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前田 弘一 ブログ

花園ラグビー場第2グラウンド問題 – 住民監査請求

2025/6/1

東大阪市花園ラグビー場第2グラウンドは老朽化しています。そこにサッカーチームのFC大阪が改修の寄付をする問題についてです。

この記事は、問題追及の第7弾です。これまでの経緯をご存じであることを前提にしています。

本件について、第2回目の住民監査請求をしました。
結果は却下でした。

私の主張は、前回の記事で書いた趣旨のとおりです。それを、住民監査請求用に文面を変更しています。

監査委員からの通知は、本件は住民監査請求という手続で訴えることに馴染みません、という趣旨でした。訴えの内容に関して良い・悪いの判断をしたのではありません。

以下に、本件の住民監査請求書の内容を共有します。
事実証明書」は省略します。

 

1.請求の要旨

(1)誰が(請求の対象職員)

東大阪市長

 

(2)いつ、どのような財務会計上の行為を行っているのか。

 市は、令和2年10月1日から令和22年3月31日までの19年6カ月の間、毎年度、東大阪市花園ラグビー場(以下「ラグビー場」という。)の指定管理者と契約を結び、指定管理業務を行わせ、これに係る経費の支払いをすることとなっています。
 例えば、令和5年度の経費として107,818,000円を支払いました(事実証明書その1参照)。

 

(3)その行為は、どのような理由で違法又は不当なのか。

1.追記の不法性
 市は、令和元年11月1日からラグビー場の指定管理者の募集を開始しました。
 指定管理者の指定手続は、東大阪市公の施設の指定管理者の指定手続等に関する条例(以下「条例」という。)を根拠にしています。

 この指定手続の募集に係る要項の名称は「東大阪市花園中央公園エリア官民連携魅力創出整備事業指定管理者募集要項」(以下「募集要項」という。)です。「花園中央公園エリア」にはラグビー場が含まれています。
 令和元年11月26日に、市は、公開中の募集要項の第13ページに追記(以下「追記」という。)をしました(事実証明書その2参照)。

 追記には次の4個の趣旨が記されています。
1.FC大阪がラグビー場の第2グラウンドに5,000席以上の観客席を寄贈するという趣旨(以下「寄贈事項」という。)。
  この寄贈事項は、令和元年11月25日に、市とFC大阪との間で任意に締結した協定(以下「基本協定」という。)で決められています(事実証明書その3参照)。
2.「具体的な内容は今後協議して決定していきます」という、不確定の事象を基にしている趣旨(以下「不確定事項」という。)
3.「追加情報は随時提供していきます」及び「市からは確定情報が固まった段階で情報を提供していきます」という、追加情報を提供する趣旨(以下「追加情報提供事項」という。)
4.ラグビー場の第2グラウンドを整備する提案をしないでくださいという趣旨(以下「提案禁止事項」という。)。

 条例の第4条には指定管理者の選定に係る手続(以下「条例4条手続」という。)が定められています。
 市は、寄贈事項に関して、条例4条手続を実施したのではなく、追記に記載するという手続(以下「追記記載手続」という。)を実施しました、これによって、指定管理者であるFC大阪は、寄贈事項を実現しなくても指定管理者の身分を保持できることになりました。実際、寄贈事項が実現できていないのですが、FC大阪は指定管理者の身分のままです。

 仮に寄贈事項を条例4条手続で申請していた場合、寄贈事項は実現できていないのですから、指定管理者の指定は取り消されることになります。
 寄贈事項が実現できていないという事実は1個であるにも関わらず、追記記載手続かまたは条例4条手続かという、市が決めた手続によって、指定管理者の選定に関して正当であったり不当であったりします。手続の違いによって処分が異なることは不当です。

 本来であれば、不確定事項があるからこそ、また公正性を担保するためにこそ、基本協定を結ばず、追記をせず、条例に則り、寄贈事項に関して条例4条手続をすべきでした。そうすれば指定管理者制度運用会議において、例えば資産の保有状況や建設計画などをヒアリングし審議を進めるなどができました。これにより、誤った選考をする可能性が下がりました。そして、なにより、そのやり方が順法です。不法な追記記載手続で指定管理者の選定事務を進めたことが不当なのです。

2.市の不作為
 市は、条例を根拠とする募集要項の中に、追記で、任意契約である基本協定における寄贈事項を盛り込みました。
 任意契約とは、法律や条例で強制されることなく、当事者の自由な意思に基づいて締結する契約のことです。
 任意契約は、その履行に確実性がありません。
 この確実性の欠如が問題を起こしています。

 追記の内容は不確定事項を前提にしていました。
 この不確定性を担保するため、追記には、追加情報提供事項を設けました。
 本来であれば、市は、募集要項の公開の期限までに、FC大阪に対して、例えば資産の保有状況や建設計画のヒアリングなどを行い、不確定事項の解消に努めるべきでした。しかし、これを実施したという追加情報の提供はありません。
 募集要項の公開の期限まで不確定でした。
 この場合、不確定であることは確定したことになります。
 指定管理者の選定事務を安全確実に行うため、募集要項の公開の期限を迎える時、市は、追加情報提供事項に基づき、寄贈事項は依然として不確定である旨を公表すべきでした。そして、公募のあり方を見直し、募集要項における追記内容を取り消した上で、再度掲示すべきでした。
 あわせて、市とFC大阪による任意の契約である基本協定を破棄すべきでした。
 また、FC大阪は、その意思によって、条例4条手続に基き、申請書に寄贈事項を記載して提案をすべきでした。

 しかし、市は、上記のような募集要項の修正などを怠り、寄贈事項が実施されない可能性が極めて高いことを知りながら指定管理者の選定事務を進めました。
 結果として、提案禁止事項は実現できましたが、寄贈事項及び追加情報提供事項は実現できていません。不確定事項は不確定のままです。
 追記に記された重要な事項が実現できていないのですから、指定管理者の選定は不公正になっています。
 これは、市が、不確定な状態を放置し続け、事務の安全性を確保するための措置を講じなかったためです。
 安全に事務を行うことは、公共機関が行う事務として、当然になされなければならないことです。
 安全に事務をしなかった市は不当です。

3.FC大阪への不当な優遇
 市は募集要項を令和元年11月1日に公開しました。
 指定管理者の公募中であるにも関わらず、同月25日に、市は、指定管理者に応募する当時者であるFC大阪との間で基本協定を結び、指定管理物件であるラグビー場第2グラウンドに関する寄贈事項を約束させました。
 そして、翌日の26日に、市は募集要項に追記をしました。追記には、提案禁止事項を設けました。競合が更に良い提案を出してくることを禁止したのです。寄贈事項は守られず、不問になっています。
 これらの市の行為はFC大阪を不当に優遇する措置です。公正ではありません。

4.寄贈事項の未遂
 指定管理者の選考の原則は、公の施設の設置の目的を効果的に達成することです(地方自治法第244条の2第3項)。この達成のために、応札者に自由闊達に提案をさせ、競争をさせねばなりません。
 仮に追記において寄贈事項が存在せず提案禁止事項だけが単独で規定された場合、競争の原則を損ない不当です。
 追記では、寄贈事項が前提として存在するために、提案禁止事項が認められるのです。寄贈事項が原因になって提案禁止事項が生じています。この2個の事項は同時に規定したのですから同時に順守する必要があります。
 寄贈事項が実現できていないにも関わらず提案禁止事項だけを実施することは、応札者に提案内容を自由闊達に競争させない結果になったのですから、指定管理者の選定のあり方として不当です。提案禁止事項だけを実施することについて正当な理由が存在しません。
 実態として、FC大阪は、指定管理者に選定されて以降、未だに寄贈を実現させていません。募集要項が順守されていないのですから、本件の指定管理者の選定は不当でした。

5.問題の程度
 寄贈事項が完了していないことは、市民を含め多くの者の関心事となっており、問題の程度は大きいです(事実証明書その4参照)。

 

(4)その結果、どのような損害が東大阪市に生じているのか。

 ラグビー場の第2グラウンドは整備・寄贈されず老朽化したままです。
 不当な選考によって不適切な指定管理者が選定されました。他の事業者が指定管理者になっていれば、現状よりももっと良い状況になっている機会を損失させています。
 市は、FC大阪を不当に優遇するように処遇してきました。これは市の信頼を失墜させています。
 本件を不問にした場合、今後の指定管理者の選定においても、公募中に、指定管理物件に関して任意の応札者と協定を結んだり追記をすることが可能となり、実質的に市が故意に応札者を選んだり排除したりできるようになります。これは不当です。

 

(5)どのような措置を請求するのか。

 指定管理者の選定が不当であったことを認めること。

 

2.監査委員からの通知

画像
2025年5月26日付け監査委員からの通知

 

3.今後の予定

住民監査請求という手続が、本件の解決に馴染まないということでした。
なので、今後は、この手続をすることはありません。

 

4.過去の記事一覧

第1弾:事実関係の経緯

本件は出来事が多すぎます。それらを時系列でまとめました。

花園ラグビー場第2グラウンド問題 - 東大阪市

 

第2弾:「追記」問題

指定管理者の募集要項(2019年)の「追記」に問題があることを指摘しました。

花園ラグビー場第2グラウンド問題の中核 - FC大阪

 

第3弾:市長の回答

市長に要望を申し入れました。しかし、回答がかみあいませんでした。

花園ラグビー場第2グラウンド問題 - 市長の回答

 

第4弾:募集要項の問題点

募集要項の問題点を分かり易く書いたつもりの記事です。

花園ラグビー場第2グラウンド問題 - 募集要項の問題点

 

第5弾:指定管理者の罪と罰

本件の第1回目の住民監査請求に関する記事です。

花園ラグビー場第2グラウンド問題 - 指定管理者の罪と罰

 

第6弾:諸悪の根源

本件の問題点を、分かり易いように図にして解説しました。

花園ラグビー場第2グラウンド問題 – 諸悪の根源

 

以上

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著者

前田 弘一

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