麻生太郎財務相の発言が報じられています(北海道新聞2016年8月31日夕刊)
「東京都内の会合で「債券、株に投資するのは危ないという思い込みが(国民に)ある。あれは正しい。われわれの同級生で証券会社に勤めているのは、よほどやばいやつだった。」
「証券会社で詐欺かその一歩手前のようなことをやり、『あんなやくざなものは辞めろ』と親に勘当されたやつもいるくらいだ」
本当にその株に投資をすれば儲かるのであれば、富裕層の持つ潤沢な資金が黙っているはずもありません。
庶民の懐に手を突っ込んで有り金を出させて投資に回させるのが証券会社の仕事です。
麻生氏の言うとおりではありませんか。
昨今、金利がほとんどゼロなので、普通預金は論外で定期預金に入れたとしてしても大した金利はつきません。
それを逆手にとって庶民の将来不安につけ込む、これが手口の常套手段です。
数年前になるかもしれませんが、私も自宅にとある都市銀行(銀行も扱っています)から電話があり、定期預金を運用しないかという勧誘がありました。
行員 「今は金利が低いですよね。」
私 「だったら金利を上げてくれればいいですよ。」
行員 「そうですよね。」
私 「でしょ。」
行員 「いや(ちょっと慌て気味)、そうではなくて、もっとお得な運用がありまして。」
私 「定期預金みたいに安定していますか。絶対に安心ですか。」
行員 「大丈夫です。」
私 「そんな断定して大丈夫ですか。消費者契約法に違反しませんか」
行員 「(さらに慌てて)すいません。失礼しました」
と電話は終わりました。
同じ手口で欺される人は少なくないのでしょうね。
安倍政権がリスクの高い株式に年金積立基金の運用を始めると発表したのが2014年10月31日です。
「年金 積極運用に転換 GPIF、株で5割に」(日経新聞2014年11月1日)
「約130兆円の公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日、株式運用の割合を5割に高めることを柱とする新しい資産構成の目安を発表した。年金制度を維持するために積極運用に転じる。」
「新しい運用比率の特徴は、株式と債券を半分ずつにし、国内資産は6割、海外資産は4割にしたことだ。今までは6割を占めていた国内債券の割合は35%まで下げる。」
結局、国債のような「安定」したものでの運用比率を下げ、海外投資というリスクの高いものにシフトしたわけです。
この結果が1年3か月での10兆円の損失です。
「年金積立基金の運用の失敗 累積赤字が拡大していく ギャンブル依存症は安倍自民党だった」

資産価値はそのままにしておけばインフレであれば目減りしていきますが、そういう状況にはありません。
国債はある意味では満期まで保有すれば元本割れはありませんから、そのときの金利によって運用益は左右はされるものの安定はしています。
しかし、「31日記者会見した三谷理事長は「全額国債運用なら、1%金利が上昇すれば、(債券価格が下落するので)10兆円の評価損が出る。国債は安全で、株式は危ないという考えがあるが、そうではない」と説明した。」(前掲日経新聞)だそうです。
いかにも言い訳なのですが、年金の場合には、年金の原資としての利用であって、国債と株式を比較するのはナンセンスです。明らかに「国債は安全で、株式は危ない」のです。
とはいえ国債では、タコが自分の足を食っているようなものですからあまり意味がないといえばありません。
しかし、10兆円の損失を出すよりは明らかにましです。
というより10兆円の損失など、許されることではありません。
もともとは日銀が株価を買い支えるための政策をとりましたが、それだけでは足りず、年金積立基金のカネまで注ぎ込むということから始まったものであり、アベノミクスの破綻を先送りにしようというだけのものでした。
「安倍政権、資金難で年金にまで手を出す愚行 破綻間違いなしのこの政策の責任を取ることはない」
安倍政権は、国民の財産を食い潰そうとしているのです。
年金積立基金は国民の財産です。安倍政権は人様の財産を「運用」によって食い潰そうとしているのです。
安倍自民党は、この10兆円の損失を補填すべきです。責任を取って下さい。
損失を取り戻そうとさらにリスクの高い株式に手を出すなんてギャンブル依存症と同じですからね。
麻生財務相は適確なことを言ったのです。要は、株式で儲かるはずがない、ただそれだけのことですが、安倍政権が株式に手を出していますよ。
麻生さん、止めて上げてください。
そういえばあなたは安倍政権の一員でしたか。国民の財産を食い物にする側だったのですか。一緒に損失補填してくださいね。
※本記事は「弁護士 猪野 亨のブログ」の9月1日の記事の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。
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