大阪が熱い!
明後日5月17日に行われる「大阪都構想 住民投票」をめぐって、賛成派と反対派によるデットヒートが繰り広げられているからだ。
マスコミの世論調査によると、概ね反対が半分近く、賛成が4割弱となり、反対派が優勢のようだ。
はたして、結果はどうなるのか。
そもそも大阪都構想とは何か?
そりゃあ、「大阪都」というくらいだから、大阪を都にするか否か、ということでしょう。
実はそれは異なる。
そもそも、この住民投票は何を投票するのかというと、
というものらしい。それが何で「大阪都構想」なのか。
まず、言い出しっぺの大阪維新の会の特設サイトを見てみよう。
大阪都構想 二重行政のムダをなくす。豊かな大阪をつくる。(大阪維新の会)
大阪には府と市の二重行政が生み出したいくつもの問題点がある。
この結果、税金が無駄に使われて、大変な負の遺産となっている。
そこで、維新が二重行政の解消と住民サービスの充実に取り組んでいる。
そして、大阪都の実現により
が行われて、大阪が生まれ変わる。というのが、大阪維新の会の主張となる。
ここまででは賛成でいいのではないかと思えるが、反対している自民党のサイトを見てみよう。
本気で考えよう!大阪の将来 大阪都構想の不都合な真実(自民党 大阪府支部連合会)
反対の理由として以下の3つが挙げられている。
つまり、大阪市を廃止することの弊害が多く、メリットはない。しかもダメだったときに戻せない、というものだ。
さらに、共産党のサイトを見てみよう。共産党は、「カクサン部」という独自の取り組みがある。
大阪どーなる(日本共産党)
こんなところだろうか。
民主党も概ね同じような主張だ。
住民投票には反対の一票を!(民主党大阪府支部連合会)
これらの問題提起に関して、維新の会サイトではQ&Aの形式で答えている
ここまでくるとだんだんわからなくなってくる。
はたして「賛成」と書くべきか「反対」と書くべきか。
橋下さんが言うから賛成か、橋下さんが言うから反対か。
そのように考えて投票する市民も多いかもしれない。
投票用紙はどうなっているのだろうか。
ネット上に出回っている投票用紙を見ると、確かに「賛成」か「反対」を記入するのだが、何に対してかというと
「大阪市における特別区の設置についての投票」
ということらしい。これについての「賛成」「反対」を記入することになる。
しかし、正確には
「大阪市を廃止し、特別区を設置することについての投票」
と表記されているべきではないだろうか。
ここまで見てきても、大阪市を廃止して特別区を設置することが本当に大阪のためになるのかどうかわからない。かといって都構想がなくても二重行政を廃止し大阪を良くすることができるのであれば、なぜ今までできなかったのか。
やはり橋下徹大阪市長の信任選挙となる感は否めない。
投票日は5月17日(日)
対象は大阪市民。
ひとつ言えるのは、賛成派、反対派の大量のアピールと投票呼びかけによって、おそらく大阪市民だけでなく周辺の大阪府民、近隣他府県の住民までが大きな関心を持っていることだろう。
酒の肴にもなっているんとちゃうか?
ケンカはせんといてや。
(大阪のみなさん、ヘタな大阪弁でごめんなさい)
住民投票のモデルケースとしても注目したい。
筆者:高橋茂
『ザ選挙』編集長。電子楽器のエンジニアから2000年の長野県知事選挙を経て、政治家の情報発信の専門家となり現在に至る。株式会社VoiceJapan代表取締役、株式会社世論社代表取締役。武蔵大学社会学部非常勤講師。政治家やNPOなどの活動サポートの傍ら執筆、講演など活動は多岐にわたる。
現在、Facebook上にて会員制オンラインサロン『ザ選挙サロン』を運営している。
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