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「三好」の奇縁〜半蔵門の社窓から

2012/8/31

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徳島県と愛知県。地理的には遠く離れたこの土地に共通するのは何でしょう。

答えは「三好町」。この2つの県には、それぞれ「三好町」という名前の自治体が存在していた。徳島県「三好町」は、1955年(昭和30年)に2つの自治体が合併して出来た地名。現在は更に合併して地名を「東みよし町」としている。一方の愛知県「三好町」は、1958年(昭和33年)に「三好村」が町制施行して出来た。2010年(平成22年)に平仮名の「みよし町」に改称、同時に市制施行され、現在は「みよし市」となっている。それぞれが改称するまで、日本には約50年の間、2つの「三好町」が同時に存在していたことになる。

同じ名前の自治体といえば、もうひとつ「池田町」がある。こちらは全国にある「池田町」を一同に集め、1985年に「全国池田サミット」なるものを立ち上げた。きっかけは1984年の香川県小豆島の池田町産業まつり。全国にある「池田町」の特産品を紹介した際、当時の小豆島池田町長の八木さんが、十勝ワインで村おこしをした北海道池田町に学びたいと考え、同時に全国の池田町同士の交流と地域経済活性化を考える仕組みづくりも視野に入れ、全国にある池田町の町長に呼びかけた。これに答えて、香川県と北海道の他、徳島、岐阜、福井、長野の各県にある池田町が参加、6町で「姉妹縁組」をし、3年後には大阪の池田市もこれに加わった。サミットでは毎回テーマを決め、地域活性化についての議論、物産展やゲートボール大会などを開催、住民交流も行った。1996年には災害相互支援協定を結び、支援体制も整えたが、サミットのきっかけを作った香川県、さらに徳島県の各「池田町」が平成の大合併により消滅、サミットは2006年に21年間の歴史に幕を下ろした。

話は「三好町」に戻るが、2010年に市制施行し、改称された愛知県の「みよし市」。単純に考えれば「三好町」から「三好市」に名前を変えればいいのに、なぜわざわざ平仮名の「みよし市」にしたのだろうか。実は「三好市」という名前、既に2006年(平成18年)に徳島県に新設合併し、誕生していたのである。愛知県「三好町」側は「同じ漢字の市名は既存の市の名称と同一とならないように十分配慮すること」との1970年の自治省通知に反するものの、その後の総務省の「相手方に異議がなければ拒否するものではない」との見解を以て、徳島県「三好市」にお伺いを立てたが、「到底納得出来ない」と拒否されてしまった。そこで愛知県「三好町」は、行政手続き上、一旦「みよし町」と改名し、さらに「みよし市」として市制施行することとなったそうだ。

ところで拒否した側の徳島県「三好市」だが、2006年誕生時に合併した町村の中には、先の「全国池田サミット」に参加した「池田町」が含まれていた。なんとも奇妙なめぐり合わせである。当時の「池田町」の人々の心中や、いかばかりだったのだろうか。(編集部:横内陽子)

編集部コラム「半蔵門の社窓から」

ここでは、『ザ選挙』編集部が日々の作業をしていく上で気がついたこと、伝えたいと思ったことなどを、コラム形式や資料などでお送りします。不定期刊行となります。

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