「大阪ダブル選2015」第2部、大阪府知事選挙の主要候補者討論での栗原氏と松井氏の1対1決戦をまとめました。
目次
栗原 貴子(くりはら たかこ)
無所属・自民党推薦・前大阪府議
松井 一郎(まつい いちろう)
地域政党大阪維新の会公認・現大阪府知事
栗原:私が知事になったら、まじめに大阪のためにどういう政策をすべきなのか、仕組みではなく中身、民主主義を大切にしなから政策をきちんと議論して結論を出します。府内全ての市町村と協調連携し、大阪だけではなく近畿圏がひとつになって、名実ともに西日本のリーダーとなれるような大阪経済の首都・大阪を目指していきたいと思っています。
松井:現在現職ですので、今やっている行財政計画を確実にさらに前進させる、また府市一体で作り上げた成長戦略を着実に進めていきたい。そこで、行財政改革で生まれた財源を、医療、福祉、教育に充当していく。成長が遅れた原因である、成長のための鉄道インフラも今、動かしました。関空と大阪中心部をつなぐ路線も着実に前へ進めていきます。
<ひとりずつ>
松井:大阪の経済を成長させるためには、府市がバラバラでは経済成長を促せない。私が橋下市長と成長戦略を1本化しましたので、これを着実に進めて参ります。ライフサイエンス企業、そしてグリーン分野での企業、実際にうめきた、彩都、夢洲、関空で320億円の投資が始まっており、ここで雇用を増やしたいと思っています。
栗原:この8年間で製造業に対する支援の予算額8億7千万円が2億5千万円に減っています。まずは、大阪だけ非常に高い法人税の超過税率を他府県並みの税率に引き下げることで中小企業に戻っていただく。さらに大阪が得意とする医療、健康、エネルギー分野に支援をし、首都機能を大阪に移転させ東西のうち一極を担えるよう進めたいと思っています。
<自由討論>
松井:超過課税確かに大阪やっています。橋下知事以前、11年連続赤字だったという大阪府の財政状況がある。そんな中で府民の皆さんの生活を守るため、黒字にしなければ様々な政策ができません。平成23年に比べ現在は、2,000億円ほど税収は増えてきた。財源を私と橋下市長で積み上げたが、減債基金の積み立て不足は2,600億。そんな中で、財源なき減税は無責任極まりないと思っています。
栗原:大阪府政の中でも事務事業はゼロベースから総点検します。私が一番の無駄だと思っているのが、大阪都構想の住民投票に至るまでに使われたお金が大阪府市合わせて37億円。あるいは二重庁舎の問題。効果検証もなしに行ってきた事業については、しっかり効果検証をし、効果がないものはゼロベースで見直すことで財源は生み出せると考えています。
松井:マニフェストですから、減税やるならこの財源をはっきりといわないと。大阪都構想が無駄だったというのは公約とは呼べないと思います。
栗原:咲洲庁舎を撤退することで、年間10億以上の財源が出てきます。今、1億円超の会社で100%の超過税率(55億)が課されています。標準の2倍。しかも、中小企業製造業への支援は3分の1に減らされてしまっています。
松井:咲洲庁舎のテナント募集が開始され埋まることによって6〜7億は生まれてきますが、55億は生まれません。
栗原:ですから、都構想で使ってきた無駄遣いが省けますし、他にも総点検します。
松井:栗原さんは、財源については、明確な裏付けがないようです。毎年55億の財源は大変なお金です。55億というと、たとえば、子ども医療費助成をやめるくらいの話になる。簡単にやれる話ではありません。
<ひとりずつ>
松井:子育て、晩婚化によりハイリスク分娩が増えてきています。それに対応するために、急性期医療センターの隣に、府市一体で小児周産期救急救命センターを作り、ハイリスク分娩で命を落とす子どもたちを守っていこうと思っています。
栗原:就学前の幼児期の教育や保育、しつけ、環境がその子の人生を左右すると思います。教育、環境、経済状況にかかわらず、幼児期にしっかりとした充実した教育を受けて小学校に上がれるよう、そして、全体での学力向上もめざしたい。
<自由討論>
松井:今の話も同じなんですが、より具体的にいくらの財源を使って、幼児期の教育をどういうふうにされるのか、をお聞きしたい。これ主役は市町村になってくるんです。
栗原:財源といえば、中学校給食に大きなお金が使われてきましたが、選択制の学校では喫食率が1割未満、全員喫食では7割以上が半分以上残している。効果のない事業については見直していくべきだと思います。
松井:栗原さんは、財源の具体性がまったくなし、ということがわかりました。中学校給食については、一番大事なのは栄養を取ること。大阪府では9割実施されるようになってきています。
<ひとりずつ>
松井:行財政改革、これは役所改革です。まずは政治家が自ら身を切るところ、当たり前の話なんです。議員定数109から88議員に、報酬3割カットは今なお続けています。職員数も減り、人件費は平成19年から24年で9%削減されており、今後も続けていきます。
栗原:大阪府の財政状況、黒字とおっしゃっていますが、それは単に現金の収支。複式簿記での4年間での累積赤字は2,500億円となっています。
<自由討論>
松井:なぜ複式簿記だと赤字になるのかというと、自民党の知事の方が11年連続赤字だったんです。この減載基金の積み立て不足、5,000億以上の積立不足があったものを、今、半分積み上げていっているんです。
栗原:私は、この4年間の累積赤字が2,500億あるといっているんです。企業が大阪府外に出てしまい、大阪の府民所得も低落してしまった。大阪の経済が元気をなくしてしまい税収があがらない。私は、成長を促すような歳出を優先的に使い、大阪の経済を元気にしていきます。
松井:どうやって元気にするか、がないんですよね。具体的な話が。税収は上がっており、2,000億円増えています。観光戦略で大阪を訪れる外国人の数は、前年対比96%、2倍になっています。東京都でも52%なんです。全国平均は48%。これによりサービス業が伸びているんです。
栗原:松井さんは、成長戦略を1本化しましたが、こうしてアピールできるのは、外国人旅行客が増えたことくらいなのかな、と思います。それはアベノミクスの効果、世界文化遺産の5つが近畿圏に集中しているからという理由もあると思います。
松井:アベノミクスだけというなら、なぜ大阪は東京以上に伸びているのでしょうか。マーケテイングして、プロモーションが成功している結果なんです。
その他、「医療・福祉」「防災と治安」などについても討論が行われましたが、ユーザーのコメントには「松井氏が具体的」「さすが現職」「圧倒的に松井氏」などが目立ち、終始、松井氏のペースで進められるという結果に終わりました。
11月22日、いよいよ投票日を迎えますが、誰が当選するのか、と同時に“ねじれ”が起こるのか否かにも関心が高まっています。有権者だけでなく、全国民も動向を追っている大阪府知事選挙、来夏の参院選にも大きく影響することが予想されるだけに、結果が注目されます。
大阪市長選の主要候補者のレポートは以下をご覧ください。
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