2025/12/30
今月の読谷村議会で起きた、少し不思議な出来事について解説します。
テーマは、議案第73号「読谷村議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例等の一部を改正する条例」です。
平たく言うと、「議員の報酬は上げる、その代わり人数は減らす」という内容でした。
採決の結果は、賛成7・反対11で否決。議案は成立しませんでした。
なぜこのような結論になったのか、経緯を紐解いていきます。
きっかけは、伊波篤議長が九州や全国の議長会に参加する中で、報酬の低さを背景とした「議員のなり手不足」が深刻な課題になっていることを実感したことでした。
「この問題に読谷村としても早期に取り組むべきだ」という問題意識から、平成30年12月に「議員報酬及び議員定数調査特別委員会」が設置されました。
その後、約2年半にわたり
・25回の特別委員会
・7回の全員協議会
・2回の研修会(講師を招聘)
などが開かれ、
・議員報酬の適切な額と算出方法
・報酬増額に必要な財源
・適切な議員定数
などについて議論が行われました。
しかし、肝心の「財源」や「議員定数」については意見がまとまらず、最終的に委員会で共有できたのは「議員報酬は増額すべきだ」という一点だけでした。
つまり、報酬は上げるべきだが、その財源をどう確保するのか、定数をどうするのかについては結論が出ませんでした。
こうした状況を受け、令和6年10月には、議会から行政に対して「特別職報酬等審議会設置に関する要請」が出されました。
これを受けて設置された審議会には、村内を中心に各分野の代表が参加しました。
議会側が設置を求めたこの審議会が出した結論は、「報酬増・定数2減」でした。
具体的には、議員の数を19名から17名に減らして財源を生み、その財源を使って議員報酬を引き上げる、という考え方です。
ところが、この審議会の結論は、12月10日の(議員による)特別委員会で否決され、その後の本会議でも否決されました。
議会の要請で設置された審議会の答申を、議会自らが否定するという、一般村民からすると理解が難しい展開になりました。
反対した議員からは、
・「報酬の問題と定数の問題を一緒に議論すべきではない」
・「議員定数を減らすべきではない」
といった声が上がりました。
一方で、賛成した議員や提案した行政側からは、
・「審議会の答申は尊重すべきだ」
・「財源論を避けるべきではない」
・「報酬は上げるが定数は維持、という判断では村民から理解を得られない」
といった意見が示されました。
ここで一度整理すると、今回の議会の判断は次の二点に集約されます。
1.「議員報酬は上げてほしいが、議員の数は減らしたくない。報酬増額の財源については明確になっていない」
2.「議会の求めで設置した審議会の答申を、議会が自ら否決した」
こうした経過は、多くの村民にとっては、どう理屈を組み立てても納得しづらいものに映るのではないでしょうか。
会社で従業員の給料を上げようとすれば、
・支出を削る
・収入を増やす
どちらか、あるいはその両方が必要です。
家庭でも同じです。
お小遣いを増やそうと思えば、家計の支出を減らすか、収入を増やすかのどちらかを考えないと現実的ではありません。
実は、議会の特別委員会では、読谷村と規模が近い全国の町村議会(北海道から九州まで20議会)について調査も行われています。
その結果、
・定数16名以下の議会が13
・定数17〜18名の議会が6
という状況でした。
現在の読谷村議会は19名で、その中でも多い方に位置づけられます。
今回、議案第73号が否決されたことで、結果として議員報酬の増額も見送られました。
次の村議会議員選挙の際に、各議員がこの問題をどう説明し、どのような考えを示すのか、大きな注目点になりそうです。
議会中継を視聴したり、議会や議員の資料を読み解いたりすると、今回のような経緯が見えてきます。
しかし、そこには時間も体力も必要で、多くの村民にとっては大きなハードルです。
だからこそ、「議会で何が起きているのか」「どんな議論が行われているのか」を、もっとわかりやすく伝えていくことが大切だと感じます。
今回の出来事も、村民一人ひとりが議会や政治を自分ごととして考えるきっかけにしていきたいところです。

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ナカソネ トモハル/60歳/男
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