2023/1/10
1月6日、富山県はウェルビーイングの指標を公表しました。
富山県は昨年2月に富山県成長戦略を策定し、『ウェルビーイング』を、“戦略の中心”、“全体に通じる考え方”としており、令和4年度成長戦略アクションプランにおいては、ウェルビーイングの県民意識調査とウェルビーイングを測る指標の設定を行うこととしていたものです。
【指標設定の意義】
公表資料によれば指標設定の意義として
1 漠然としたウェルビーイングという概念を可視化し、県民共通理解の一助とする。
2 関連施策の羅針盤として、①具体的な情報発信や意識・行動の促進、②県民の主観的な幸せの実感に繋がっているか効果を検証、③ウェルビーイング向上のための施策展開。 としています。
→ ウェルビーイングという概念の定着、ウェルビーイング向上のために具体的にどのようなアクションを行っていくかの羅針盤、そしてアクションの効果を点検するためのものと言えそうです。
詳しくは↓↓
https://www.pref.toyama.jp/100224/toyama-wellbeing-indicator.html
【感想】
先輩議員や報道関係者からは、「この指標を活用して、具体的にどのようなアクションに移していくのか、どのように施策に活かしていくのか見えない」との声が聞かれました。
私自身も、果たして上記の指標設定の意義を満たすものになっているのか疑問であり、現時点ではなかなか評価することは難しいというのが、率直な感想でした。
そんな中、本日たまたま、成長戦略を所管する県関係者と懇談する機会を得ることができ、改めて指標設定の意義をお聞きしました。
お聞きした上での私なりの解釈では、今回設定した指標は、目標達成の度合いを計測するKPI的なものではなく、指標を通じて、①どのような属性において、どのような課題を抱えているかを明らかとして幸福度を上げるための課題発見の基礎とする。②策定した政策の有効性を対象属性に確認する。③政策の効果を検証する。ための手段として活用するといったイメージでしょうか?
指標というよりは、県民の幸福度の意識について細かく対話していくツールという印象を抱きました。
これまで各種政策が県民の幸福度にどうつながっているかは、行政側がKPIを立ててその指標を根拠に推し量りながら政策を進めてきたところ、今回の指標設定により、政策立案や政策効果に県民の幸福度の意識をより直接的に反映することが目的といえます。
そして究極的には、「これまでの行政の政策決定プロセスを抜本的に変える」という大きなチャレンジの第一歩と捉えているようです。
自分で書きながらも、漠然としており、お読みいただいている皆様にも、なかなか伝わっていないと承知していますが、現時点での県の説明そのものがやや漠然としており、今後の活用方法も含めて、まだ検討段階との印象でありますのでご容赦いただきたいと思います。
これまでも県議会などでは、「ウェルビーイングの向上」のために、富山県はどのような施策を展開していくのか?ということが議論されてきており、今回の指標設定をきっかけに何か方向性が見えるのではと期待しましたが、もう少し時間を要するようです。
そして、チャレンジの方向性は悪くないのだと思いますが、その分、難易度は高そうです。県民はおろか、県の一部の上級幹部を除いて県職員さえ、目指すべき方向性が共有されておらず、道のりはなかなか険しそうです。
まずは、今回設定した指標を令和5年度は、どのように活用していくのか?そして指標に紐付いたウェルビーイング向上策が具体的に姿を見せるのはどの時期からなのか?など、県当局には明らかにする責任があると思います。
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ナガモリ ナオト/48歳/男
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