2026/6/12
令和6年10月3日神戸市会 決算特別委員会第1分科会 質疑要旨

質問(上畠寛弘 分科員)
地下鉄海岸線を、単なる交通インフラではなく、有益な都市装置として機能させるために何ができるのかを問いたい。近年、「推し活」「オタ活」と呼ばれる文化が、日本国内のみならず海外にも広がり、日本のソフトパワーとしても極めて大きな経済効果を生み出している。推し活は、アニメ・映画・音楽・アイドルなど多様な分野に広がっており、もはや趣味の枠を超えた消費行動となっている。一方で、コンテンツとのコラボレーションは「センス」と「マーケティング」を誤ると効果が出ず、失敗に終わった自治体事業も散見される。だからこそ、先端の動向を的確に把握した上で、戦略的に取り組む必要がある。
具体的な事例として申し上げたい。私が親しくしている 「13月のアスタリスク」(※表記は13月、読みは1月)の元水色担当である「かーくん。」こと大城一扇さんは、アイドル活動のみならず、プロデュース経験もあり、推し活文化に非常に造詣の深い人物である。大城一扇さん自身が強く推している松本ももなさんが所属するアイドルグループ 「高嶺のなでしこ」 のライブを、私自身も実際に目にする機会があった。その際、終演後の物販の様子は圧巻であり、チェキやグッズを求めて長蛇の列ができ、1回のライブで10万円、20万円と消費するファンも珍しくない。海外から来日しているファンも多く、ライブのためだけに渡航しているケースも確認できた。さらに、岐阜県の野球場で行われたプロ野球公式戦(巨人対ヤクルト)において、試合前のわずか5分間のライブ出演を目的に、東京・大阪・名古屋など各地からファンが集まり、野球観戦ではなくアイドル目当てでチケットを購入する現象も起きていた。台湾など海外からの来訪者もおり、日帰り移動も当たり前という熱量である。例えば、地下鉄海岸線が松本ももなさんのラッピング車両になった場合、毎日でも乗りたいかと大城さんに問うたところ、乗りたいとの回答であった。このようなファン心理が存在することは、十分に想定される。
台湾の桃園メトロ(桃園捷運)では、ポケモンやハリー・ポッター、セーラームーンなどと連携した 「使うためではなく、買うためのICカード」 が販売され、保管用・観賞用・未開封用など、1人で複数購入する例が一般化している。ハリー・ポッターの魔法の杖型ICカードや、セーラームーンのロッド型ICカードは、半年待ちになるほどの人気であり、効果音や演出も含めて「体験価値」が消費を生んでいる。
こうした事例を踏まえ、海岸線を 推し活・オタ活に特化した路線として大胆に振り切る という選択肢も十分にあり得るのではないか。公営企業である交通局が、沿岸地域や民間コンテンツと連携し、推し活による交流人口・関係人口の創出に本気で取り組むべきだと考えるが、見解を伺いたい。
答弁(森川 交通局副局長)
推し活イベントにおいて、朝からグッズ購入のために来訪し、地域で消費を行い、夜にライブを楽しんで帰るという流れが生まれており、地域への経済波及効果が大きいことは実感している。
現在も、「駅メモ!」「鉄道むすめ」などの鉄道ファン向けコンテンツや、ディズニーとの連携による車両広告などを実施しており、特定のファン層を巻き込む取組は重要な視点である。委員の提案は、さらに踏み込んだ展開を求めるものと受け止めており、制約はあるものの、何ができるかについて積極的に検討していきたい。
要望(上畠寛弘 分科員)
ディズニーも現在は、ポスターやラッピング以上に、カチューシャなどのグッズや写真映えといった体験価値が来園動機になっている。現場の最新動向を実際に体感した上で、公営企業だからこそ可能な大胆なコラボレーションと需要喚起策を検討してほしい。
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