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中谷 一馬 ブログ

「こども一人あたり最大1000万円給付」するこども政策の財源論と考え方

2023/12/18

まず私が提唱する

「こども一人あたり最大1000万円給付」

について説明します。

 


 

①考え方:第2子、第3子に給付を拡大する。

 

第2子、第3子の出産や低所得世帯への給付増は、これまでの実証研究でも出生率を向上させる効果が認められています。

 

・1か月当たりの給付額

 

(a) 第2子以降について、0~18歳の間で一人当たり500万円給付する場合 500万円 ÷ 19年間 ÷ 12か月 = 月額 約21,930円
 

(b) 第3子以降について、0~18歳の間で一人当たり1,000万円給付する場合 1,000万円 ÷ 19年間 ÷ 12か月 = 月額 約43,860円
 

・1年当たりの予算額
 

(a) 第2子以降について、0~18歳の間で一人当たり500万円給付する場合

月額 約21930円×12か月×(7,009,647人+3,140,934人)=約2兆6,700億円

 

(b) 第3子以降について、0~18歳の間で一人当たり1000万円給付する場合

月額 約43860円×12か月×3,140,934人 = 約1兆6,500億円

 

合計特殊出生率が低下してきている主な理由は、生涯未婚率が上昇してきたあると言われています。

生涯未婚率(0.35)が変わらない前提のもと、有配偶出生数が3に上昇したら、合計特殊出生率は1.95になるという試算があり、現在の合計特殊出生率(1.3)の概ね1.5倍で、現在の出生数が約80万人であるため、出生数は120万人程度に上がる可能性があります。

 

 

②考え方:子育て世帯と低所得世帯に給付を拡大する。

 

0歳から18歳のこども全員に対して、月15000円給付(※総額約350万円)。

 

15000円×12か月×約1,941万人=約3兆5000億円

 

またプラスで家庭環境に応じて最大月43860円程度(※総額約1000万円)を上限の支援策を講じ、子育て世代を徹底サポート。

 

月額 約43860円×12ヶ月×住民税非課税世帯(子ども有)85万世帯=約4500億円

 

 

◆こども・若者に必要な総合政策の具体案

 

少子化の背景には、経済的な不安定さや出会いの機会の減少、仕事と子育ての両立の難しさ、家事・育児の負担が依然として女性に偏っている状況、子育ての孤立感や負担感、子育てや教育にかかる費用負担など、個々人の結婚、妊娠・出産、子育ての希望の 実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っています。

少子化対策や子育て支援は本来、ナショナル・ミニマム(国家が国民に対して保障する生活の最低限度)なはずです。国が一律で制度設計を担い、実行するべきです。

一つの政策で解決できないので、考えうる手はすべて打ちたいと考えます。

 

(少子化対策)

未婚化・晩婚化対策(結婚支援)

出産費用の無償化

→無痛分娩まで含めて出産費用の無償化をした時の予算感 約5000億円

 (出産育児一時金 財源(医療保険料) 2019年度 3800億円)

 

(子育て支援)

・児童手当の拡充及び所得制限の撤廃

→こども全員に月15000円(総額350万円)給付 約3兆5000億円

 

・教育の無償化(ベーシックサービス)

→幼児教育・保育の完全無償化 約1兆5,288億円

 (0~2歳の全ての子どもを無償化の対象とする場合の追加額は約6430億円)

→国公立小学校~大学の費用を無償化する場合の必要額 約2兆1,540億円

 

or

 

・給付型奨学金の拡充

給付型奨学金を拡充し必要とする全学生に給付した際の必要額 約4,966億円

 

・奨学金の返済軽減

奨学金の返還を不要にして国が補填する場合の必要額 約9兆5,356億円

奨学金の利息を国が補填する場合の必要額(年間) 約239~387億円

 

 

(結婚・出産・子育てに関わる総合政策)

・待遇改善と働き方改革

→若者・女性の賃金上昇・女性の家庭における負担の軽減・正規雇用者と非正規雇用者の経済格差の是正

 

・多様なパートナーシップ制度 

 

・子どもの権利侵害対策(虐待、自死、いじめ、不登校、ブラック校則)

 

 

◆必要な総合政策の具体案(各論)

 

(1) 結婚を阻む壁を取り除く

 

◆経済的な壁

 

・不本意非正規雇用者を減らしていく

 

・賃上げの加速と中小零細企業支援を中心に公的助成をしながら、最低賃金時給は1500円をめざして段階的に引き上げる。

時給を1500円にすると全労働者の平均年収の増加額は24万8,600円となる。

 

・同一価値労働同一賃金の実現

 

・有期から無期転換への期間の短縮を検討

 

◆住宅の壁

 

・定額を基本として子どもの人数や地域により金額を加算する、若年カップルや子育て世代も利用できる新たな家賃補助制度の創設

 

・公営住宅の優先貸与、空き家マッチングの促進

 

◆「伝統的家族観」の壁

 

・選択的夫婦別姓制度の導入

 

・同性婚の法制化

 

・養育里親や特別養子縁組について、普及および支援体制の強化

 

 

(2)出産を阻む壁を取り除く

 

◆経済的な壁

 

・出産費用の無償化

 

・育児休業給付の対象者を雇用保険に加入できない非正規労働者やフリーランスへ拡大

 

・不妊治療の経済的負担の軽減、仕事との両立支援

 

 

◆不安や心配事の壁

 

・産前産後ケアの充実と負担軽減

・男女ともに育休中の賃金補償(現行67%)の引き上げ

 

・親が婚姻しているかに関わらず、全ての子どもの権利の保護と平等な支援

 

 

(3) 子育てを阻む壁を取り除く

 

◆不安や心配事の壁

 

・妊娠期からの伴走型支援の「子育て版ケアマネージャー」の創設

 

 

◆育児負担の壁

 

・マイナポータル等を活用した子育て支援に係る手続きのデジタル化促進

 

・「保育に欠ける」要件を撤廃し、就業に関係なく保育の利用を可能とする

 

 

◆働き方の壁

 

・毎日の睡眠時間と生活時間を確保するため、勤務間インターバル(休息)規制を義務化(原則11時間以上)するなど、仕事と家庭の両立支援の働き方改革

 

 

◆経済的な壁

 

・児童手当拡充(所得制限をなくし高校卒業年次まで一律15000円を給付)

 

・障がい児への手当等の所得制限撤廃

 

・児童扶養手当の拡充(所得制限の緩和、増額)と養育費確保

 

・所得制限をなくし、0~2歳すべての子どもの幼児教育・保育の無償化

 

・公立小中学校の給食の無償化

 

・高校授業料無償化の所得制限撤廃

 

・国公立大学の授業料を無償化し、私立大学生や専門学校生に対しても国公立大学と同額程度の負担軽減を実施

 

・結婚や子どもの有無にかかわらず、現在返済中の奨学金の返済猶予・減免

 

・子ども医療費の国費負担の検討と国保の減額調整措置の見直し

 

 

(4) 子どもや若者の育ちや学びを阻む壁を取り除く

 

◆見守りの壁

・保育士の配置基準の見直し。フリー職員の配置

(緊急改善のための財政措置:加算要件として、1歳児6対1→5対1、3歳児20対1→15対1、4・5歳児30対1→25対1)

 

・保育士の処遇改善。委託費の流用禁止

・小中学校の少人数学級の推進

 

・「給特法」の抜本的見直しにより、教職員の処遇を改善し、公立小中学校の質を改善

 

・学童保育の待機児童解消・支援員の処遇改善

 

◆居場所の壁

・子ども・若者の居場所・遊び場と相談機能の確保

 

◆学びの壁

・すべての子どもの学ぶ権利を保障し、多様な学びの機会を確保

(特別な支援が必要な子ども、不登校の子ども、外国にルーツのある子どもなど)

 

・ヤングケアラー支援

 

・子どもの意見表明権の確保とコミッショナー機能創設

 

・学びなおし環境の再構築

 

・学習指導要領における「はどめ規制」の撤廃と包括的性教育の実践

 

欧州の状況からうかがえるわが国の少子化対策へのインプリケーション(含意)は、①少子化対策は総合政策との認識、②持続性ある政策、③若い世代の経済・雇用の改善、④家族向けの社会支出の増額と財源の議論などが重要であるということである。賃上げや雇用の正規化などによって若い世代の暮らしをあらゆる側面からサポートし、絶えず「よりよい未来を提示」することが不可欠となる。

 

 

【ビジョン】

私は、自分自身が母子世帯の貧困家庭で育った原体験から、世の中の「貧困」と「暴力」を根絶したい。そして「平和」で「豊かな」社会がいつもいつまでも続く世の中を創りたい。そんな想いで政治の道を志しました。

そうした中で、経済成長と各種税率はバランスが重要であると考えておりますので、国民生活の実態を考えた上で、マーケットの信頼を得られる現実的な成長戦略と財政政策の両立が必要です。

2040年には、1100万人余りの労働力がする現状を踏まえ、外国人労働者の受け入れ、デジタル化、少子化対策は必要不可欠。私の具体策としては、

短期視点では、円安・物価高・低賃金に対応した給付と助成そしてターゲットを明確にした財政出動で消費需要と投資需要を刺激したい。

中期視点では、IoT、AI、ロボット、自動運転車、ドローン、ブロックチェーン、メタバース、GX、人への投資を進める企業、団体を徹底的に支援し、労働人口の減少に備えた供給の自動化、効率化を図り、経済成長を図るとともに税収確保を目指したいと思います。

長期視点では、子どもを産み育てる費用を無償化し、少子高齢化の抜本的な対策を行うことで、社会保障、財政健全化などを見据えた持続的な社会つくりを目指す。

国民1人が一生で負担する税・社会保険額をモデルケースを設定してミクロで積み上げて計算をしてみたところ、平均的なケースで約8600万円でした。国税が約2300万円、地方税が約2400万円、社会保険料は約3900万円。この8600万円はあくまでも一例ですが、人が生まれてこなければ、見込むことのできない税収あるいは社会保険料収入です。

これらの財源は、未来への投資に繋がりますので、こども国債を発行して、 家族関係社会支出をGDP比で2%-3%程度(10兆円から15兆円)まで増やす必要があると考えています。

国債発行と聞くと「国の借金を増やす」と懸念する方もいますが、銀行が企業に融資できるのは、将来の成長に見込みがあり、回収ができると考えるからこそ銀行はお金を貸すことができます。日本国には、幸いまだ国債を発行できる力がギリギリありますので、その資源を将来への投資に使うことについては、経営的な視点からも間違っていないと考えています。

例えば、2030年、今のままの政策を続けて債務残高が1400兆円になったけど、出生率は1以下まで下がり、経済成長率も1%に満たない国と、子ども国債を発行して、こども・教育に積極的な投資を行い、債務残高が1500兆円になったけど、出生率は1.6まで改善させ、経済成長率も2-3%程度まで引き上げられそうな見込みのある国のどちらに投資をしたいかと言えば私は後者だと思っていますので、今後も積極的に未来への投資を進めて参ります。

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著者

中谷 一馬

中谷 一馬

選挙 第49回衆議院議員選挙 (2021/10/31)
選挙区

神奈川7区 124,524 票 比例 南関東ブロック 立憲民主党 [当選]

肩書 衆議院議員(神奈川7区/横浜市港北区)
党派・会派 立憲民主党
その他

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