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浦安市と千葉県にみる選挙の在り方

2011/4/7

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4月10日は統一地方選の前半で、知事選や政令指定都市の市長選、および41道府県議選が執り行われる。千葉県議選もそのうちの1つ。

東日本大震災を受けて、被害の激しい地域においては選挙を延期することができる特例法が定められ、岩手県や福島県では選挙が延期されることとなっている。その「選挙を適正に行うことが困難と認められる市町村」としての指定を受けられなかったために、千葉県浦安市では今、県選管と市選管の対立に巻き込まれた形の3人の県議選立候補者が、対応に苦慮している。

今回届け出ているのは以下の3氏。

  • 内田えつし(46)自民党現職
  • 矢崎けんたろう(43)民主党現職
  • むとうむつみ(47)無所属新人

矢崎けんたろう氏

2期目の再選を目指す矢崎けんたろう候補は「ようやく上水道が復旧したものの、まだまだ家が傾いていたり塀が崩れたままで、選挙どころではないという人に、どう伝えていくかというところが非常にやりにくい」と、震災対応に追われる中での選挙戦の難しさを口にする。そもそも選挙活動をはじめたところで、投票がなされなければゴールも設定できない。

矢崎候補も、もともとは選挙の延期を訴えていた。だが県選管の告示を受け「届け出が受理されたのに投票できないのは納得できない」と、市、県の選挙管理委員会の対応の相違に不満を募らせる。

千葉県選挙管理委員会の度重なる勧告にもかかわらず、浦安市長および浦安市選挙管理委員会は「適正な選挙の執行」が困難であるとし、現在でも選挙事務を執り行っていない。このため、再選挙が行われて浦安市選出の議員が誕生するのは、最短でも5月の連休明けになる見通しだ。

現在の県議の任期は今月29日まで。通常なら10日に執り行われる選挙を経て、新県議が臨時県議会に臨むのは5月の20日前後になる。それまでに県に浦安の代表を送ることができるか。矢崎候補は「市民の代表が県議会からいなくなる事態は避けたい」と早急な選挙日程の確定を望んでいる。

ライフラインの復旧もまだ

事態がなかなか収束しない背景には、県と市とでこじれてしまった思惑があるからだ。浦安市は4月6日の時点でもまだ一部の下水が復旧しておらず、陥没したままの道も多々残っている。ここにきてようやく17日告示の市議選なら執り行えると判断した状況だ。これまでライフラインの復旧に全力で取り組んできており、10日の選挙対応のことなど後回しにせざるを得なかったというのは、現場の実感として理解できる。浦安市の松崎秀樹市長は「知事は一度も現場を見ていない」と浦安市の実情を踏まえずに選挙の実施を決定した県を批判した。

県は県で、浦安市が県議選を執り行わなければ県内すべての選挙区で県議選の執行が2か月以上延期されることになり、そちらの影響のほうがマイナスになると判断した。千葉県の森田健作知事は松崎市長の批判に対し「副知事が現場を見ている。何とか市民のために選挙をやっていただきたい」旨の回答をしている。

県が市に対して勧告をしたのは地方自治法に基づいてのことだが、そもそも地方自治法の目的は「地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障すること」である。「民主的にして能率的な行政」を確保するのは、私たち自身に他ならない。法律はこれ以上でもこれ以下でもない。浦安市と千葉県にみられる見解の相違は、「当事者意識」をどこまで持てるかということではないか。現場の状況を踏まえずに「市民のために」という言葉には空虚さが伴う。

(山本千晶)

※学生団体iVoteでも、浦安市区のレポートを掲載しています。
【千葉県議会議員選挙浦安市選挙区をめぐるゴタゴタ】

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