2026/3/8

僕がテレビマンだった頃
これは、私がテレビの「向こう側」で見た記憶である。
まだ東京・麹町に日本テレビがあった頃の話だ。
ル・オブジェ・アール・スタジオの社員だった
私が担当していた番組のひとつに、
「歌のワイド90分」という歌番組があった。
場所は日本テレビ麹町のGスタジオ。
その日、現場には朝から、いつもと少し違う空気が流れていた。
理由は、すぐに分かった。
「今日はお嬢が来る」
そんな言葉が、現場に回っていたからだ。
出演するのは、美空ひばり。
当時のテレビの世界では、ひばりさんのことを
多くのスタッフが「お嬢」と呼んでいた。
もちろん、テレビの現場には大スターがいくらでも来る。
だが、その日の空気は明らかに違っていた。
サブにいるプロデューサー。
フロアディレクター。
そのあたりの人間は、かなり緊張していたと思う。
「ミスは絶対に許されない」
そんな空気が、スタジオ全体に漂っていた。
私は美術スタッフだったから、
自分の仕事を淡々とやるだけだ。
特別な打ち合わせがあるわけでもない。
セットを整え、いつものように現場に入る。
だが、それでも分かる。
スタジオ全体の緊張感というものは、はっきり伝わってくる。
テレビの世界には、大物歌手はいくらでもいた。
だが、あの日の空気は
それとも少し違っていた。
誰かが大きな声を出すわけでもない。
怒鳴る人がいるわけでもない。
それでも、スタジオはどこか静かで、
全員がどこか少しだけ背筋を伸ばしている。
「ああ、これが美空ひばりなんだな」
そんなことを、現場の空気から感じたのを覚えている。
私は特別に言葉を交わしたわけでもない。
ただ、そのスタジオの中にいただけだ。
だが、あの日のGスタジオには確かに
ひとりの歌手が作る、独特の緊張があった。
それが、
美空ひばりという存在だった。
テレビの向こう側には、
ときどき、こんな瞬間がある。
【元テレビマン・村上さんせいの「本音」をもっと知る】
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ムラカミ サンセイ/68歳/男
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