『ザ選挙』編集部では、【選管アワード 5月度 月間最優秀賞】を受賞した福生市選挙管理委員会事務局(以下、選管)に表彰状の授与を兼ねてお話を伺うため、6月12日、福生市役所を訪れた。
福生駅から徒歩5分、市役所内のガラス張りの開放的な空間に事務局は位置していた。突然の訪問にも関わらず、選管のみなさんは私たちをあたたかく迎えてくださった。
5月中に実施された数ある選挙の中で、インターネット上にてもっとも見やすくわかりやすい情報公開がなされていた福生市。選管の方々はどのような視点でインターネットでの情報公開を捉えているのだろうか。

事務局長の森田さんは「(立候補者説明会の日程や告示日・投開票日など)スケジュール的なものは、選管があれば告示をするのは当然なこと」だと話す。
「告知になるものに関しては、とにかくホームページ上に掲載をする」という方針のもと、なかでも「見やすさという点では、時系列で並べることを意識している」という。選挙に関連するデータがあちこちに入り混じり、閲覧者を困惑させる自治体も少なくない中、有権者の視線に立った心がけだ。
他にも、実際に選管として仕事をするうちに発見したこともあったという。「私たちが準備をしている段階でわりと電話が掛かってくるのは、市民よりもマスコミなんですよ」。森田さんの話によると、取材のタイミングを待つマスコミから、いつ頃になったら投票が終わるのかという問い合わせが多いという。「そういうのは現場の人間じゃないとわかりませんからね。そういう質問がマスコミから来ますと、じゃあその都度、情報を載っけたほうがいいかなぁとか」。柔軟な姿勢があってこそ、誰にとっても見やすくわかりやすいページは作られるのだ。

昨年リニューアルを行ったという福生市のホームページは、統一感のあるレイアウトが印象的だ(福生市HP)。
部署によって差が出ることを避けるため、レイアウト自体は全庁的に揃えているが、ページ内容の編集は各担当部署が行っている。『選挙』のページは、選管の担当だ。
「ホームページを作る画面は共通のものがありまして、ある程度これは大見出しにするとか小見出しにするとか約束が決まっているので、それを参考に。タイトルを付けて、本文を考えて打って、データや表を貼り付けて、それを編集という形にして、アップは担当の部署でやってもらいます」。そう話すのは大村さん。
また、昨年のリニューアルに伴い、福生市のサイトトップに大きなサイズのバナーが1ヶ所表示されるようになった。「その期間内で一番重要なものを表示させる」というこの枠に、福生市長選の選挙期間中は大きなバナーを貼って、『選挙』のページにリンクさせた。

【選管アワード 5月度 月間最優秀賞】を受賞するほど充実していた福生市選管にも、情報掲載に関しての反省点はあるという。
森田さんは「今回の選挙が終わってから、私たちも載せればよかったかなと思ったのは、各候補者の選挙事務所の場所ですね。先日選挙のあった港区をたまたま見ていたら、選挙事務所の住所や電話番号もPDFに載せていました。今って本当にホームページで全国のものが見られるので、便利ですよね。ああ、こうやればいいんだって参考にできるので」と話す。
また、同区で実施された記号式投票についても「記号式投票というのは画期的な投票なんですが、これは一種の冒険ですよね。コスト面だとか、時間が早くなるだとか、公平性、選挙人の利便性、いろいろあるとは思いますが、どうしてそれに踏み切ったのか私たちも聞いてみたい。今後、全国的に注目されると思います」と関心を示していた。
近隣自治体だけでなく、地区の異なる自治体に目を配ることができるのも、インターネットならではだ。選管同士、互いに刺激をし合い、よりよい情報発信に繋がる日がくることを願う。

総務省では、すでに「選挙公報のウェブ掲載は違法では無い」という見解を出している。さらに次期総選挙では、すべての選挙区で選挙公報がPDF化され選管ホームページに掲載となる。
「通常は入札で業者さんを決めるのですが、一番安いところが良いかといえば、そうとも言えないと思います。例えば写真が不鮮明なものになることによって『もっと鮮明な写真を渡したはずだ』というクレームが発生することも考えられます。通常の印刷の公報に関しては十分技術はあっても、PDF化に関しては、業者さんもソフトや技術を使いこなしていない部分があるのかな、ということがわかりました」と森田さんは言う。
確かに、PDFファイルの完成度によって、有権者が受けるイメージも異なるかもしれない。今後起こるであろうトラブルに対し、選管の間での情報共有が必要かもしれない。
今回お話を伺って、福生市選管は、有権者(市民)やマスコミなどさまざまな人の立場に立って情報公開をしている印象を強く受けました。情報の「送り手」としてだけでなく、「受け手」側の視線に立つことにより、このように見やすくわかりやすい『選挙』のページは作られるのだと感じました。こ れからも、各種方面の人たちにとって、心強い選管であっていただきたいと思います。
『ザ選挙』編集部 伏見瞳
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