今日は大晦日。大掃除や忘年会、年賀状の準備など、お忙しい人も多いのではないでしょうか?
中でも手書きの年賀状は大変でしょう。普段はLINEなどのSNSやメールでのやり取りが多い時代ですから、たまには手書きで貰えると嬉しいものです。
年賀状は、知り合いが多い人とともなると、1人で数百枚も準備する方もいらっしゃるそうです。そうであれば、政治家はどれだけ大変なのだろうかか… と思っていたところ、なんと政治家は年賀状を送ることが禁止されています。公職選挙法では「あいさつ状の禁止」が規定されており、年賀状、寒中見舞状、暑中・残暑見舞状を送ることができません。今回は年賀状以外にも政治家が禁止されていることをご紹介します。
政治家(立候補予定者や現職の政治家など)やその後援団体などは、該当する選挙区内のあらゆる者に対して(一部の対象を除く)寄附行為を行うことが原則的に禁止されています。冠婚葬祭で現金や贈答品を渡すこと、お中元やお歳暮を贈ることなども禁止されています。逆に有権者が政治家に寄附を行うことも政治資金規正法により制限されています。つまり金銭や物品の提供による「見返り」を求めていると見なされる行為は、取締の対象となるといえるでしょう。
【公職選挙法第199条の2】
公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。ただし、政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会(参加者に対して饗きよう応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)が行われるようなもの、当該選挙区外において行われるもの及び第百九十九条の五第四項各号の区分による当該選挙ごとに当該各号に定める期間内に行われるものを除く。以下この条において同じ。)に関し必要やむを得ない実費の補償(食事についての実費の補償を除く。以下この条において同じ。)としてする場合は、この限りでない。
政治家の寄附行為は上記のように禁止されていますが、具体的にはどんなことが禁止されているのでしょうか。
年末年始にはクリスマスカードやクリスマスプレゼント、年賀状を送り合う方も多いかもしれませんが、政治家はそれらを送ることはできません。公職選挙法では「あいさつ状の禁止」が規定されており、年賀状などのほかにも、寒中見舞状や暑中・残暑見舞状といった時候の挨拶も送ることはできません。
他に例を挙げてみると、代表的なものとしては、
・バレンタインデーにチョコをもらった際のお返しをする
・夏祭りのイベントでご馳走されたからお返しをする
・駅前の募金活動で募金
・自身の選挙区に「ふるさと納税」
・暑中見舞状
・赤い羽根等の募金活動への募金
といった行為も禁止されています。
年賀状1枚やチョコ1つで投票先変えないような気もしますが……公職選挙法って厳しいです。さらに、こんな驚きのことも。
「議員が不祥事を起こしてしまい、給料を辞退し返還する場合も寄付扱い」になってしまうため、給料を辞退することができない場合があります。
良かれと思って行った行動が実は法律違反になってしまう事が多々あるようです。自分の周りに政治家がいる場合は「なんであの人、年賀状もよこさないんだよ」と思ったとしても、実は「できない」という事情があります。
政治家は決められたルールの中で最大限の活動を行っており、ある政治家はお中元などの贈り物は一切受け取らずに送り返しているという話しもあります。それも無礼だからではなく、ルール上お返しができない為、もらうことを辞退しているのです。
政治家にとって重要な公職選挙法、有権者も少しだけ知っておくとより政治家の動きがわかるようになるかもしれません。
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