
9月29日に開票の自民党総裁選に関して、河野太郎氏・岸田文雄氏・高市早苗氏・野田聖子氏の候補者4名が9月17日の所見発表演説会でそれぞれの思いを語りました。
本記事ではスピーチライター・千葉佳織氏が各候補の所見発表演説会でのスピーチを徹底分析。
選挙に立候補される方から学生まで、人前に立って話すことのある方なら誰でもすぐに真似できる「演説のコツ」をお伝えします。
所見発表演説会の特徴は全員が同じ場所で20分間の時間制限の中スピーチを行うこと。
与えられた20分間で、各候補はどのような内容をどのような話し方で聴衆に伝えたのでしょうか。
千葉佳織氏作成の演説分析シートとともに見ていきましょう。
演説の面白さを伝えたくて、#自民党総裁選2021 所見発表演説をスピーチライターの視点で分析しました。
— 千葉 佳織 / kaeka GOOD SPEAK (@kaolly13) September 23, 2021
数字の使用傾向、価値観の提示回数、ファクトストーリーの割合は演説の強みを客観視することができる指標です。
演説はその人そのものを映し出す、大切なコミュニケーションの手段だと考えます。 pic.twitter.com/QbnhPemtGZ
河野氏の演説内容で取り扱われていた「数字」には過去の実績に関するものが多く取り上げられていました。
また、政策については数々の内容を並列で取り扱っていました。
このような工夫で河野氏は実行力がある・色々なことをしてくれるという印象を与えることができます。
接続詞「しかし」が8回と頻出し、強い印象・覇気のある印象を内容からも感じさせられる構成でした。
河野氏は原稿に目を落とさず、ずっと前を向いて話していました。
ジェスチャーは多用しており、情熱的、行動力があるという印象を与えることができます。
また、「あー、えー」等で間をつなぐこともなく、原稿を見ないという点からも緊張感を感じさせられました。
岸田氏の演説では、何を考えてきたのか等の「ストーリー(画像左下のファクト:ストーリーを参照)」の割合が多い点が特徴的です。
自身の至らなさについても触れる等、寄り添う力を感じさせ、共感性を呼ぶ演説でした。
また「1つ目は○○、2つ目は○○」というようなナンバリング効果を多用し、わかりやすい構造の演説内容となっていました。
河野氏と対照的に、岸田氏はジェスチャーを使っていませんでした。
また、原稿は暗記せず確認しながら正確に伝えることを重視していたように見受けられます。
これらの話し方からは、カチッとした丁寧な印象を与えられます。
ただし、どうしても原稿を確認するときに下を向くと上下の動きが出てきてしまうので、重要なキーワードや語尾では前を向くことがおすすめのようです。
高市氏の演説内容は前向きであたたかい印象でした。
河野氏と対照的に接続詞「しかし」の数が少ないこと、菅総理への感謝パートが長かったことが影響しているようです。
一方で、政策は客観的な事実に基づくもので、高市氏自身のストーリー要素は割合が低くなっています。
所見発表演説会が行われた9月17日しか話せないリアルタイム性のある内容も印象的でした。
最初と最後に笑顔を見せることで、全体の雰囲気が明るい印象でした。
マイクをかまえる姿勢も良く、物腰が柔らかい印象がありました。
反対に、危機感を聴衆に与えたいときは声のトーンを調節してみるのもひとつの手です。
野田氏は他の3候補とは異なる内容の独自路線の内容を話していました。
4番目の大トリという順番を利用して期待感を高める効果が出ていたのではないでしょうか。
他にも、1文にできる文章をあえて2文にして強調する等、聴衆の期待値につながる内容となっていました。
4候補の中で最初にお辞儀をしたのは野田氏だけでした。お辞儀の数秒間も聴衆の期待値につながります。
「最初にどう振る舞うか」は聴衆の印象付けに有効なようです。
ジェスチャーなしでカチッとした印象を与え、わかりやすく堂々と話していました。
強調したいキーワードがあるときは片手や両手のジェスチャーを使ってみても良いかもしれません。
以上、自民党総裁選の各候補の演説を読み解いていきました。
「内容」と「話し方」に分けて振り返ってみましょう。
【内容について】
【話し方について】
動画のアーカイブは以下から視聴できます。
千葉佳織氏がアシスタントを務める選挙ドットコムちゃんねるもぜひあわせてご覧ください!
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