2023/2/1
【そもそも予算とは?】
あらゆる行政サービスは、予算に基づき行われます。逆に、予算に計上されていないことは基本的に、いかなることもできません(一応、予備費というものもありますが)。
県政においても、県民の代表である知事が予算を編成し、同じく県民の代表である県議会が議決をして、予算は成立します。予算は、いわば、お金の裏打ちのもと、一年間の行政の方向性を縛る、極めて重要なものと言えます。
【予算折衝とは何か?】
予算は、通常2月定例県議会(2月下旬〜3月下旬)で審議されます。予算議案として、議会に提案がされ、さまざまな議論を経て、3月下旬に「採決(可決or否決)」します。
しかし実際問題、この採決に至った段階で、予算を否決するということは、通常はありません。なぜなら仮に否決すれば、4月から始まる新年度の行政サービスに大きな支障が出て、県民生活に大きな悪影響が出るからです。
誤解を恐れず言えば、この採決において否決しないために、大きな方向性を共有する過程が予算折衝といえます(もちろん議会の審議の過程で、そうした前提が覆されれば否決することも十分にあり得ます)。
特に、私が所属する自民党議員会は、予算可決に必要な過半数をもつ責任会派であり、その声は、知事はじめ県当局に最も重く受け止められるべきものと自負をしており、その分、責任も重いと考えています。
予算折衝には、党役員と副政調会長だけが参加しますが、私は副政調会長として4年間、そして組織委員長として2年間、関わらせていただいており、6度目の予算折衝となりました。

【富山県武道館についてはやや突っ込んだ議論あり】
2月定例県議会への富山県武道館建設の債務負担行為の議案提出を否定しない県当局に対し、我が会派からは、現時点において建設費の精査も終わっておらず、かつ武道館整備のあり方の整理が十分とは言えない現状において、2月議会への議案提出は見送るべきであると要請しました。
これに対し知事は、「現在の姿を計画した時点から4,5年が経過しており、状況は色々と変わった。一方で多くの方が待ち望んでいるものであり、早く検討したい。」としました。
その後の意見交換においては、我が会派の重鎮議員から「富山県武道館をどうするのか皆すっきりしていない。最初の計画から時間が経過し、社会の変化もある。PFIなど手法の変化も出た。色んな変化がある中で、物価高騰だけを捉えて議論することに違和感がある。抜本的に施設のあり方の議論をもう一度しないと、すっきりしない。時には白紙に戻すことも必要だ。そのために、我が会派ともっと胸襟を開いて話をしないといけない。もっと遠慮なく相談して欲しい。こちらにも知恵がある。」と提案。
これに対し、知事からは、これまで有識者会議を積み重ね現在の形になっている。有識者に、それぞれの思いがあり、一つのものになった。大胆な見直しも、とのアドバイスもあった。そうしたことも踏まえて考えたい。と回答
⇒知事からは、明確な答えはありませんでしたが、武道館の計画見直しに含みを持たせつつ、27年度までの完成を堅持する姿勢は崩さないことから、何か腹案があるようにも見えました。いずれにせよ、県民の理解が得られるものになるように議論を積み重ねます。
【高校再編については、噛み合わず】
高校再編のあり方について、あるべき姿のゴールを定め、その工程表を示す必要がある。高校のあり方をゼロベースで考えて欲しいと提案。
知事からは、これまでの歴史もあり、ゼロベースというのは現実的ではない。今年度までに取りまとめた「あり方検討会」の意見を踏まえ、学科のあり方を検討していきたい。引き続き、魅力向上に取り組む。と回答。
⇒次年度から、どのように高校再編の議論が進んでいくのかイメージできるような回答ではありませんでした。
非常に重要かつ壮大な問題であり、簡単に答えの出せる問題ではありませんが、一方で少子化は待ったなしであり、一定のスピード感が求められます。まずは高校再編を前提とした議論を早急に始めることが重要です。
【その他の主な折衝項目は↓】
1 経済対策
物価高騰により疲弊する中小零細企業、農林水産業者、県民の暮らしを支えるために総合的な支援を要請。
また、賃上げに向けた知事のメッセージとともに、賃上げに必要な十分な支援を要請。
(知事)
ビヨンドコロナ補助金の対象を拡充する。また物価高騰を応援する融資資金を増やした。
県民の暮らしについては、深刻な影響を受けているひとり親家庭への支援や子ども食堂への光熱水費支援を検討したい。
賃上げについては、賃上げできるような企業の構造をつくることが重要。9月補正においては国の賃上げに対する補助金への上乗せ支援制度もつくっている。
2 子ども政策
子ども真ん中の政策を進めるために組織体制のあり方も含めた見直しの検討を要請。
(知事)
子育て応援券事業と支援ポイントを統合した新たな制度をつくる。また病児病後児保育の予約システムをつくりたい。
富山児童相談所の移転新築は令和8年度供用開始を目指す。
組織体制のあり方は、今後検討させてほしい。
3 社会インフラの整備
通学路の安全対策や激甚化する豪雨・豪雪災害への対応など緊急性の高い社会インフラ整備事業は山積している。
一方で、建設物価や人件費は高騰しており、この状況をしっかりと加味しないと例年と同様の事業量が確保できないので、しっかりと踏まえて予算を編成するべき。
(知事)
今後、精査し、相談しながら最終額を固めていきたい。
【石井県政から新田県政へ。折衝はどう変わった?】
現在、県議会の自民党は2つの会派に分かれています。一つは、県知事選で石井さんを支援した我が会派、そしてもう一つは新田さんを支援した、自民党新令和会です。
知事選前は、自民党議員会は、ある意味、ガチガチの石井与党でした。そういう意味で、石井知事は自民党議員会の話も良く聞いてくれていたのかもしれませんが、ワンマン色の強かった知事でもありますから、大枠の議論では、こちらの思いが通ることは少なかったのではないかというのが、私の当時の印象です。
一方で、新田県政においては、良い意味でも悪い意味でも、政策決定がボトムアップで行われるため、その分、県議会の思いが取り入れられる場面は少なくないという印象です。
そういう意味で、県議会の役割はより大きくなっていると感じています。
2月定例県議会にむけて、さらに調整を進め、県議会においても議論をして、県民に希望を持ってもらえる予算に県当局と力を合わせて仕上げていきたいと思います。
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ホーム>政党・政治家>永森 直人 (ナガモリ ナオト)>富山県議会自民党議員会として令和5年度予算折衝に臨みました。