選挙ドットコム

さとう しゅういち ブログ

呉総合防衛拠点、『西洋の没落』『米国の変質』のなか、強行避けよ

2025/4/15

防衛省は、旧呉製鉄所(日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区)跡地への多機能な複合防衛拠点について『防衛省、広島県、呉市、日本製鉄による四者協議は事実上終わった』としました。広島県は、これに対して納得していない姿勢を示していますが、呉市は、住民への説明を行い、押し切ろうとしています。そして、説明会の対象も警固屋・宮原地区の住民および呉市民とのこと。マイナンバーカードや免許証などを提示させる物々しさです。旗差しものなどは議会などに準じた扱いで禁止というのはわかる。しかし、撮影も録画も禁止というのはあまりにも神経質になっていないでしょうか?結局、十分納得させられる自信がない現れでしょう。そもそも、呉市、それも特に警固屋・宮原という狭い範囲の住民にある意味、外交安全保障の大きな問題と絡んでくる問題を丸投げするような防衛省の姿勢が問題です。
_e0094315_12043700.jpgそもそも、今のような防衛拠点計画は以下のような前提があります。
・いわゆる台湾有事に日米が団結して台湾側に立って中華人民共和国と闘わないといけない。・ロシアもウクライナの次は日本に攻めてくる。その時は朝鮮や中国と連合して攻めてくる。このような前提の元、岸田前総理の下で、防衛費の大幅増額が行われた。その予算消化のために、とにかく、余っている土地を買って何かを建てる。そういう発想が見え見えなのです。だが、上記の前提は、特にトランプ政権下で急激に変化しています。それは、米国が急速に『中国のことをあれこれ言える国ではなくなりつつある』ということです。これまでは、日本は、同じ民主主義国として米国と連携して中国と対抗すべき、という議論も説得力はありました。ところが、急速に米国が民主主義国ではなくいわゆる権威主義国化しているのではないか?米国、ロシア、イスラエル、ハンガリー、朝鮮の『権威主義の五角形』ができているのではないでしょうか?
まず、米国こそがいま、ロシアのプーチン大統領(ICC=国際刑事裁判所が逮捕状を発行)にすり寄っています。そして、ウクライナの領土はロシアに、鉱物資源は米国にという分割を行おうとしています。また、4月中旬にロシアのミサイルでウクライナ市民34人が死亡したとされる事件ではトランプさんは「ロシアのミスがあったと聞いている」としてロシアを擁護しています。また、プーチン政権を批判したロシアの女性研究者の米国への再入国が米当局により拒否されるという事件も起きています。トランプさんの差し金で、米当局がプーチンさんに忖度したとみられてもおかしくはない。既報の通り、こうした中でロシア軍の撤退を求める国連総会決議にはロシア、ベラルーシだけでなく、イスラエル、米国、ハンガリー、朝鮮(金正恩さん)も反対しました。ロシア肩入れという意味でこれら米露イスラエルハンガリー朝鮮という五角形の連携ができるつつあります。ウクライナのゼレンスキー氏は、10.7当初はを支持していましたが、ネタニヤフ被疑者に完全にはしごを外された形です。
一方、イスラエルは、2023年10月7日のハマス政権による攻撃に対する反撃すると称してガザで5万人以上の子どもを含む市民を虐殺。ただし、イスラエルは10月7日以前も、毎日のように、どこかでパレスチナ人の家を燃やし、畑を奪い、車を壊す。そんな暴挙を続けていたのです。そして、2025年1月にはいったん停戦合意がされたものの、イスラエル側は3月には侵略・虐殺を再開し、停戦合意を崩壊させました。また、イスラエルはシリアやレバノンにも攻撃を繰り返しています。イスラエル首相のネタニヤフ被疑者は、国際刑事裁判所から逮捕状が出ています。しかし、バイデン前大統領、トランプ大統領ともに、ネタニヤフ被疑者擁護では一致しています。バイデン時代にすでにイスラエルの侵略反対のデモをしていた学生への弾圧は始まっていましたがトランプさんがそれをさらに強化しています。米国永住権獲得済みの留学生や研究者がイスラエルを批判しただけで拘束されたり国外追放になったりしています。こうした中、以前は、イスラエル寄りだった欧州が次々とパレスチナを国家承認する動きを見せています。2024年のアイルランド、ノルウェー、スペインに続き、2025年6月にもフランスがパレスチナ国を承認する予定です。
一方、中国やインドはウクライナ問題に関する決議ではロシアに配慮はしているものの、欧州やウクライナが出した決議には反対もせず、棄権としています。ある意味、米国こそ、親イスラエルに加え、最大の親露国家となっています。
また、トランプ関税では、中国への125%に加え、日墨加が主の自動車は追加関税の対象です。台湾が主な米国にとっての輸入先である半導体もトランプさんから『台湾の半導体工場を米国に移せ』と要求される始末です。
トランプ氏は安全保障を盾に、日本や台湾に無茶な要求をする可能性は今後も高い。日本に対しては米国製の武器をもっと買え、というのがメインになるでしょう。ただ、日本や台湾、あるいは韓国もビビってはいけません。かつて、1980年代から90年代にかけて、日本は自動車や半導体などで米国に大幅譲歩しました。しかし、米国が『コラえて』くれたでしょうか?答えはノーです。むしろエスカレートするだけでした。
そもそも、日本や韓国が米国製の武器をたくさん買っても中国と本気で軍拡競争になったら勝てるでしょうか?冷静に考えて答えはノーでしょう。また、台湾についても、半導体産業が台湾に集積している限り、それを破壊するような武力侵攻など愚かな真似はしないでしょう。また、朝鮮は最近では中国との関係を冷却化させ、ロシアにシフトしています。逆に言えば、中露朝が団結して日本に攻めてくる事態も考えにくいです。たしかに一時期までは日米欧vs中露という新冷戦構造になったと言われていた。それは、もはや崩壊したとみるべきです。米欧の間にも米加の間にもぬぐいがたい不信感は出来てしまった。ウクライナやイスラエルを巡る問題でも米欧間にかなり距離が開いてきました。
外国で言えば、ウクライナのゼレンスキー大統領が米国に忖度してイスラエル寄りの姿勢を示しても、何の良いこともなかったわけです。日本政府が米国に忖度して大量に米国製武器を買う。米国と一緒に台湾有事に参加することを前提に総合防衛拠点を拙速に進める。広島市で言えば、、ロシアやベラルーシを8.6の平和記念式典に招待しない対応を取ってきました。また、G7広島サミットを前にはだしのゲンや第五福竜丸を削除しています。にもかかわらず、マツダ車には日本製であろうがメキシコ製であろうが25%の関税がかかるようになってしまった。『報復だ』とこぶしを振り上げる必要はない。ただ、日本政府は、直接投資も国債購入も含めて最大の米国への投資国=債権国であることは、事実としてお伝えしていくべきです。また、インドや中国などとの関係強化も図っていくべきです。そもそも、長期的な西洋の没落の流れがあるのに、最近の日本政府にしても広島県・広島市にしても、米国に忖度しすぎていました。特に岸田政権が一番ひどかったようにも思えます。広島市は平和記念式典に全ての国に案内状を出しました。さとうしゅういちと広島瀬戸内新聞が2024年7月30日に広島市に、9月に市議会に陳情した成果とも言えます。






この記事をシェアする

著者

さとう しゅういち

さとう しゅういち

選挙 広島県知事選挙 (2025/11/28) - 票
選挙区

広島県

肩書 介護福祉士・元広島県庁職員・広島瀬戸内新聞社主
党派・会派 無所属
その他

さとう しゅういちさんの最新ブログ

さとう しゅういち

サトウ シュウイチ/49歳/男

さとう しゅういち

さとう しゅういち トップページへ

寄付して応援する

「さとう しゅういち」をご支援いただける方は、是非個人献金をお願い申し上げます。
※選挙ドットコム会員登録(無料)が必要です。

月別

ホーム政党・政治家さとう しゅういち (サトウ シュウイチ)呉総合防衛拠点、『西洋の没落』『米国の変質』のなか、強行避けよ

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_white選挙ドットコムHOMEicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twittericon_twitter_whiteicon_youtube