2026/3/11

1980年代。
テレビが最も熱く、華やかで、そして「戦場」だった頃の話だ。
当時、僕は美術制作会社「ル・オブジェ・アール・スタジオ」の社員として、日本テレビの番組制作に末端スタッフとして参加していた。
場所は、数々の伝説が生まれた聖地・渋谷公会堂。
リハーサルの時だったと思う。
当時トップアイドルの一人だった堀ちえみが、僕のすぐそばを通りかかった。
僕は作業の手を止め、邪魔にならないよう端に寄って道を譲った。
その時だ。
彼女は、ただ通り過ぎるのではなく、僕の目を見て、丁寧な声で言った。
「おはようございます」
ガチ袋を下げ、なぐりを持って現場を走り回っていた僕を、
一人の「仕事仲間」として認め、声をかけてくれたのだ。
後にネットや業界内の噂で、
「堀ちえみはとにかく礼儀正しい」
「裏方のスタッフにまで挨拶を欠かさない」
そんなエピソードがあることを知った。
世間ではそれを「美談」として語る。
だが、僕は違う。
僕は、その「挨拶をされた本人」なのだ。
あの時、渋谷公会堂の舞台裏で、
彼女と確かに目が合い、
「おはようございます」と挨拶された、
その一次情報の保持者である。
会社に入ったばかりの若造だった僕にとって、
その一言がどれほど嬉しかったことか。
「ああ、自分もこのチームの一員なのだ」
胸が熱くなったのを覚えている。
あの日、僕は思った。
現場で働く人に、ちゃんと目を向ける人がいるだけで、
人はこんなにも救われるのだと。
「ル・オブジェ・アール・スタジオ」の社員だった若き日。
仕事は、まるで「24時間働けますか」と言われるような忙しさだった。
きつかった。
だが、楽しかった。
あの時間と空間こそが、
僕にとっての「ガラスの遊園地」だったのだと思う。
【テレビマン・村上さんせいの「本音」をもっと知る】
■ 公式サイト 「北名古屋.com」 北名古屋をドラマチックに変える、具体的な政策はこちら http://xn--djros0dr56a.com/
■ 村上さんせい プロフィール(選挙.com) https://go2senkyo.com/seijika/197896
■村上さんせい noteまとめサイト(実録シリーズはこちら) https://note.com/agile_guppy2355/n/n9d0090c76898
この記事をシェアする
ムラカミ サンセイ/68歳/男
ホーム>政党・政治家>村上 さんせい (ムラカミ サンセイ)>【実録】渋谷公会堂の舞台裏で堀ちえみと目が合った日|僕がテレビマンだった頃