2025/11/14
【旭川市議会総務常任委員会の視察報告】
「産学官連携と大学の役割」(経済産業省)
1 経済産業省のラピダスに対する考え
⑴ 人材育成が急務
ラピダスを支える人材育成が急務であり、そのための北海道経済産業局の出張講義などを準備しエンジニアの育成を主題として掲げている。その点で、旭川高専の半導体分野の学科設置には大変な関心を抱いている。
⑵ 地域の産業創造拠点
機械メンテナンスを含む関連産業の地域における育成も重要な要素と考えており、半導体を通じた地域の産業クラスターを発生させることを目指している。当該地域には段階性があり、まずは石狩地域の関連産業創造が中心となるが、将来的には他の北海道地域にも拡大していきたいと考えている。
⑶ 半導体を用いたあらたな産業創出
ラピダスで製造された高性能の半導体を活用、利用する産業を育成していくことを国として考えており、具体的には、AIプログラムを利用した医療サービス、スマート農業、自動運転実証実験、ドローン製造産業等の積極的育成などを想定している。現に、先進地である熊本TCMCでは、半導体発注を行なうスタートアップ企業が設計事業にかかわるなどしている。
⑷ 補助金、助成金
補助金、助成金の対象は、上述のとおり人材育成、コンソーシアム形成に向けた枠組みの構築と企業ファンドの形成などへの取組み、半導体を利活用した医療機器、ヘルスケア危機、データセンター立地のための助成(これに対しては政府債務保証制度がある。)などが見込まれる。
2 視察理由
本市として、今後、ラピダスを見据えた戦略的方向性及び同武器となる資源を形成していく過程にあることから、ラピダスの概要及び実際の取組状況等について、①本市としてしっかりと理解すること、その上で、②ラピダス成功に向けて、同プロジェクトではいかなるニーズがあるのかを把握すること及び③そのニーズとの関係で、旭川市の高等研究機関がいかなる役割を担うことができるのかの検討資料を得る必要があることから視察に及んだ次第である。
3 視察結果に対する意見
以上の通り、ラピダスは地理的には将来広がりをみせる可能性があるものであり、かつ、国の方針として、地域の産業クラスター発生の契機となることを検討している。
そのような見地からすれば、本市として取り組むべきことは、人材育成のための制度を構築すること、ラピダスで製造された半導体を使用する産業を育成することが重要なものになると考えられる。また、農業、医療分野における産業創出といった周辺産業の育成と間接的な支援が極めて重要であると考えられる。
4 本市における実現可能性と課題
旭川市立大学に、令和8年4月に新設学部(地域創造学部)が開設予定である。同学部では、地域連携を重視しつつ、これからのAI・情報化社会に沿った人材育成を目指し、数理・データサイエンス・AI教育を取り入れた文理融合型教育とPBL型教育を行うカリキュラムを計画している。併せて、同学部用の新築学部棟には、1階に誰でも自由に入退場可能な産学官連携のための施設を設け、実学思考の実践をすすめる予定である。
また、旭川工業高等専門学校では、来年度、AIや半導体の分野で活躍できる人材育成に力を入れるよう方向性を定め、新たに設置する「AI・デジタル情報工学科」や「半導体・電気情報通信工学科」においては、ラピダスの道内進出を見据え企業から講師を招いて生成AIに関するプログラミングを行ったり先端半導体の設計や製造工程を学ぶための実習を行う予定である。
加えて、本市は、伝統的に木工技術が発達し高度かつ専門的な木工品等の製造が可能との土壌が存在し、かつ大雪伏流水の豊富かつ純正な水資源環境にあることから、今後、これらの諸技術や自然環境がラピダスの不測の事態に適切に対処し、ラピダス成功に何らかの寄与をする可能性も存するものと考えられる。
このような本市の学問研究機関及び諸環境こそが、本市がラピダスへ参入し、ラピダスの役割を担い得る客観的な資源であると考えられることから、今後、本市として、旭川市立大学や旭川高専という地域研究資源を積極的に活用し、産学官連携によるあらたなAI、情報分野における産業創出とこれを武器としたラピダス進出を真摯に検討していくべきである。

この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>高橋 ひでとし (タカハシ ヒデトシ)>【旭川市議会総務常任委員会の視察報告】「産学官連携と大学の役割」(経済産業省)1 経済産業省の...