平均年齢20歳、投票率73%!? 史上もっとも「非常識」な選挙速報

2016/06/22

18歳選挙権・若者と政治

コラム

参議院選挙

選挙ドットコム編集部

7月は、なんといっても選挙の月です。
7月10日には参院選、7月31日には舛添要一都知事の後任を決める都知事選・・・とたて続き、しかも参院選は18歳選挙権後初の国政選挙となることもあって、書店の政治入門書コーナーがかつてない賑わいを見せています。
そんななか、一足早い「選挙」が、渋谷のとある場所で行われました。

4人のギャル男と都議会議員の「ギャル男総選挙」

有権者は、ある本を買った人々。出馬しているのは、4人のギャル男と都議会議員
……え、なんのこと?と思われたのも無理はありません。

この選挙、国政選挙でも地方選挙でもなく、その名もギャル男総選挙 in SHIBUYA TSUTAYA『ギャル男でもわかる政治の話』の発売を記念して、同書に登場する4人のギャル男と東京都議会議員のおときた駿氏の計5人が「出馬」し、「マニフェスト」を掲げ、読者に票を投じてもらう、という一風変わったイベントが、若者の街・渋谷のど真ん中にあるSHIBUYA TSUTAYAにて行われました。

現実では絶対ありえない、史上もっとも「非常識」な選挙


選挙といえば、投票以外にも選挙公約(マニフェスト)や選挙演説など、候補者が有権者に票を投じてもらうための施策が様々に存在しますが、この「ギャル男総選挙」ではそれらも忠実に実施・・・しようとした結果、実際の選挙ではまず考えられない、突っ込みどころ満載の「選挙」に。
その一例をご紹介すると・・・

①マニフェストが公職選挙法的には全部“アウト”

この「ギャル男総選挙」では、出馬した5人がそれぞれ、「オレなら票を投じてくれた人のために◯◯をする」というマニフェストを事前に発表。
「政治家はみんなのために政治をするのではなく、自分に票を投じてくれた人のために政治をする」という、『ギャル男でもわかる政治の話』に書かれた内容を忠実に実行するものだということ。

そこで発表されたマニフェストがこちら。

今福歳生(いまふく・としき)さんのマニフェスト:僕のサイン入りMTRLオリジナルTシャツをプレゼントします!

伊藤蓮(いとう・れん)さんのマニフェスト:静岡のハンバーグ屋さん、さわやかに行くさわやかツアーにお連れします!

引地敬澄(ひきち・たかずみ)さんのマニフェスト:オーダーメイドでハンドメイドアクセサリーを創ってプレゼントします!

時人(ときと)さんのマニフェスト:MTRLの企画に参加する資格をプレゼントします!

おときた駿・東京都議会議員のマニフェスト:リクエストされたテーマでその人のためにブログを書きます!

第一線で活躍するギャル男たちからこんなサービスを受けられる……とあっては、有権者であるギャル男たちのファンは大興奮。そんなギャル男たちのファンに囲まれ圧倒的に不利なおときた都議も、ギャル男たちに負けじと「本職」のスピーチを披露し、会場を沸かせます。

しかし、もしこれが本当の選挙なら、全員が全員、公職選挙法で言うところの「利益誘導(*)」に該当し、逮捕間違いないでしょう。
 *利益誘導……政治家が、政権維持や選挙における得票、政治献金など目的にものをあげたり、過度のサービスをしたりすること。

②投票数は愛情表現!?……1人で最大12票投じる熱狂的なファンが出現

今回の「ギャル男総選挙」では、本を1冊買うごとに投票券を1枚もらえるという方式を採用。本を2冊買えば2票、4冊買えば4票と、買った冊数だけ票を投じることができるため、一部の熱狂的なファンのなかにはなんと12冊も購入し、自分の「推しメン」に12票投じる人も。
AKB総選挙ではもはやお馴染みの光景と言ってもよいですが、もちろんこれは1人1票を規定する「平等選挙」の原則から外れています。

このように、厳密に考えだすと突っ込みどころ満載の「ギャル男総選挙」ですが、そこはご愛嬌。イベント参加者たちは、自分が応援するギャル男たちの「政治家」ぶりを嬉しそうに見守っていました。

そしてまさかの「本物」登場!?

遊び心いっぱいの今回のイベントですが、例外的に一つだけ、実際の選挙でも登場する「本物」なものがありました。
それは……投票箱です。イベントが開催された渋谷区の選挙管理委員会が啓発用に貸し出しを行っているもので、国政選挙や地方選挙で実際に使用されているという、正真正銘の「本物」の投票箱です
ギャル男とそのファンたちで賑わう会場で、ひときわ異様な存在感を放っていました。

そしてこの、本物の投票箱を使用しているという点から、今回のイベントの狙いが見えてきます。
イベントに参加したギャル男たちのファンは未成年も多く、今回が初めての「投票」、という人がほとんどの様子。イベント開催のきっかけとなった『ギャル男でもわかる政治の話』は、政治に興味が持てない・面白いと思えない人々にも理解してもらえるように面白おかしく政治を解説するという、若い世代の政治参加を促そうとするものです。

候補者がギャル男でマニフェストや選挙方式が「アウト」でも、いままで選挙に行ったことのなかったギャル男のファンたちが、候補者のマニフェストを聞いて、投票したい候補者を選んで、実際に使用されている投票箱に投票した、ということ自体はとても意義深いことではないでしょうか。

今回のイベントをきっかけとして、参加したファンたちのような若い世代が投票所に足を運ぶきっかけになれば、「シルバーデモクラシー」と言われる、高齢者偏重型の日本の政治状況も変わっていくかもしれません。

「政治参加」レベルは北欧並み!?

ちなみに、今回の「ギャル男総選挙」の気になる投票率は……なんと73%!(主催者発表)

実際の日本の選挙で、20代の投票率が30%程度だということを考えると、ずば抜けて高いことが分かります。
実際の選挙もこのくらい投票率が上がることを期待したいですね。
※有権者総数は、『ギャル男でもわかる政治の話』が先行発売されてからイベント当日までの期間に購入された本の数

それにしても、普段は「都議会議員で最もチャラい」と言われている音喜多都議も、本物のギャル男たちと並んでいると“地味”に見え、とても不思議な気持ちになりました。

 

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選挙ドットコム編集部

2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

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