2024/5/5
4月24日、国土交通委員会で質問に立ちました。
G Wを前に、オーバーツーリズムの現状、とくに、
インバウンドの急激な増加に「宿泊業」や「飲食業」がついていっていないことを指摘。
働く人の雇用や収入を重視した「持続可能な観光」に転換するよう、国交大臣に求めました。
また、日本の人々は、賃金下落と外国人価格による物価高騰で
レストランで食事ができない、国内旅行に行けない状況が生まれているのも大きな問題です。
オーバーツーリズム対策自体は行われています。
先駆モデル地域として、東京都では唯一、浅草のある台東区が選定されており、
隅田川をはさんでスカイツリーのある墨田区にも大いに影響があります。
ただ、去年の補正予算によるもので、今年度の予算はゼロなのです。
これでは、せっかく自治体など現場がヤル気になっても続きません。
「財務大臣をねじ伏せてでも予算を獲得してもらいたい」と国交大臣に迫りました。
そもそも、政府がインバウンドを増やす目的が情けない。
「外国人旅行者を8人増やせば、人口1人の減少を補えるはず」というソロバン勘定の発想だからです(資料1)。
2030年に訪日客6,000万人、消費額15兆円を目指すとしていますが、
これは去年の乗用車輸出と同じ額。いかに、壮大な計画かがわかります。
これほどの外国人観光客を受け入れる力が、今の日本に、本当にあるのでしょうか?
例えば、宿泊業。
ゼロゼロ融資の返済は、役所が特記事項を付けるほど深刻な状況です(資料2)。
観光に関係する宿泊業や飲食業は借入れの依存度が高く、
これから利上げが見込まれるのでますます厳しくなると思われます(資料3)。
働いている人の賃金も低く、非正規雇用が多いのも特徴です(資料4)。
そこには、女性と外国人が多い。
苦しいのは働く人だけでなく、国民も同じ。
外国人観光客が増えて宿泊料金が高くなる一方、
収入は増えないので生活にゆとりがなくなり、国内旅行を増やせない状況です(資料5)。
次に、飲食業。
豊洲に行くと、1万8,0008円の「インバウン丼」があるそうですが、
ネタやコメ、光熱費の上昇で、すし屋の倒産は増えています。
テレビで5,8000円のラーメンが話題になりますが、
ラーメン屋さんの倒産は、じつは過去15年間で最多です。
飲食店全体でも去年の倒産は7割増と、次々と倒産しているのです。
去年10月からはこれにインボイス増税が加わっていますから、ますます大変。
インボイスの廃止が必要です。
こうした事実への認識と対策について、国交大臣に追及しましたが、
「これからに期待する」という残念な答弁。
コロナ前に外国人観光客が増えていた時期ですら厳しい状況だったことを、直視すべきです。
そもそも、30年も経済成長せず、実質賃金が下がっているのは日本だけです(資料6)。
去年の倒産の増加率は過去30年でもっとも高かったのですが、
倒産が増えている理由のひとつが、重い税金や社会保険料の負担です(資料7)。
とくにキツいのが、何といっても「消費税」。
滞納のトップはずっと消費税で、法人税の3,8倍に上っています。
国民の6割が求める消費税の減税が、今こそ必要です。
調理道具で有名な「かっぱ橋商店街」では、
品質のいいモノを買うのは外国人ばかりだそうです。
「日本人は見るだけ。100均に行けば揃っているしお金もない」と、
職人さんが語るように、国内の人々に余裕がない経済状況はあまりにも悲しすぎます。
===
国連の世界観光機関は、「持続可能な観光」を定義しています(資料8)。
大切なのは、産業も人も追いつかない急激な外国人観光客(インバウンド)の拡大ではなく、
持続可能な観光、サスティナブルツーリズムです。
その土台となるのが、「安定した雇用と収入」の確保で、公平な経済を実現することです。
大臣に、そのことを強く求め、質問を終えました。
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