熊本県の人口と同じくらいの票が消えているって知ってた?無効票の話【衆院選2026】(原口和徳)

2026/02/10

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衆議院選挙

原口和徳

衆議院議員総選挙(以下、衆院選)は2月8日に投開票日を迎えました。解散から投票までの期間が戦後最短であることや、寒さや悪天候の予報が出ている地域があることなど、有権者にとって厳しい選挙になりました。そのような中だからこそ、選挙の際の「投票に行こう」という呼びかけも様々な形、内容で行われるようになってきています。

なかには、「投票したい人がいなければ、無効票(白紙)だけでも投票するべき」といった意見を目にすることもありますが、無効票って実際どれくらいあるのでしょうか。

2024年衆院選の無効票は167万票。福岡市に暮らす人と同じくらいの規模

2024年衆院選において、小選挙区で投じられた無効票の数は167.2万票、比例代表では137.9万票でした。(出所:総務省「令和6年10月27日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果」) 

小選挙区における無効投票の規模は、都道府県では三重県(169.4万人)、熊本県(168.3万人)、政令市では福岡市(167.1万人)と同程度となっています。(各自治体の人口は、2025年10月1日時点のもの)

無効票の割合は前回衆院選で増加

図表1では、投票総数に対する無効票の割合の推移をまとめています。

図表1_衆議院議員総選挙における無効投票の推移(筆者作成)

小選挙区の無効票の割合は、第46回衆院選(2012年)で最も高い3.31%を記録してから減少してきていましたが、前回衆院選では2.99%とその割合が上昇しています。また比例代表では、最近は2%台前半と無効投票の割合は落ち着いています。

なお、無効投票が生まれるときの理由は様々です。例えば、第49回衆院選(2021年)での無効となった要因は、白紙投票(小選挙区59.1%、比例代表61.1%)、単に雑事を記載したもの(小選挙区24.0%、比例代表22.8%)でした。

無効票は国政政党並みの規模

比例代表における政党別の得票数と無効票数を比較してみると、無効票は8番目に得票の多かった参政党(187.0万票)と9番目の日本保守党(114.6万票)の間に位置しています。

小選挙区の場合は、政党がどれだけの選挙区に候補者を出したのかといったことの影響を受けるため比較が難しいのですが、参考までに比較してみると5番目に得票数の多かった国民民主党(235.0万票)と6番目の参政党(135.7万票)の間に位置することになります。

無効票に期待される効果

無効票を投じることの意味については様々な意見があります。しかし、無効票は選挙の結果には影響を与えることはできません。無効票を投じるために投票所に行き、投票するだけでも尊いことですが、せっかく投票所に行くのですから、もう一歩踏み込んだ対応も考えてみませんか。

「戦略投票」と呼ばれる行動では、各候補者の当選する可能性を考慮に入れて投票先を決めていきます。仮に自身にとって最も好ましい候補者に当選できる可能性がなかったとしても、2番目に好ましいと思う候補者ならば当選できる可能性がある場合などに、次善の候補者に投票するものです。

また、衆院選は、小選挙区比例代表並立制ですので、小選挙区では戦略投票を行い、比例代表では自身が最も好ましいと思った政党に票を投じるといった形で、自身の意思を示すこともできます。この場合は、開票結果から戦略投票が行われた可能性を推し量ることが可能です。このことは、政治家に「必ずしも自分が最も支持されている候補者ではなかったのかもしれない。(次は、選ばれなくなるかもしれない)」とプレッシャーを与えることも期待されます。

「よりましな候補者を選ぶ」ということ

選挙で問われる論点が多岐にわたることからもわかるように、主義主張が自身と一致し、期待される行動力も自身の期待値を上回るような政治家に自身の選挙区で出会い、投票できることはほぼありません。

ある意味、投票することは誰にとっても「よりましな(より悪くない)」者を選ぶ行為でもあります。

投票マッチングなどのあなたの意見と政党の政策の一致度を判定してくれるサービスも、あなたの選択を手助けしてくれるはずです。これらのサービスは、運営主体によって設定している設問も異なり、それぞれの違い感じるのも案外楽しいものですよ。

もし、自分の思いを反映してくれる人がいないから無効票を投じようかな(場合によっては投票自体を棄権しようかな)という人がいたとしたら、あなたもほかの人と同じように「よりましな人」を探してみませんか。


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原口和徳

けんみん会議/埼玉ローカル・マニフェスト推進ネットワーク 1982年埼玉県熊谷市出身。中央大学大学院公共政策研究科修了。早稲田大学マニフェスト研究所 議会改革調査部会スタッフとして、全国の議会改革の動向調査などを経験したのち、現所属にて市民の立場からのマニフェストの活用、主権者教育などの活動を行っている。

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