは、辞めずに勤続年数を重ねれば、昇進しなくても上の級に肉薄する給与を得ることができました。 改正後は昇進しないと一定の金額を得ることができなくなります。だから、昇進したいと思う人も増えると思います。

まあ、人事については、同僚の人たちからすると「まあこの人は昇進するよね」っていう 人が昇進していたとは思います。僕たち議員から見てもそういう感じでしたし。 ただ、やはり、どうしても上長も人間です。部下に対しても好き嫌いはあると思います。 …好き嫌いじゃないか。「好き」と「そうでもない」という分け方でしょうね。 そして、それは部下から見たら分かります。

人事について、依怙贔屓はしてないよって言ったとしても、 部下がそうなんじゃないの?っていう疑念を持つようなことがあると それこそモチベーションが下がります。

民間企業の場合、昇進試験を設けることで対外的にも昇進の資格を明確にしているところもあります。 そういうところであれば、依怙贔屓的なものはないなと分かります。 が、芦屋市の場合はそういう制度ではないので、邪推できなくもない。

これまでは、別に昇進しなくても給与は上がっていくし、まあいいや。 っていう風に納得してもらえたかもしれませんが、改正後はそういう訳にはいかなくなる。

評価基準も可能な限り明確にしたほうが良いんじゃないか?という指摘をしました。 明確な回答はありませんでしたが、人事評価も含めて、上長によって評価が上下する ということがあっては、この新しい給与制度が死にます。上長に求められるものは 今まで以上にシビアになってくると思います。

課長級は給与上限が下がる→モチベーションに影響?

現在、若くして課長になっている人たちのモチベーションが下がるという話がありました。

僕は、え、そうなん?昇進のために頑張ろうということではないの? 若くして課長に抜擢人事されているほどの人なんだから、市としては超期待の逸材よ。 頑張れば、絶対その先はあるよ?と思います。実際、抜擢人事を受けている人たちは優秀ですから、 将来的には部長も目指せると思ってます。大体、そういう人が上がっていくもんなんだから。

昇進は目指さずに、今のポストで良いですわっていうのは、大手企業なら特にあります。 責任が伴う課長は嫌。残業手当もあるから係長でも十分給与もらえるからそれでいいっていう人。

でもそういう人が多くなってしまうと、組織風土はやはり悪くなります。 より高い権限で、より思い通りの仕事がしたい。という風に感じて仕事をしてほしいなと思います。

継続審査って何かプラスあるのかな

市としては、4月1日から適用させたいと思っていました。だからこのタイミングでの審査になっているので。 でも、政風会、共産党、しみんのみらいの賛成で継続審査となりました。(公明党は委員長なので採決に加わらず)どこまで継続するんでしょうか。 課長級に説明する時間が必要だから継続という話でしたが、それは可決した後ではダメだったんでしょうか。

だって、2年も前から組合と労使交渉を重ね、合意を得られた上での議案だったんです。 そらもちろん、組合に属していない職員もいますけど、何のための労使交渉だったんだ? と思ってしまいます。この物価高です。若年層の給与引き上げは、なるべく早くやってあげてほしい。 4月1日施行を逆算して、このタイミングでの提案だったので、そのスケジュールがずれ込んだら4月1日施行はできなくなります。 僕としては、この結果にはうーんです。

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著者

大原 ゆうき

大原 ゆうき

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