蓮舫氏は戸籍を公開すべきではない 安倍氏らによる戸籍を示せとは、「15円50銭と言ってみろ」と同じ 日本の民主主義の劣化の象徴だ
2016/10/14
※この記事は、筆者の思い込みが強く語られています。あらかじめご了承ください。
東京都知事選挙が7月14日に告示された。
最初から「有力候補者」は、小池百合子、増田寛也、鳥越俊太郎の3名に絞られている。この3人の情報のみがマスコミから流されて、関連ニュースの最後に「都知事選挙には次の方々も立候補しています」と、アリバイ的に一瞬だけ残りの18人の名前のみが表示される。つまり、マスコミによって最初から候補者は3人に決められてしまい、都民は、「この中から選ぶんですよ」と言われているようなものだ。都民も舐められたものである。
マスコミが決めた都知事候補の3人
確かに、最終的には150万票前後での戦いとなることが予想され、このレベルの票を取れるのは、政党関連の組織票とある程度の無党派票が期待できる3人であることは疑う余地はない。
ワイドショー的にも、岩手県に莫大な借金を残し、知事選告示直前まで東京電力の社外取締役を務めていた増田寛也氏と、「政界渡り鳥」との異名を持つ小池百合子氏の戦いは、いろんなバリエーションの報じ方ができて、テレビや週刊誌的にはまことに「美味しい」展開となっているようだ。
この二人の争いは、「利権の道を前に進めるか後退させるか」という内田茂自民党東京都連幹事長率いる利権談合軍団VS自民党除名をも辞さない小池百合子反乱軍との「仁義無き戦い」という極道もビックリの争いとなっており、都民不在と言われようと、政策は誰も気にしていなかろうと、マスコミはそんなこと知ったこっちゃない。
実際、先に行われた参院選にて、「マニフェスト」や「政策」は、すでに「無くても良い」ものになってしまった。選挙に不利な政策は、意図的に隠すことが普通に行われる状況となったためだ。最大の争点となるべきだった憲法改正は、安倍首相自らが「この選挙では問わない」としながら、選挙が終わったら粛々と進めようとしている。
長野県の立候補者となった若林健太氏は、自民党の憲法改正推進本部起草委員であるにもかかわらず、参院選での憲法改正は「争点ではない。興味もない」とテレビのインタビューに答え、地元の務台俊介衆議院議員は、若林氏の政策や実績を有権者に問うべきところ、「落下傘より健太さん」とネガティブキャンペーンに終止していた。結果、若林陣営はネガキャンが祟ったのであろう、安倍首相や小泉進次郎氏の度重なる応援にも応えられず、自民党の重点選挙区に指定されていたにも関わらず、大差で落選となった。もし、若林氏が勝っていたら、それでも「憲法改正は興味ない」と言っていただろうか。長野県においては否定されたが、「政策不在」の選挙は、もはや普通となってしまったわけだ。
野党統一候補の鳥越俊太郎氏も、出馬表明が直前になったとはいえ、告示直後に東京都の問題点も満足に答えられない状況は、情けないとしか言いようが無い。仮にもジャーナリストであれば、都の問題点を問われたときに、5つぐらいは政策とともにスラスラと出てくるべきではないのか。
救われるのは、告示前日に出馬を取りやめた宇都宮けんじ氏の政策を引き継げるということだ。宇都宮氏は弱者に優しい都政を行おうとしており、過去2回の立候補経験を通じて、都政の問題を明らかにし、解決に向けての政策も練ってきた。鳥越氏は宇都宮氏の政策を最大限尊重することで、一夜にして芯のとおった政策を武器とすることができる。これは大きい。
(追記:鳥越氏は宇都宮氏のスローガンは引き継いだものの、築地市場に関する政策など主要政策は独自のものとなったもよう)
しかし、野党が統一出来たからといって、政策論争は期待できない。「劇場型内部抗争ショウ」(与党)VS「国政引きずり安倍批判勢力」(野党)の戦いとなった場合、メディアの軸足が「都政」にあれば、まだ政策論争に入る余地はあるが、今までの都知事選や都議選での反省が無ければ、結局はワイドショー的な切り口と、意味のない「情勢調査」報道によって、また「都民不在」の選挙となってしまうおそれがあるのだ。
マスコミが候補者を絞り、繰り返し報じることにより、残りの候補者は霞んでいく。しかし、「元国会議員」「首長経験者」「現職ジャーナリスト」など、決して泡沫とは呼べない個性的な候補者がズラリと並んでいるのを前にして、都民はもっと選挙を「楽しむ」べきではないだろうか。やっと本題に入るが、ここでは「その他」の個性的な候補者の一部を紹介し、少しでも都知事選挙に関心をもってもらえればと思う。
マック赤坂VS後藤輝樹
まず、目につくのが『キング・オブ・泡沫』と呼べるマック赤坂氏だ。期待にそぐわぬ登場で、早速公開討論会では乱入騒ぎを起こしてくれた。そして、選挙ウォッチャーが期待しているのは、こちらは知る人ぞ知る『泡沫の革命児』後藤輝樹氏。名前は知らなくても、昨年の統一地方選挙で話題になった「全裸ポスター」といえば思い出す人も多いのではないだろうか。公式サイト「後藤輝樹様のオフィシャルサイト」もかなりぶっ飛んだ雰囲気だが、いたってまじめに政策を訴えているのがわかる、Twitterでの発言も真面目に日本を考える若者といった感じで、選挙の収支決算もしっかり出しており、決していい加減な気持ちで臨んでいるわけではないことも伝わってきて好感が持てる。
選挙広報に謳っている政策や主義主張が実際できなくとも、自分と考え方が同じような人や政党に入れるようにしています、例えどれだけ実績が無かったとしても、僕は。十人十色で自分と完璧に一致するなんて事はまず、ありません。それでも自分の代わりを送り込み、自分の意思を反映させるのが選挙です。
— 後藤輝樹 (@gototeruki) 2016年7月7日
実はこの二人の対決は初めてだ。マック赤坂氏が、今まで大きな首長選挙や国政選挙に出てきたのに比べて、後藤氏は都内の区長選挙や区議会議員選挙などに出てきたので、直接顔を合わせることは無かった。個人的には二人が何を都民に訴えて、どれだけの票を獲得できるのか、期待して見ている。
次に取り上げたいのは、本来であれば泡沫扱いではなく、有力候補として取り上げて欲しい上杉隆氏だ。
一般的な知名度は、マスコミが決めた有力候補2人には及ばないが、増田寛也氏よりは高いのではないだろうか。Twitterのフォロワー数は候補者内でダントツの31万7千人強。唯一、テレビのレギュラー「淳と隆の週刊リテラシー」(TOKYO MX)を持ち、メインMCを務めている。
ダークホース?上杉隆氏
マスコミが無視するのは、当選の可能性がほぼ無いということもあるかもしれないが、一番は上杉氏がずっと記者クラブ批判をしてきたからではないか。マスコミからしたら、「宿敵」とも言える上杉氏を取り上げたくないのではないか、とさえ思える。
私が見たところ、まっとうな政策を掲げており、一人の有力候補者として彼を取り上げない理由は無いと思うのだ。しかし参院選の報道を見ていると、マスコミは選挙期間中は安全なところを進んで、終わってから「こんな重要な事があった」「こんな面白いことがあった」と、さも「知っていたもんね」的に報じるように見える。今回もそうなのだろう。
元国会議員もいる。『政界の牛若丸』こと元衆議院議員の山口敏夫氏だ。彼は世襲政治家でもあり、労働大臣も務めた。1995年に二信組事件に関与した疑いで、現職国会議員であるにも関わらず逮捕された。その後実刑判決が下り、政界を引退したが、今回の都知事選で復活となった。
今回の都知事選では、以前から糾弾していた森喜朗元首相に対し、オリンピック組織委員会会長を辞するよう求めていくと言われている。小池百合子VS内田茂のように個人的な恨みつらみも感じさせるような動機ではあるが、ここが千載一遇のチャンスだと思ったのだろう。
『政界の牛若丸』山口敏夫氏
首長経験者の中川暢三氏も忘れてはならない。加西市長の経験を持つが、その前には2002年の長野県知事選挙にも立候補している。そのときは完全な泡沫候補で、ポスターも自分で歩きながら貼っていた。松下政経塾の1期生であり、野田佳彦元首相と同期らしい。主張や政策はいたって真面目だが、決して地味ではなく、「江戸城復元」や「投票したら1万円」などのユニークな政策も発表している。
田中康夫氏とも対決した中川暢三氏
活動家でレイシストの在特会(在日特権を許さない市民の会)前会長の桜井誠氏は今回初出馬だ。「桜井誠」というのは通称名であり、本名は別らしい(非公開)。Wikipediaによると、母子家庭で育ち、弟を大学に行かせるために自分の大学進学を諦めたとある。その経験や市役所勤めの経験から、韓国に関する勉強を始め、それがヘイトスピーチや民族差別に進んでいったのだろうか。
在特会前会長の桜井誠氏
その主張は、いわゆる「ネトウヨ」に多く見られるもので、原発賛成、児童ポルノ規制法反対など。左派やリベラルへの憎悪とも言える主張は、今回の都知事選で存分に発揮されているが、ポスターにある「都政を国民の手に取り戻す」が、彼が最も嫌っているであろう鳥越俊太郎氏の「あなたに都政を取り戻す」に似ているのが可笑しい。主張は過激だが、ポスターの顔は笑顔でにこやかな表情となっている。
マスコミは無視しているが、警察が最も注目している候補者であることは間違いないであろう。
また、これも選挙ウォッチャーに注目されている「NHKから国民を守る党」代表で、船橋市議会議員の立花孝志氏も立候補している。立花氏は元NHK職員で、今はNHKから被害を受けている国民を守るということを党是にしている。党名だけ聞くとトンデモ政治家のようにも思えるが、実際は複数の自治体議員も党所属となっており、主張も一貫して筋が通っている。共感する都民も多いのではないだろうか。
NHKから国民を守る立花孝志氏
政党の公認ということでは、幸福実現党の七海ひろこ氏が出馬している。
他の候補者も、経歴だけ見ても「医師」「医療法人理事長」「元陸上自衛官」「税理士」「大学教授」「会社代表」など、社会の中で一定の地位を得ている人が並ぶ。供託金300万円を払って立候補しようとするのだから、それなりに主張があるはずである。それをマスコミは最初から「泡沫候補」扱いにしている。個別に取材は行っているだろうけれど、都民からしたら、選ぶのは3人のうちのどれかであり、それ以外は物好きか暇な人が興味を示せば良いという状況になっているように見える。
もう一つ大きな注目点として、参院選から実施された「18歳選挙権」がある。先の参院選では18歳の投票率が50%を超えた。素晴らしい。ぜひ都知事選でも高い投票率を維持してもらいたい。しかし、今回有力候補となっている3人の全盛期を知っているのは40歳以上ではないだろうか。小池氏が初当選したのは1992年だ。今から24年前。つまり、20代半ばの若者が産まれたときは、すでに小池氏は政治家だった。私はこのとき32歳だったので小池氏のキャスター時代も知っているが、自分の感覚で若者も見ていると思うと、そのズレに気が付かず、若者の投票行動を見誤りそうになる。
また、若者にとっては、自民党都連の代理で出てきたような増田寛也氏と小池氏との内部抗争や、山口敏夫氏と森喜朗氏の喧嘩など、全く関係無いことだ。政策で対決するのではなく、結局自分の都合や都民不在の私怨による戦いは、選挙離れや政治離れを生むことになる。都議会改革は、都民が首を突っ込まなければどうにもならないレベルになっているのかもしれないが、それがメインになるのは、あまりにも悲しい。
その責任の一端は明らかにメディアにあり、我々大人にある。相手批判ではなく、この東京をどうしたいのか、2020年に向けて東京をどのような都市にしていきたいのか。明確なビジョンを持って意見を戦わせて欲しい。そして、主要3候補以外の候補者の主張にも少しは耳を傾けることによって、もっと多くの都民が都政に関心を持つようになるはずだ。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします