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前田 弘一 ブログ

花園ラグビー場第2グラウンド問題とFC大阪

2025/3/7

東大阪市花園ラグビー場の第2グラウンドは老朽化しており改修する必要があります。
これについては、サッカーチームのFC大阪が改修するという取決めを2019年に締結しました。しかし、実現しませんでした。
2024年12月に「再協定」が結ばれ、改修に向け再度動き始めました。

改修が完了していない、という意味では未解決ですが、今後は「再協定」の行方を見守れば良いので、そういう意味ではこの問題は解決済みと言えます。
この「再協定」の公文書を、この記事の最後に載せましたので、興味がある場合はご覧ください。

 

しかし、次の疑問がわきます。

改修は寄附という形で費用の全額をFC大阪が負担するのですが、何故、FC大阪が寄附をしたがっているのでしょうか?
寄附金額が大きいため、寄附をやめれば良いのではないだろうか、と感じてしまいます。

また、東大阪市役所は、何故、この改修をFC大阪に求め続けるのでしょうか。
FC大阪に頼るのをあきらめて、市が改修すれば良いのではないでしょうか。

今般、その謎が解けましたので、私の個人的見解とエビデンス(証拠)を記事にしておきます。

FC大阪が寄附をしたがっている理由は、東大阪市花園ラグビー場の第1グラウンドをFC大阪のホームスタジアムにしたいためです。この理由は、「再協定」に書かれた事項によって推測できます。
ただし、この目的が今後も実現し続けるのかは不透明です。

東大阪市役所がFC大阪に改修させようとしている理由は、指定管理者を選定する「募集要項」(2019年)に、「FC大阪による改修が前提」という趣旨が記載されているためです。

仮に「募集要項」に記載された事項(FC大阪による改修)が実現しない場合は、「あの指定管理者の選定は不正だったのではないか」、「指定管理者の選定をやり直すべきではないか」という疑義が生じます。

しかし、(市に原因があるのではなく)FC大阪が原因で「再協定」が守られないことが明らかになれば、事故扱いになり、疑義は生じないと思います。
むしろ、市が改修してしまうと、募集要項に記載された取決めを市がやぶった形になり、市側の責任問題になります。

善意の寄附の申し出であれば、都合により撤回はできます。
しかし、本件は、改修という寄附が、指定管理者の募集要項に明記されてしまったため、簡単には撤回できないのです。
仮に簡単に撤回した場合、2019年当時の指定管理者の選定のあり方に疑義が生じます。寄附の申し出は、実は、FC大阪を指定管理者にするための、巧妙なワナだった、というシナリオになってしまいます。
選定に応札した対抗する事業者が、もっとすばらしい提案や事業を実施していた可能性があり、その機会を損失させています。
なので、「再協定」を順守させることが、東大阪市にとっての正義なのです。

 

1.東大阪市花園ラグビー場の基礎知識

(1)根拠条例:東大阪市花園ラグビー場条例(平成26年12月24日東大阪市条例第52号)

(2)正式名称:東大阪市花園ラグビー場(条例第2条)

(3)所有者:東大阪市。担当課:花園・スポーツビジネス戦略課

(4)場所:近鉄奈良線 東花園駅 北側 徒歩約10分

(5)グラウンド構成:次の3個のグラウンドが「東大阪市花園ラグビー場」です。
 第1グラウンド
 第2グラウンド(今後、FC大阪が改修する予定)
 練習グラウンド

(6)指定管理者:東大阪花園活性化マネジメント共同体
 指定管理者は次の3者で構成されています:
 1.HOS株式会社
 2.天正株式会社
 3.FC大阪

(7)指定管理期間:2020年10月1日から2040年3月31日まで(19年6カ月間)

(8)維持管理費:年間約1億2千万円(市が指定管理者に支払う額(税金))

花園ラグビー場の施設管理が変わります(東大阪市 2020年10月12日)

東大阪市花園ラグビー場 ウェブサイト

花園ラグビー場、サッカークラブが運営参画で岐路に(日本経済新聞 2020年4月20日)

高校ラグビー「花園第2グラウンド」、老朽化で「選手や観客かわいそう」…100席「座ると危険」(読売新聞 2023年12月27日)

 

(参考)全国高校ラグビー大会で言うところの「花園第3」グラウンドは、東大阪市花園ラグビー場の「練習グラウンド」ではなく、少し離れた場所にある「東大阪市多目的球技広場」(花園中央公園管理事務所が管理)のことです。

 

2.(参考)ラグビー場でサッカーはできるのか

名称はラグビー場ですが、用途はラグビーに限定していません。

条例第4条第4項には、施設の使用の目的がラグビー場の設置の目的にそぐわないとき指定管理者は施設の使用を許可してはならない、という趣旨が記されています。

「目的」という名称の条文はありませんが、第1条の内容は目的の趣旨であるため、この第1条に目的が記されていると解釈するのが妥当です。

第1条 ラグビーフットボールその他のスポーツ、レクリエーション等の活動の振興を図り、市民の交流の促進及び心身の健全な発達に資するため、本市にラグビー場を設置する。

東大阪市花園ラグビー場条例第1条

第1条には「その他のスポーツ」と記されているため、このラグビー場でサッカーをすることは条例に違反していない、と解釈するのが妥当でしょう。

 


3.経緯

(1)2019年11月1日:指定管理者募集開始

2019年に東大阪市花園ラグビー場の指定管理者を募集しました。
この要項の正式名称は「東大阪市花園中央公園エリア官民連携魅力創出整備事業指定管理者募集要項」です。
「花園中央公園エリア」には東大阪市花園ラグビー場が含まれています。
この募集要項は2019年11月1日から翌年の2020年3月2日まで配布されました。

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募集要項の表紙

東大阪市花園ラグビー場をF.C.大阪(サッカーチーム)が管理

 

(2)2019年11月25日:第1回協定書

東大阪市とFC大阪が結んだ最初の協定書です。
正式名称は「スタジアムの建設及び寄附に関する基本協定書」です。
この「第1回協定書」は、2024年12月23日の「再協定書」により、解除済みです。

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「スタジアムの建設及び寄附に関する基本協定書」(2019年11月25日)

 

(3)2019年11月26日:募集要項に追記

募集要項の当初版は2019年11月1日に公表されましたが、「第1回協定書」(2019年11月25日)の締結を受けて、11月26日に募集要項の第13ページに次のとおり追記がありました。

また、11月25日に、FC大阪からラグビー場の第2グラウンドに5,000席以上のスタンドを整備し、寄贈をしていただく内容で協定を締結いたしました。具体的な内容は今後協議して決定していきますが、実現すれば一体管理業務において工事期間中の使用制限や、管理内容に変更が生じます。追加情報は随時提供していきますので、現在は第2グラウンドを整備することの提案や増設するスタンドを使った活用の提案は控えていただき、第2グラウンドを現状のまま活用する内容でのご提案をお願いします。市からは確定情報が固まった段階で情報を提供していきますので、それまでは統一的なルールとして既存の第2グラウンドを活用する提案でのご検討をお願いします。

募集要項 2019年11月26日追記 第13ページ

 

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募集要項 2019年11月26日追記 第13ページ

 

当時の募集要項の全体は、次のサイトでPDFファイルとしてダウンロードできます。

https://note.com/androyer/n/n29b3aa4f51e7

 

(4)2020年6月24日:確認書2020年版

経緯は不明ですが、Jリーグ(サッカー)に関する「ホームスタジアムに関する確認書」が2020年6月24日に作成されました。ここでは「第1グラウンド」とは明記されていません。

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「ホームスタジアムに関する確認書」(2020年6月24日)

 

(5)2021年6月29日:確認書2021年版

Jリーグ(サッカー)に関する「ホームスタジアムに関する確認書」が2021年6月29日に作成されました。
ここでは「第1グラウンド」と明記されました。

同日付けで「覚書」が交わされました。

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「ホームスタジアムに関する確認書」(2021年6月29日)

 

(6)2021年6月29日:覚書

「第1回協定書」(2019年)が守られなかったため、第2回目として「覚書」を交わした形にはなりますが、この「覚書」で「確認書2021年版」への条件を付ける形にもなっています。

この「覚書」によって、FC大阪は、東大阪市の公認の基で、第1グラウンドをホームグラウンドとして使えることになりました。

なお、「再協定書」(2024年)に基づき、この「覚書」の第1項は効力を有していないことになっています。逆に見れば、その他の事項は2025年現在でも有効だと解釈できます。

しかし、2023年5月30日付けの「確認書2023年版」が発効しているため、「確認書2021年版」は無効になっていると解釈することが妥当です。これに伴い、「確認書2021年版」の取扱いを定めた、この「覚書」も無効であると解釈できます。

この「覚書」が2025年現在でも有効なのか無効なのか疑義が生じます。

FC大阪が第1グラウンドを使い続けている実態を鑑みると、有効かもしれません。知らんけど。

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「覚書」(2021年6月29日)

 

(7)2023年5月30日:確認書2023年版

Jリーグ(サッカー)に関する「ホームスタジアムに関する確認書」が2023年5月30日に作成されました。
「第1グラウンド」が明記されています。

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「ホームスタジアムに関する確認書」(2023年5月30日)

 

(8)2024年12月23日:再協定書

2024年12月23日に締結した「第2グラウンドのスタジアム建設に関する協定書」が2025年現在有効です。

文面はFC大阪にだけ厳しい内容になっていますが、指定管理者の募集要項(2019年)に定められた事項がいまだに順守されていないのですから、やむをえません。

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「第2グラウンドのスタジアム建設に関する協定書」(2024年12月23日)その1

 

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「第2グラウンドのスタジアム建設に関する協定書」(2024年12月23日)その2

 

以上

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著者

前田 弘一

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