選挙ドットコム

政党よりも市民が政治を引っ張る時代。リベラル代表 鳥越俊太郎はこうして生まれた

2016/8/10

選挙ドットコム編集部

選挙ドットコム編集部

7月31日に行われた都知事選では小池百合子氏が当選しました。民進党など野党4党が推薦した鳥越俊太郎氏は3位に終わりましたが、鳥越俊太郎氏を巡ってはこれまでにない面白い動きがありました。今回の記事ではその点について紹介したいと思います。

選IMG_5373

(投票日直前の鳥越俊太郎氏。撮影:兼子草平)

 

 

市民連合が準備した本格的な推薦候補

今回の都知事選をめぐる野党共闘や市民連合の動きは極めて異例なものでした。

①市民連合が鳥越氏擁立を準備した
②野党4党に野党候補として一本化することを認めさせた
③鳥越氏に市民連合の政策をマニフェストとすることを認めさせた

という3点です。

 

 

知事選に国政政党が関わる違和感

知事選や地方選挙では、政党から候補者に対しては、「公認」ではなく一段階控えめな「推薦」が付けられます。「推薦」の場合、政党はそこまで候補者に介入しません。例えば前回立候補した舛添要一氏は、自民党から推薦を得ていますが、その看板政策であるアベノミクスについてはほとんど言及していませんでした。舛添氏と安倍首相の間には政策的にも距離がありました。
舛添前知事と比べても、今回、市民連合や野党共闘が介入していた鳥越氏が異例な存在だったということが分かります。
【関連】野党共闘“解体”で揺れる日本のリベラル。アメリカでも同じことが起きている  >>

 

 

出馬以降急速に政策を充実させた鳥越氏

鳥越氏の政策という点では最も注目されていたのは、立候補当初ほとんど政策を準備していなかったという点です。例えば、出馬会見で鳥越氏は「出馬は昨日決めたばかり」とした上で具体的な政策については発表しませんでした。他にも、東京都の合計特殊出生率を間違えるなどしています。
しかし、鳥越氏はその2週間後にはかなり具体的な政策を用意するに至りました。一体何が起きたのでしょうか?
【関連】野党に失望した、たった1つの理由。それでも期待したい  >>

 

 

鳥越氏の政策を支えた市民連合

この間政策を準備したのがまさに市民連合でした。市民連合は学者も積極的に関わっているというのが特徴で、そのため政策の提案は彼らの知見が反映されているというところに大きな特徴があります。

(市民連合HPより)

(市民連合HPより)

市民連合は7月19日、鳥越氏と面談しています。ここでは、「住んでよし、働いてよし、環境によし の東京」と題した上で、福祉や教育にまつわる政策の提言を行っています。この政策提言と鳥越氏が後に発表したマニフェストがほとんど同じなのです。
つまり、鳥越氏の政策を準備したのは、鳥越氏自身や野党4党ではなく市民連合だということになります。逆に言えば、野党4党はこうした市民連合の動きに追随したということになります。

 

 

 

鳥越氏の演説も市民連合がバックアップ

今回鳥越氏は準備不足だったということもあり、本人の演説会は37回にとどまりました。この数字は小池氏や増田寛也氏に比べると3分の1ほどです。そんな苦しい状況の中、実際に演説を行ったのは、推薦した野党4党の国会議員や市民連合の学者といった「応援弁士」でした。彼らのサポートがなければ鳥越氏はここまで戦えなかったと言ってよいでしょう。
また、実際の応援パンフレット配布に至っては、「勝手連」と呼ばれる市民連合系の市民団体が好む手法を用いて行われました。「勝手連」というのは特定の候補者を勝手に応援するボランティアスタッフのグループのことで、実際の選挙活動においては、彼らが活躍しました。
これらのグループの活躍で、「リベラル候補鳥越俊太郎」のイメージが作られていったと言ってよいでしょう。

 

 

候補者に個性は必要なのか?

一方で、市民連合が用いた今回の手法は一つ大きな問題をはらみます。それは、今回のような手取り足取りの選挙で、候補者の個性は発揮できるのかという点です。例えば、鳥越氏は上記で見たように、市民連合の政策提言をほぼそのままマニフェストとして採用しています。鳥越氏が自分自身で作った政策は、がん検診や島嶼部の税制に関する政策くらいでしょう。そのため、「なぜ鳥越氏なのか」という部分が大きかったように思えます。
政治の壁が高いと言われる中で、一般の有権者がここまで動いたことはやはり注目すべきことだと思います。今後も手探りしつつ、より有権者を巻き込んだ政治が展開されることを願うばかりです。

≫8月22日 蓮舫議員をゲストに迎えて選挙ドットコム主催イベントを開催します!詳細はこちらをご確認ください!

 

この記事をシェアする

選挙ドットコム編集部

選挙ドットコム編集部

2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

選挙ドットコムの最新記事をお届けします

採用情報

記事ランキング

ホーム記事・コラム政党よりも市民が政治を引っ張る時代。リベラル代表 鳥越俊太郎はこうして生まれた

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_whiteicon_homeicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twitter_whiteicon_youtubeicon_postcode