衆院選10代有権者の投票率は1.5%の増加。若者の投票を増やすために求められること(原口和徳)
2021/11/13
2018年5月に成立した「候補者男女均等法」では、女性候補の割合を50%にするよう政党に努力義務を求めている。女性議員の増加は、政治や社会にどんな変化をもたらすのだろうか。
今回はさいたま市議会議員の久保美樹さん。日本共産党所属の2期目。明るく朗らかなご性格で地域での人気は上々。同選挙区内の男性議員を冷や冷やさせている存在。特別支援学校設立へという気持ちの入った質問を続けている。
-なぜ、共産党からご出馬を?
私には重度の知的障害と自閉症の息子がいまして、その子が浦和特別支援学校に通っていたんですね。その前には、保育園に通っていたんですけど、その時から人を避ける、親である私のことも避けるような行動があって。泣いてその場から逃げちゃったり。
でも、浦和特別支援学校の先生方がすごく優しくて温かくて「いいんだよー、大丈夫だよー」って。私にも「お母さん、大丈夫ですよ。私たちがもっと魅力的な授業をしますからね」って励ましてくださったんです。そういう校風だったから、息子は人が大好きになって、人と手をつなぐこともできるようになったんです。
そういうことがあって、息子が中学生になったときに、私が浦和特別支援学校のPTA会長をお引き受けしたんですね。
そしたら、もともと100人規模の学校だったのが、どんどん児童生徒が増えて、とうとう200人までになってしまったの。そしたら、子どもたちが大好きだった畳の教室も転用されて無くなってしまったり、雨の日の体育は廊下でやるなんてことになって・・・。
PTAが会議をする部屋も取れないから、外部の会議室を借りなくちゃいけなくて。これは子どもたちの環境としてひどいねって。それで、親たちで新しい特別支援学校を作ろうって運動を始めることになったのね。そのときに「お母さん、この集会でお話してくれないかしら」とかお声がかかるようになって、行ってみたら、なんか共産党の方の参加者が多いなーとか、発言したことが赤旗っていう新聞に取り上げてもらってるなーってことが多くなってきて、信頼できる共産党員の方に出会ったの。
それで、息子が卒業して自分が動ける時間が作れるようになったら、みんなに温かい社会を作るために、私も共産党に入って、活動しよう、それが私の使命だわ、って思ったのね。
-その時は、市議会議員になりたいということではなく、共産党の一党員として活動しようっていう気持ちだったのですか?
うーん、それはとってもリンクしている話なのね。
教室不足の問題で、市にも県にも要望を出していたのだけど、特別支援学校の設置義務は都道府県にあるから、県議会でこの問題を取り上げてもらおうということで県議会議員にお願いして、その議会をみんなで傍聴に行ったのね。
その県議会でのやり取りを聞いているうちに、人に託しちゃだめだと、もっともっと熱く伝えたい、という気持ちが湧いてきて。周りの方からも、久保さんが言った方がいい、って言ってくれて。そうよね、私が言わなきゃ、あの場で私が言いたい!議員活動とかよくわからないけど、とにかく、議場で特別支援学校のことを取り上げたいんだ、って。さいたま市は政令市だから、特別支援学校もさいたま市に作って欲しい、って声が多くて。
よしっ!さいたま市議会議員になるぞーって。でも、お金も無いし、ノウハウも無いから、誰か声をかけてくれないかしら、無所属で出るしかないのかしらね、って仲良しのお母さんたちと話してたのね。
そんなときに、たまたま、赤旗の購読を通じて知り合った地域の共産党員の方が、桜区には共産党の市議会議員がいないから、久保さんどう?久保さんに出て欲しいんだって声が多いんだよ。って言ってくれて。地区の副委員長からも声をかけてもらって。よしっ!これはチャンスだ!と。それも入党のきっかけです。それが選挙の2年前のことなので、私の中では入党イコール、候補者でしたね。
-民主党も候補者公募は広くやってたんですけど(笑)
そうだったんですね。知らなかったー。
きっかけが違ったら、どうなっていたか分からないわね(笑)
-共産党の組織とか活動って、外からだとなかなか分からなくて、ちょっと怖いというイメージだったりするのですが、実際のとこ、どうです?
すごく自由なの。ひとり一人が大切にされる、自由の尊重っていうことなのね。かけがえのない人生をそのひとらしくってことでもあるし。
イメージとしてはすごくガチガチなんじゃないか、って私も思っていて、私自身ずっと集団っていうものが苦手で、幼稚園も中退しちゃうくらいだったから、共産党に入党するときに一番心配だったのは、組織になじめるかしらって。でも、党員の方にも、柔らかい考え方の人も、もちろんかっちりした人もいて様々で、私自身の活動も束縛されることはないわね。
それもあって、共産党所属議員として続けてこられたのかな、って思う。
党活動に対しても、自分で思いを固めてしていくものであるということで、強制的なことはありません。政策に関しても自分が取り組みたいことは、党の路線と大きく違わない限り自由に取り組めるし。
-共産党って、自治体議会にも、衆議院にも、参議院にも議員がいらっしゃるのに、時々、自治体議会で国政課題を取り上げるじゃないですか。「国でやれ!」みたいなヤジが飛んだりするときもあって。どういう思いで質問なさっているのですか?
それはやっぱり、地方から政治を変えるって思い。国が何か変なことをしても、自治体からそれはおかしいという声を上げて、ちょっと待ってって、下から政治を変えていく。国政の課題かもしれないけれど、市長どう思うんだと聞いて、市長から市民のためを思うとそうですね、って答えて欲しいんですよね。
-国にも直接、請願が出せますし、私は本会議における首長って政治家というよりは行政の長としての立ち位置が強いので、なかなか共産党の思いに答える答弁って出ませんよね
出ませんねぇ。でも、そうなんだろうけど、安保法制の件だって、やっぱり政治家としての発言、態度表明をして欲しい、国民イコール市民ですから。
-なるほど。私、てっきり共産党の全国的なキャンペーンの一環として取り上げているのかと思っていました。
そういうのは無いです。全国から情報は入ってきますけどね。
会派の団会議で議論して、各々の議員が今取り上げるべきだという課題だということについて質問にしていますね。上から、こういうことを取り上げなさい、というのはないですね。
-今日は私の共産党さんへの偏見というか、思い込みが解けました(笑)
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-他の国政政党に比べて女性議員が多い印象ですが、党内でも女性の発言力が強いですか?
男女は全く平等。男は男らしく、女は女らしくっていうのも全く無いし。女性としては活動しやすいかな。
-党内で女性の連携ってあります?女性委員会とか。
えっ。無いです。少なくとも共産党議員のなかでの女性委員会的なものってないですし、女性で集まるからと声がかかることもありません。
-無いんですか!よく党内に女性委員会があって、研修があったり、女性の立候補支援として、公認料を増額したりとかすると思うのですけど・・・。
無いです!平等(笑)
-うーん、びっくりです(笑)
-そしたら、選挙のサポートは党の方々が?
そうですね。党の後援会。
-個人の後援会というのは持たない?
うん、そう。あくまでも、さいたま市日本共産党後援会、桜区日本共産党後援会ですね。久保美樹後援会は存在しないし、ダメだと思うの。
-久保さんの活動を拝見していると、共産党員以外の支援者もいらっしゃると思うのですが?
私の選挙のときは、街頭演説の機会には自由にボランティアも募るので、保護猫シェルター活動でご一緒している主婦の方に応援演説をしていただいたりとかはあるし、選挙対策の会議にも混じることもあるかしらね。党の後援会には党員以外の人も入れるから、美樹ちゃん応援しているよって方も入れる。それ以外に(党員で構成された)区委員会っていうのがあって、桜区委員会の私は委員長。加えて、栄和支部、大久保支部って地域ごとにあって、そこには支部長がいるのよ。
-はー。かなり細かく組織化されていますねー。
地区委員会では住民福祉の向上のための情報交換とか、支部のサポートとか、講演会を企画したりしていますね。
-どこの公党も支持者の高齢化って課題だと思いますが、最近、若い人たちの間に共産党へのシンパシーって広がっているようにも見えるんですけど、どうです?
さいたま市全体としては、うれしい反応もあるかな。高校生とか。
今回お話を伺ったさいたま市議会議員の久保美樹さん
-今、もっとも力を入れている政策課題ってなんですか?
そうね。やっぱり今は動物愛護。法改正の年なので、先日も国会へ行って来ました。さいたま市でも猫を虐待して、それを撮影して生き物苦手版というサイトに投稿するといった残虐な事件があって、動物虐待の厳罰化は国に求めて行きたいと思っている。殺処分を無くしていくために、さいたま市でどういうことができるかも模索しています。
障害者の親という立場から、障害者福祉、高齢者福祉も大事なテーマ。児童虐待と児童養護施設の問題もね。特に児童養護施設でボランティアもしているので、職員の増員の必要性も実感しています。
当事者からのご相談を受けたこともありますが、やはり性犯罪被害者支援の体制づくり、DV防止の取組みも以前から取組んでいる政策課題ですね。
-うーん、日頃から結構、重たいご相談なんかも多そうですよね
DVなんか本当にそう。怖い体験もたくさんして・・・。ひとつ解決するごとに、もう引き受けるの止めようか・・・、やめよう、って思いながら。
束縛されていて、自由もなく、ご自分では判断できない状況に陥っていて、でもあるとき「逃げよう」って決心して駆け込んでこられる方には、弁護士にも協力いただきながら、どうやって本人と子どもの安全を確保しようかって思うんだけれども、一方には男性側の言い分があったりもして。複雑な気持ちになることもありますが、寄り添いながら、命に係わる問題なので、安易な判断はできない。
でも、DVは本人が気付いて、別れたい、逃げたい、っていう思いの時には、きちんと分かれるべきだと思っています。
-生活保護のご相談も多いですか?
ひと時よりは減りましたが、多いですね。
-今の生活保護の仕組みって、自立支援の部分が弱いですよね。
入り口のところでのセーフティネットの機能がすごく大切かなって思います。
例えば、引きこもってしまって、働けない、死ぬしかない、って思い詰めていたりする場合には、生活保護でしばらく気持ちも身体も立て直して、あなた自身の力で進んで行って欲しい、っていう関わりができたらと思っていますね。
-制度上、貯金もできないし、生活保護から抜け出すための支援がない。
そうですよねぇ。働いても、認められるのはたった1万5千円ですもんね。
-そう。そしたら、働くより生活保護を受けている方がいいじゃんってなっちゃう。
今の制度だと、働き甲斐がない。収入認定の制度は、働いたらこんなに良いことがあるんだ!という仕組みにしないと、いつまで経っても、抜け出したくても抜け出せない。
-ごめんなさい。お話が少しそれてしまいました。
-さて、猫のお話を(笑)今は何匹飼ってらっしゃるんですか?
今はシェルターに13匹。自宅で飼っているのは7匹。
-わぁ!シェルターはご自宅とは別に?
そう。後援会の事務所がちょうど二分割できたので、片方をシェルターにしています。8畳くらいのところ。
-シェルターの運営も大変でしょう?
私も入れて5人で猫の世話をしていますね。こうやって議会中なんかだと、朝のお世話とかは私はできないのでやってもらったり。ホームページの運営もあるし、里親希望の方の面接は私の役目なので私がやって、猫をお届けしたりとかかしらね。
-ご自宅の猫はどういう経緯で7匹に?
んー、2匹は自分で欲しいと思って。あとはざっくり言えば、シェルターからの引取りが無かった子たちを自宅に受け入れていたんだけど、さすがに7匹が限界(笑)
シェルターでかかる餌代なんかも、私の持ち出しとカンパでまかなっていて。正直、大変ですね(笑)でも、シェルターへの相談は多いです。
開設したばっかりの時は全部引き受けていたのだけれど、今は、地域猫として受け入れられている子はそのまま地域猫でいられたらって思います。
でも、水かけられたり、石投げられたり、虐待に合う子もいるし、ご自宅の庭で餌をやっていたら、隣の家の方から怒られて関係が悪くなっちゃったり、難しいですね。
後は高齢者の方で入院せざるをえなくなって、どうにも預かり手がないとか、そういうのもアパートの大家さんから連絡があって、今、何とか餌だけやっているんだけどなんて言われたら断れないから・・・。
そういう色々なケースがあるけど、基本的には、シェルターでは子猫をお預かりして里親を探しています。
-大変なんだなぁ。議員活動と二足の草鞋ですが、頑張ってくださいね。
-では、最後に、政治を目指す女性へのメッセージを
一度きりの人生だから。やりたいって思ったら絶対にやってください。最近は男性の理解も進んできて、家事に参加してくれる人も多いだろうけど、やっぱり、家事のこととか、子育てのこととか、女性の負担が多いし、これはスポーツ選手とか、芸能活動をしている方にも言えることで働くママみんな同じだとは思うのだけど、やりたいって思ったときに実現することが、お子さんにとっても良い影響を与えると思う。
やってしまったら大丈夫。周りが支えてくれるから!勇気をもって、一歩踏み出して欲しい。議員はやりがいがあって、楽しい。議員冥利に尽きるなぁって。今、女性の視点が大事で求められているから、ぜひ、この政治の世界をもっとカラフルにしてきたいですね。
LGBTの方、ろう者の方、様々な方がいてよりカラフルであることが、全てのひとが幸せ実現につながると思います。
-ほんと、まずは議会の中に多様性が必要ですよね
-ありがとうございます。
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