9月中に行われ、有効回答数や回答を公開している報道機関9社、および選挙ドットコムの世論調査の結果をまとめ、比較しました。なお、各社の調査日や手法は異なるため、あくまでも参考値としてご覧ください。
国葬を間近に控えた中で行われた9月の調査では、岸田内閣の支持率は前月に引き続き低下が目立つ形となりました。全体としては約47.3%から、39.1%に低下しています。8月に続いて、内閣が発足した昨年9月以来、最低水準を更新する形となりました。
個別の調査においても、そのすべてで8月の調査から支持率は低下しています。もっとも低下したのは日本経済新聞・テレビ東京の調査で、8月10-11日の調査より14.0ポイント低下の43.0%になりました。もっとも低下の幅が小さかったのは読売新聞・日本テレビの調査で、8月10-11日の調査から1.0ポイント低下の50.0%となりました。
内閣不支持率は対照的に、8月の調査から上昇が目立つ形となりました。全体としては約35.0%から45.7%に上昇しています。8月に続き、内閣発足以来最高水準を更新するとともに、はじめて内閣不支持率が内閣支持率を上回ることになりました。
個別の調査では、もっとも数値が上昇したのは共同通信の調査で、8月10-11日の調査より18.3ポイント上昇の46.5%になりました。もっとも上昇の幅が小さかったのは選挙ドットコムの調査ですが、それでも8月13-14日の調査より6.9%上昇の41.7%になっています。
政党支持率では、自民党の支持率は8月よりも微減という結果になりました。全体としては約35.2%から、33.4%になりました。
全体の統計としては、4ヶ月連続の減少となっており、5月の約40.2%から、合計で6.8ポイントほど低下しています。
個別の調査では、8月の調査からもっとも上昇したのは読売新聞・日本テレビの調査で、5.0ポイント上昇の40.0%になりました。反対に、もっとも支持率が低下したのは日本経済新聞・テレビ東京の調査で、9.0ポイント低下の37.0%になっています。
野党第一党の立憲民主党は、その支持率は8月からほぼ変わらない結果となっています。全体としては約7.7%から、7.6%になりました。
個別の調査では、8月の調査からもっとも支持率が上昇したのはANN(テレビ朝日)の調査で、8月20-21日の調査より2.0ポイント上昇の10.3%になりました。反対に、もっとも支持率が低下したのは読売新聞・テレビ東京の調査で、前回より1.0ポイント低下の5.0%になっています。
安倍晋三元首相の国葬においては、フランスのサルコジ元大統領やインドのモディ首相などが参列し、一般献花は25000人強を数える一方で、G7の首脳は誰も参列せず、当日も日本武道館の周辺をはじめ、各地で反対デモが繰り広げられる状態となりました。9月の世論調査でも、国葬の是非を問う質問ではすべての調査で否定的な回答が上回り(たとえば、もっとも内閣支持率が高かった読売新聞・日本テレビの調査では国葬の実施を「評価する」が38.0%、「評価しない」が56.0%、もっとも内閣支持率が低かった毎日新聞・社会調査研究センターでは国葬に「賛成」が27.0%、「反対」が62.0%になっています)、支持率の急速な低下も含め、国葬は政権にとって「理想的な帰結」とは少し言い難い形となりました。10月には挽回する動きが内閣から出てくるか。引き続き注目です。
<参考>
JNN(TBSテレビ) 世論調査(9月3~4日実施、回答数1218)
読売新聞・日本テレビ 世論調査(9月2~4日実施、回答数1075)
朝日新聞 世論調査(9月10~11日実施、回答数1462)
NHK 世論調査(9月9~11日実施、回答数1255)
時事通信 世論調査(9月9~12日実施、回答数1238)
毎日新聞・社会調査研究センター 世論調査(9月17~18日実施、回答数1064)
共同通信 世論調査(9月17~18日実施、回答数1049)
ANN(テレビ朝日) 世論調査(9月17~18日実施、回答数1013)
選挙ドットコム 世論調査(9月17~18日実施、回答数997)
日本経済新聞・テレビ東京 世論調査(9月16~18日実施、回答数957)
(データ分析・執筆:若林良)
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