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【富山県県立高校入試】内申点制度や入試制度改革の必要性について新田知事に聞く。

2023/3/5

【富山県の県立高校入試制度の変遷】

富山県の県立高校入試制度はどのような変遷をたどり、現在の形になったのでしょうか?

県からいただいた資料によれば、昭和25年(1950)に初の県下一斉学力検査が行われたようです。

昭和38年時点では9教科を2日間にわけて実施。

現在のように5教科の学力検査となったのは昭和42年。ただし、数学・英語は試験時間50分でありますが、社会、国語、理科は試験時間40分。

現在のような、5教科の試験、試験時間が全て50分となったのは、平成13年のことでした。

現存する入学者選抜実施要領が確立されたのは、昭和46年のことです。

この時点で既に「学習の記録の評定(内申点)」と「学力検査の評点」を対比して同等に取り扱うとされています。

一方で、学力検査の点数、調査書(内申点)の点数の記載はなく、その比重などは明確ではなかったようです。

ただ、学力検査の点数が明確ではないとはどういう状態だったのかは不明です。私が受験した平成元年度時点でも、1教科30点の5教科150点満点と言われていた記憶があるので、おそらく実施要領に明記されていなかっただけなのかと思います。

そして現在のように入学者選抜実施要領に学力検査の点数が各教科40点と明確に示されたのは平成7年度からでした。

現在の形ともいえる

学力検査が各教科40点の200点満点

調査書(内申点)評定点が150点満点

調査書評定点の内訳は

2年次の各教科の評定による評定点45点満点

3年次の各教科の評定による評定点90点満点

特別活動等、学習の記録以外の記載事項を換算した評定点15点満点

と明確に実施要領で定められたのは、実に平成16年度のことでした。

そういう意味では、現在のように、内申点というものの点数が明確となり、厳格に内申点を考慮して進路指導が行われるようになったのは比較的最近のことなのかなと思います。

正直なところ、自分の中学生時代を振り返っても、内申点などを気にしていた記憶はほとんどありません(苦笑)。

【高校入試制度の質問趣旨】

人の生き方は多様となっています。多様となりすぎているといっても過言ではありません。

子どもたちは、自分がどのような人生を歩みたいのか自ら考えて自己決定する能力を身に付けていくことが求められています。

高校入試はいわば、中学校生活の出口となっており、中学校での教育や進路指導のあり方まで縛るものです。結果として、子どもの自己肯定感を小さくするケース、子どもの可能性の芽を摘んでしまっているケースもあると思います。

私は、即座に、現在の県立高校入試の何かが悪いと指摘できるような知識は持ち合わせておりません。

しかし、今、社会が大きく変わる中で、学校教育、高校教育には大きな転換が求められていることだけは明らかです。

そんな中で、県は高校再編について議論をしていくことにしています。ならば、高校再編と一緒に、高校入試についても、しっかりと議論をすべきではないかと思うのです。これまで入試制度についてオープンな場で議論されたことはないと思いますから。

子どもたちが高校で何を学ぶのか?何のために高校にいくのか?という問いと高校入試制度は実は密接にからみあっています。

単純に偏差値で高校を選ぶという価値観を変えるためにも、大いに議論して欲しいと考えており、その覚悟を新田知事に聞きたいと思います。

【知事・教育長との論戦】

質問1 富山県の県立高校入試制度の課題についてどのような議論がされているのか?

(答え)調査書・内申点の利用方法について、国は、受検時の学力が十分な評価がされない場合があることを指摘しており必要に応じて見直しするように求めている。富山県においても、入学者選抜の制度上の課題については、中学校や高校から広く意見聴取して、必要に応じて丁寧に議論していきたい。

質問2 学力調査と調査書(内申点)のバランス、学年間の比重、不登校の子どもの取り扱いなどについて議論が必要ではないか?

(答え)県教育委員会では入試制度のあり方について、高校と中学校の関係者でつくる連絡協議会を毎年開き協議してきている。今後も、不登校経験者を含めたすべての生徒が安心して進路を選択できるように丁寧に議論を進めたい。

質問3 調査書(内申書)に学校外の活動(クラブチームなど)が評価されない例があるが現状はどうか?

(答え)高校と中学校の関係者でつくる連絡協議会で調査書の記載事項を確認して実施要領で記入内容の例を示した上で、中学校に対する説明会で取り扱いを周知している。部活動以外の各種コンクール、校外活動やボランティア活動など顕著なものを記入すると明記している。部活動の地域移行が進むことを踏まえ、「部活動等」としている。

再質問 教育長は、富山県の入学者選抜制度に課題はないと考えているのか?

(答え)不断に見直すべきものであると考えており、ご指摘も踏まえて、しっかりと検討していきたい。

質問4 高校の特色化と入学者選抜は密接に関係している。高校再編の議論の中で、入試制度改革についても検討するべきである。

(答え)指摘のとおり、高校の特色化と入学者選抜制度は密接に関連している。今後も高校教育改革に合わせて、入学者選抜のあり方について検討が必要であると考える。今後も国の動向や社会情勢を踏まえながら、より良い制度の検討を続けてもらいたい。

⇒本日の朝刊でも大きく記事にしてもらいました↓。

 北日本新聞では「知事トーンダウン」。富山新聞では「制度の検討が必要」。と地元紙2紙で知事の発言の捉え方が異なりました。

 確かに、ややわかりにくい発言ではありましたが、知事は「高校教育改革に合わせ、入学者選抜制度のあり方について検討が必要」と発言した意味は重いと思います。

 教育委員会においては、知事の発言を受け止めて、新年度立ち上がる、高校再編の検討会議の場において、一つのテーマにしてもらいたいと思います。

 

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著者

永森 直人

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肩書 富山県議会議員(3期)、自由民主党富山県連組織委員長、射水市消防団南部方面団長、小杉まちづくり協議会会長
党派・会派 自由民主党
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