関西大学教育学部を卒業後、地元密着型の学習塾で教鞭をとったのち、大阪府議会議員秘書になられたくぼた亮氏。くぼた氏が政治の道に入られた経緯は、学生時代に「学生・大阪維新の会」に出会ったことでした。
また「大阪市の教育」に課題を感じてこられたそうです。そんなくぼた氏に、政治家を目指したきっかけと今後のビジョンについて伺いました。
選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
政治家を目指されたきっかけについて教えてください。
くぼた亮氏(以下、くぼた氏):
政治家の橋下徹氏の影響がありました。政治に興味を持たせてくれたからです。それまで私は「政治家は誰がなっても同じ」と思っていましたが、大学生だった2010年に学生・大阪維新の会に入り「今までの政治とは違う」と感じました。
実は20歳の時、初めての投票権で投票したのが民主党政権でした。政権交代を目指して勢いがありましたが、結果は期待通りにはいかずでした。特に大阪では、改革どころか利権やら汚職にもまみれた話題ばかりでしたから。違和感がありました。
交通整備員の高額給与問題などについて、橋下徹氏も暴露されていましたね。その一方で大阪維新の会は、しっかりと政治に向き合っていたんです。
学生・大阪維新の会の活動としては、チラシをポスティングしたり、街頭演説のサポートをしたりしました。
演説会のサポートで、学生の私たちが設営などで奔走していたのですが、橋下さんが控え室に来てくださって、「学生のみんな!お疲れさん」と声をかけてくださったのが印象的でした。
編集部:
大学を卒業後、地元の学習塾で講師をされて大阪府議会議員秘書になられたのですね。政治家になろうとしたのはなぜでしょうか?
くぼた氏:
秘書として8年間活動してきたなかで「地元に根差して、立ち上がりたい」と思うようになりました。私は今34歳でして、生まれも育ちも住吉区で地元への愛着が強い人間です。2025年の大阪・関西万博を前にうちの地域を発展させたいと思いました。
住吉区には初詣で有名な住吉大社や、セレッソ大阪がホームグラウンドに指定したスタジアムを含む、広大な長居公園があります。「観光促進になり得るものに少しでも力になりたい」「地域活性化に尽力したい」という気持ちが、強くなっていきました。
編集部:
政治家として実現したい政策を教えてください。
くぼた氏:
まず、大阪市の教育環境を変えたいと思っています。私はもともと学習塾や学校で中学高校の国語科を専門に教えてきました。私の土壌にあるのは教育です。臨時講師をしたこともありました。
残念ながら、大阪市は他地域と比べて学力テストの結果が低いです。その理由について考えたとき、大阪市は教育に割り当てる予算が不足していることと、教育の現場にいる教員への負荷が大きいということに気づきました。
課題があるなら、行政と教育委員会に働きかけなければなりません。次第に大阪市のいじめ問題に取り組んだり、教科書選定の勉強会に行ったりしましたが、変えていきたいと思うようになりました。
幸い大阪市では風通しがよくなり、学校の放課後の部活動は業務委託で民間のコーチが導入されています。そこで政治家として、放課後の学習支援を更に強化していきたいと思っています。まずは学校でのICT教育なども含めて取り組んでいきたいです。
ただし教育委員会は、組織が大きすぎることから、課題解決に時間がかかることが少なくありません。全ての区の対応を大阪市教育委員会がこなすのは物理的に不可能です。
そのあたりに切り込みながら、私が教育の根幹部分で目指したいことは、教員の負荷を減らしながら教える方も学ぶ方も笑顔になれる環境づくりです。
昨今少子化で生徒数が減っていますが、教員の負荷が減ることはないので、きめの細かい教育が求められていると思っています。
編集部:
他の政策についても教えてください。
くぼた氏:
先ほど少し話しましたが、住吉区の観光促進です。具体的には、長居公園でのイベントの活性化です。若い人を中心としたイベントを展開していけるように尽くしていきます。
グルメやアートなどの常設イベントのほか、若い人が好きな音楽アーティストによる「音楽フェスティバル」の定期開催などです。また、公園をグルメや芸能を楽しめるナイトツーリズムの場にできればとも思っています。
編集部:
それは経済効果もあがりそうですね。他の政策はいかがですか?
くぼた氏:
防災に強い住吉区にすることです。住吉区には災害時に基幹病院として機能する急性期総合医療センターがあります。そのサポートを強化しつつ、地域に密着した防災に携わっていきたいと思っています。
私は、大阪市の青少年指導員を6年間させていただいています。地域と連携して小中学生の見守り隊や夜間の見回りなどを行ってきました。
そのなかで、防災の取り組みについてもかねがね課題になっています。住吉区には大和川がありますが「氾濫が起きたらどの地域が浸水するか」「どのように対応すればよいのか」といった問題です。
河川沿いには地域の連合町会の役員の方たちもいますので、青少年指導員も協力して避難所の立ち上げなどについて話しています。
編集部:
青少年指導員には、どのようなきっかけでなられたのですか?
くぼた氏:
地元が同じ連合町会である、大阪市議会議員の上田智隆議員にお声がけいただきました。「若手の指導員になってくれる方を探しているから、ぜひ力になってあげてほしい」と。
私は地域のお役に立ちたいと思っていましたし、「地域で何か取り組むようなことがあったら、いつも呼んでください」とお伝えしていました。餅つき大会や避難訓練など地域の行事も、一緒に活動をさせていただいています。
編集部:
先ほど教育委員会が「課題解決に時間がかかる」とおっしゃっていましたが、政治に取り組むうえで心がけていることは何ですか?
くぼた氏:
不可能に思えることでも挑戦することです。実は中学校2年生のときに、学年代表として修学旅行を企画立案する試みに挑んだことがありました。
母校ではそれまで何年もの間、富士山のふもとの糸魚川でカヤックに乗るなどの自然体験が中心の修学旅行でしたが、私の代では関東エリアの研究を兼ねた旅行に変えました。東京ディズニーランドや横浜ベイエリアを見学して、街づくりについて学ぶ機会にしたんです。
周りから「遊びたいだけではないか」という反発もありましたが、心配する保護者の方々に対しては、研修としての修学旅行の意義を説明しました。
もちろん、学校の先生方が生徒の自主性に委ねてくださったお陰ですが、通らなそうな政策でも実現できるという経験になりましたね。よい勉強をさせてもらいました。
編集部:
趣味や大事にしていることについて教えてください。
くぼた氏:
趣味はクラシックギターです。中学校ではバスケットボール部でしたが、高校ではクラシックギター部に所属して部長をしていました。今でも同窓生や卒業生とのコミュニティを大切にしています。
ヨーロッパに演奏旅行に行かせてもらったときは、団長としてまとめてきました。それにもともと部員3人から、盛り上げていきながら200人くらいまで成長できたコミュニティです。
だからより人と人とのつながりを大事にしたいですね。
コロナ禍で4~5年の間交流が減っていますが、またメンバーで演奏会を企画したり、交流会を実施したりして現役生にも喜ばれる場にしたいと思っています。
編集部:
政治活動を通して、広く変えたいことを教えてください。
くぼた氏:
若い人に政治に興味を持ってもらって投票率をあげたいです。修学旅行での経験もありますが「不可能そうなことでも変わるんだ」と思ってもらえるように、先ほど申し上げた3つの政策を実現していきます。
そして、私がかつて学生・大阪維新の会に出会ったとき「今までの政治とは違う」と思ったように、若い人に「何かが変わるかもしれない」と期待してもらえると嬉しいです。期待に応えられるように、地元に根差した活動を強化していきたいと思っています!
【くぼた亮氏のプロフィールページはこちら】
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