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中野ゆうこが議員になった理由と、津市議会4年間で見えたこと|弱いものが弱いまま生きられる社会へ

2025/12/31

1|中野ゆうこはなぜ議員になったの?

「政治」を初めて意識したのは中学生のときです。

学校の理不尽な校則に疑問を抱きました。髪型や髪色の規制、防寒具の禁止、授業中の水分補給禁止、靴下の色指定など、合理的に説明できないルールを目の当たりにした私は、「理不尽に耐えることを覚えさせられている」「自分たちの考える力が奪われている」と感じ、それを変えられる立場になりたいと思いました。

また、遠い国の飢餓問題に興味を持ちました。「支援」とは、甘く優しいものではなく、善意だけでは通用しない、厳しい現実が立ちはだかっていることを知りました。現場では横領や賄賂が蔓延し、支援の到着を阻んでいます。また「教育の欠如と貧困」から、人々は「今、この瞬間の空腹を満たすこと」を優先せざるを得ません。本当に困っている人のところまで支援の手をさしのべるには、多額の寄付をすればよいというものではなく、社会構造や人々の意識を大元から変える必要があると知りました。遠い国の人々の苦しみを知った私は、すべての人が満足に食べ、幸せに暮らすにはどうしたらよいのだろう、と深く考えました。

高校時代は、熾烈な学歴競争の中で自己肯定感を失っていました。「学力がなければ経済的自立は叶わない」という強迫観念に晒され、勉強への苦手意識がそのまま生きることへの不安へとつながっていきました。同時に、社会に根付いた「性別の型」にも苦しめられました。ふくよかだった私は「女性は痩せていてこそ美しい」という風潮によって、ありのままの自分を肯定できず、学校に行くのがつらくなりました。さらに将来を考えたときに、長時間労働や育児環境の過酷さといった日本の構造的問題が立ちはだかっていました。この国で生きていく未来に希望を見出せず、強い閉塞感を抱きました。

議員になりたいと考えたのはそんな高校時代でした。私を苦しめている原因は社会構造や社会風土であり、それらは政治の力で変えていけるのではないかと気づいたからです。テレビをつけると、国会の議場のほとんどを老齢の男性議員が占めており、多様性とは程遠いもので、私の苦しみの元凶はここにあるのではないかと思いました。そこで、中学時代の思いも相まって「自分が議員になって社会を変えたい」と考え、その道を模索しはじめました。

2|4年間の議員生活で見えたもの

今から4年前、巡り合わせで津市議会に飛び込みました。
そこには、いつかテレビで見た国会と、似たような光景が広がっていました。津市議会の女性議員は全体の2割であり、人口の男女比と照らして低いままです。

そんな市議会での議論は、産業・商業・林業・交通・街ににぎわいを生み出すためにいかに予算をかけるか、といった「ハード」の比重が大きいです。生活するにあたって「ハード」の整備はとても大切です。しかし、人ひとりひとりに焦点を当て、どうしたらその人が生きやすくなるか、既存の仕組みや構造自体にも疑問の目を向けながら改善の途を探る、「ケア」の視点に立った議論が少ないと感じています。これは、多くは女性が担っている「ケア」の当事者の感覚が議会の中に不足していることが原因です。

意思決定層の価値観は、施策や事業にも如実に反映されます。

私が生きづらさを感じる原因となったルッキズムやエイジズム、ジェンダーロールは、「津クイーン」という形で温存されています。

保育園に十分な予算が充てられず、新しい備品がなかなか買えません。園児たちは、テープで補修に補修を重ね、どこが表紙だかわからない絵本を読んでいます。エアコンが壊れたり天井から雨漏りをしてもなかなか修理されず、現場はその対応にリソースを割いています。

生存権や住まいの権利を守るための市営住宅は、設備があまりに不十分です。老朽化が著しく、お風呂やエアコンが備え付けられておらず、窓には網戸やカーテンレールすらなく、入居者が自費で購入しなければいけません。
このような現状を変え、ケアの視点を重視し、ひとりひとりの生きづらさに焦点を当てた、やさしい市政にならなければいけません。

福祉の現場への予算を増やし、市営住宅の設備を充実させ、当事者によりそい、生理の貧困の解消や育児へのさらなる支援を進める。たくさんの若い人たちとも手を取り合い、そうした政策を進めていきたい。そのために、あらゆる場所からハラスメントをなくすことも、私の活動のテーマです。

3|弱いものが弱いまま生きられる社会へ

いま、長年の介護に疲弊して、家族を手にかけてしまう人がいます。こどもの自殺数は過去最高になりました。育児に疲れ切って、こどもが死ぬか、自分が死ぬか、と思うところまで追い詰められている人がいます。がんばりすぎていたり、ひとりで抱え込んで声を出すことのできない人がいます。私自身、将来に希望が持てず、鬱病になった経験があります。「もう消えたい」と願いながら誰にも助けを求められず、布団にくるまって天井を眺めているしかない日々を過ごしました。
私は、誰にも、どんな状況でも「自分がひとりだと思わないでほしい」 「生きることに絶望してほしくない」「どうせ変わらない、と諦めてほしくない」と考えています。

私は、今もメンタルや身体があまり強くありません。私なんかより、もっと強い人が議員になって、弱いものにやさしい政治をしてくれたら、と思うときもあります。でも、そんな人たちに任せていると、国会のような光景も、弱いものが生きづらい世の中も変わらないのです。意思決定の場には、声の大きい人、すでに力を持った人の声ほど届きやすいです。弱いものが、弱いまま当事者として議会に乗り込んでいく必要があります。おなかの中にいる赤ちゃんから、子どもたち、若者たち、様々なタイプのマイノリティ。こういった声なき声を集める努力を惜しまず、想像力をさらに高め、私だからこそ聞けた声を議会に届けるのが、私の使命だと考えます。そして、細やかな課題だけでなく、大元の構造や固定観念に切り込むような活動もしていきます。

今、政治に興味を持つ人は少ないです。でも、誰もが政治に起因する生きづらさを抱えています。政治に無関心ではいられても、無関係ではいられません。

みなさんに一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。「自分の生きづらさは、自分のせいではなくて政治のせいではないか」「私は、こんなにも我慢をする必要はないのではないか」「私たちはもっと楽になっていい」と。そして子どもたちに伝えたい。「あなたは誰とも比べられる必要はない」「あなたの声で社会を変えられる」と。

生まれた環境によって、人生の選択肢を奪われないように。そして、自己責任論ではなく誰もが「何があっても大丈夫」と思える社会を目指して、これからも活動します。

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著者

中野 ゆうこ

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選挙 津市議会議員選挙 (2026/01/25) [当選] 4,134 票
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肩書 津市議会議員
党派・会派 無所属
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