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【富山県議会自民党議員会公共交通PT】「ノッカルあさひまち」は公共交通に変革をもたらすか?

2022/7/28

皆様、 「ノッカルあさひまち」ご存知ですか?

「ノッカルあさひまち」とは、ご近所さんの自家用車でのお出かけに、ついでに「乗っかる」ことができる、助け合いの気持ちをカタチにした新しい公共交通サービスです。

公共交通にお互いに助け合う互助の精神を取り入れた公共交通の形であり、事前に登録した住民ドライバーが、交通弱者である高齢者などの移動を支えるのです。

人口減少、少子高齢化の中の、公共交通のあり方が大きくクローズアップされる中、住民の善意に頼る新しい課題解決の姿は、とても日本的であり、私の好みです。

そんなわけで、朝日町の笹原町長を訪ね、「ノッカルあさひまち」について話を聞いてきました。

1 ノッカルの背景

 さて、朝日町は、富山県と新潟県の県境にある町です。高齢化率44.6%、消滅可能性都市にも指定され、過疎に苦しむ自治体の典型ともいえる町です

 そんな中、朝日町の笹原町長は、わが町は課題先進地と堂々と宣言している姿はとても印象的でした。

 そうなんです。公共交通の問題は、多かれ少なかれ、各自治体において、すでに大きな課題となっており、しかし、朝日町ほど逼迫していない、もう少し、そ~っと寝かしておきたい課題なのであると思います。

 朝日町の町内移動はこれまで「あさひまちバス」という、いわゆるコミュニティバスに頼っていたそうです。1日38回9路線を運行し、路線内を自由に乗降できる仕組みを取り入れ、コロナ前まで64ヶ月連続で対前年同月を上回る実績をあげていました。

 他方で、地区によって便数に違いがあり、利便性にも差がある。交通弱者にとって移動手段が足りないことは、イベントに参加できない、友達に会えない、そうしたことが住民の暮らしの質の低下につながっている。その課題解決には、バスを現行の3台から4台に増やす必要があり、しかし、そのためにはバスの購入を含めた財政負担の問題、運転手の確保の問題など、どの自治体でも悩みそうな問題がありました。

そんな状況の中、なるべく財政負担を抑えながら、「住民の足を守る」ことを考えた結果生まれたのが「ノッカルあさひまち」です。

大手広告代理店「博報堂」さんの参画を得ながら、朝日町、地元タクシー会社・黒東タクシーさんも含めた公共交通の法定協議会を作り、プロジェクトは動き始めました。

「ノッカルあさひまち」については報道などでも取り上げられており、非常に関心を持って見ていましたが、まず第一に考えた疑問は、「それって白タク行為になるのでは?」でした。

答えは、地元の交通事業者などの参加を得た法定の地域交通協議会で認め、自治体が運行主体になる場合には、道路運送法において「自家用有償旅客運送」というものが認められており、この制度に則ったものということでした。

地域によっては地元のバス事業者やタクシー事業者と競合するサービスであり、こうしたサービスを新たに自治体で始める場合には、第一の関門は、地元交通事業者との調整ということになりそうです。

 朝日町においては、地元で一社ある黒東タクシーを、プロジェクトの一員として迎え、また現在も、「ノッカルあさひまち」の運行管理を委託することで、win-winの関係を築いています。黒東タクシーにおいても、今後、人口減少する中、何もしなければジリ貧という考えもあり、少しでも、マイカーから公共交通へのシフトが起きれば、タクシー事業にもプラスになるという経営判断があったそうです(実際に、往きはノッカル、帰りはタクシーなどの需要が生まれているそうです)。

2 ノッカルの現状(令和4年7月21日現在)

繰り返しになりますが、「ノッカルあさひまち」とは、ご近所さんの自家用車でのお出かけに、ついでに「乗っかる」ことができる、助け合いの気持ちをカタチにした新しい公共交通サービスです。

現在、ノッカルあさひまちには201名の方が登録しています。80代女性がもっとも多いそうです。

一方の住民ドライバーは30人が登録しています。

利用登録者は、前日までに予約をいれると、住民ドライバーが迎えに来てくれ、通勤途中などドライバーの用事のついでに、病院などの目的地に届けてくれます。

当初、無料で始まったこのサービスは、令和4年1月から有料化され、現在は1回600円、相乗りなら400円となっています。600円の配分は、200円は町、200円は運行受託する黒東タクシーに配分され、ドライバーには200円の商品券が渡されるそうです。

運行回数は、月に150人程度となっており、予約件数と利用人数が広がりつつある段階です。

運行開始当初は、ドライバーが足りず、町の職員が運行するケースも多かったそうですが、現在は、登録ドライバーだけで、ほぼ回すことができ、現在は、突発的に登録ドライバーが行けない時に職員が対応する程度になっています。

利用する住民からは、「病院、スーパーなど必要不可欠な場所へは家族に頼めたが、温浴施設など行くことは頼みにくかった。このようなサービスの形を取ることで、行きやすくなった」との声があったそうです。なるほどと思いました。サービス化することで住民の暮らしの質が確かに高まっていますよね。

3 課題はないのか?

 サービスはまだ始まったばかりです。利用者数はまだまだ少なく、またドライバーがもう少し増えれば、運行の自由度は広がるはずです。

 町としては、この「ノッカルあさひまち」をさらに進化させ、様々な助け合いサービスのプラットフォームにしていきたいと考えているようです。

 朝日町の笹原町長によれば、官民連携、そしてDXの先進モデル地域にもなっており、ノッカルを含んだ様々な地方の課題解決の仕組みをつくり、全国に横展開していければよいということです。

朝日町から富山県、日本を良くする思いで仕事をする姿勢に大変感銘を受けました。

私達、自民党議員会においては、持続可能な公共交通PTをつくり、県の地域公共交通政策について提言をおこなっていく予定です。

鉄軌道などの問題とともに、2次交通も重要なテーマであり、大いに参考にさせていただき、また様々な市町村長さんとお話する機会の重要性も痛感いたしました。

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著者

永森 直人

永森 直人

選挙 富山県議会議員選挙 (2023/04/29) - 票
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肩書 富山県議会議員(3期)、自由民主党富山県連組織委員長、射水市消防団南部方面団長、小杉まちづくり協議会会長
党派・会派 自由民主党
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