2022/3/23
新型コロナ感染の第6波は、ようやく収束しつつあります。
このまま下がり切る前に、再び増加に転じる可能性はありますが、まずは一安心というところです。
第6波(令和3年12月22日〜4年3月21日)の状況をとりあえず、まとめます。
【第6波の感染者の状況】
感染者数の合計は、20,722人であり、年齢別の割合では
10歳未満が22%、10代が18%、20代が11%、30代が15%、40代、50代、60代、70代と続いていき、年齢が低いほど多くの感染者が出ています。
【第6波の死亡者の状況】
1月〜3月21日までの死亡者数は、19人であり、年齢別では
80歳代が9人で最多であり、90歳代の6人、70歳代の3人、60歳代の1人となります。
80歳代以上が79%を占めています。
【第6波の重症者の状況】
1月〜3月21日までの重症者数は、21人であり、年齢別では
80歳代は7人で最多であり、70代の6人、60代の4人、90代の2人、50代・40代の各1人となります。
基本的には高齢者の重症化率が高いですが、基礎疾患を有する場合には、中年層であっても重症化するリスクはあるといえます。
しかし、全体として言えることは、重症化率は0.1%であり、デルタ株以前の2.4%と比較すると遥かに低いと言えます。
【子どもの感染拡大】
オミクロン株の感染拡大は、子どもの感染の多さが特徴ですが、本日、厚生環境委員会で質問したところ、10代未満の子どもの感染者のうち入院したケースは1%であり、その場合も、保護者とともに感染して入院するケースや軽症であるが念の為入院し、数日で退院したケースがほとんどとの報告でありました。
子どもに感染が拡大しているのは事実ですが、子どもが重い症状に至るケースは極めて限定的であるとデータ的には示されています。
【病床の状況】
病床の状況は、入院者数は、2月28日の171人をピークに、150人前後で推移しました。
入院者に占める症状別の割合は、3月21日現在、軽症・無症状が46人、中等症が58人、重症が1人の計105人でありました。感染第6波が始まる1月下旬頃は圧倒的に軽症・無症状が占めていた状況に比べると、病床の運用はかなり変化があったと思います。
宿泊療養施設(ホテル療養)は、3月6日の302人をピークに、250人前後で推移しました。
しかし、その分、自宅療養者が増えたのは事実であり、一時期は、5,000人に迫る勢いとなりました。
【ワクチン接種の状況】
3月21日現在の全人口に占めるワクチン接種率は
1回目完了 84.38%
2回目完了 83.27%
3回目完了 37.10% となりました。
なお、ワクチン完了後の感染状況については、1月〜2月21日までの状況ですが、
ワクチン未接種者の感染は1085人(母集団9.3万人)で感染率は1.16%
ワクチン1回接種者の感染は57人(母集団0.5万人)で感染率は1.14%
ワクチン2回接種者の感染は5,433人(母集団68.2万人)で感染率は0.8%
ワクチン3回接種者の感染は328人(母集団17.6万人)で感染率は0.2%です。
データからはワクチン3回接種の感染予防効果は一定程度あると言えそうです。
また重症者のワクチン接種の状況では、
重症者21人のうち、未接種9人、2回接種9人、不明3人でした。
死亡者19人のうち、未接種3人、2回接種9人、3回接種1人、不明6人でした。
個別の状況がわからないので、分析には限界があります。おそらく、ワクチンの重症化予防効果は高いと思われますが、個別に基礎疾患や持病の悪化などが重なると重症化や死に至るケースがあるのではないかと思います。
【まとめ】
かつてない感染拡大の波が来たわけですが、病床の逼迫を招くことなく、感染拡大を乗り切ったことは評価できると思います。
ただし、感染が急拡大すると厚生センターや保健所の業務は逼迫し、入院調整が滞ることもあったのではと推察されます。厚生センターなどのマンパワーを増やせとの声もあるかもしれませんが、そういう次元を超えているのではないかと思います。むしろ、厚生センターの関与を減らし、インフルエンザなど普通の感染症と同等の扱いにする、つまり、普通に症状があれば病院を受診し、重症化の懸念があれば医師が入院を勧めるという体制に運用を改善することが望ましいと思います。
一方で、県議会においては、県が、まん延防止等重点措置の適用申請をしなかったことが問題となりました。知事のトップとしての政治判断であり、尊重するべきだと思いますが、飲食の支援を巡っては、県と議会の見解が分かれました(この件についてはこれまでもブログに書きましたので参照ください)。
個人的には、新型コロナと社会経済活動の両立から、もう一つ、歩を進めて、病床の状況は見つつも、一定の感染拡大を許容しながら、コロナ前の日常生活を思い切って取り戻す方向に舵をきる必要があると思います。
いずれにせよ、第7波が深刻な状況とならないことを祈りたいと思います。
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